足立んこさんの映画レビュー・感想・評価

足立んこ

足立んこ

碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.9

作風にそぐわない変な入場特典をもらった

やたら評価が高いので期待多めで足を運んだが、ビジュアルから泥臭い作風を勝手に期待していたので(面白いのは大前提としても)意外に普通だと感じた
王道を貫いていっ
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無名(2023年製作の映画)

3.7

高校時代の日本史の知識を掘り起こして

歴史が頭に入ってないといけない上にオッペンハイマーばりの時系列の交錯、初見さんに全く優しくない説明不足な進行でストーリーを追うだけでも大変だった
が、渋い割に演
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14歳の栞(2021年製作の映画)

4.3

あの頃に戻りたい...

中学生って結構子供で、だけど思春期だしそれなりの悩みはあって
このままでいたいけど大人にもなりたい、そんな複雑な時期の繊細な心の機微を上手くすくいとっているというか、解像度が
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トラペジウム(2024年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

アニメ映画は高確率で入場特典があるから嬉しい
「空に答えを求めることはあるけれど
今の私はね、そうしてる時も笑ってるんだ。」

予告のイメージとは違い、夢を追うことを美化せずに泥臭く描いているところが
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神々の深き欲望(1968年製作の映画)

3.5

スカッと爽やかコカ・コーラ!!

3時間で長めの割には住民たちの生活様式、きったない小競り合いと近親相姦一歩手前のイチャイチャを淡々と見せつけられた
描きたいものが伝統の喪失なのか、欲望の底深さなのか
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なま夏(2005年製作の映画)

3.7

この不快感、ジメつき、生々しさ、全てが吉田クオリティ
なんかもうデビュー当初から完全なるキモ映像作家だったのだなと

オワコン人生唯一の希望である勘違いの恋
その気持ちはいたって純粋、少しコミュニケー
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

静かなシーンでおじいちゃんのいびきが響き渡った

退屈な冒頭シーンが後からこんなにも意味を持ってくるなんて
流れが一変し説明会から始まる目まぐるしいほどの会話劇へ、視点が切り替わり人間描写を展開し、そ
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ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.0

アマプラにキター!!

カラー版では⭐️4.3をつけたけど、あれは劇場加点だったかもしれない
ゴジラ映画最高傑作なのは変わりないが

モノクロであることの恩恵はあんまりなかったけど、昭和の街並みとはう
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.5

ビニールハウスが思ったより住みやすそう
全然半地下のがキツい

介護の闇、そこから生まれる狂気を描いた作品という意味で「パラサイト」より昨年の邦画「月」に近いと思う
社会派エンタメとして個人的には圧倒
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劇場版ブルーロック –EPISODE 凪(2024年製作の映画)

3.6

ラピュタのドーラみてぇなばあや

厨二病なキャラ造形に加え演出の癖が強くて苦手だけどファンムービーなのでそこはご愛嬌なのかな

原作未読だけどオリジンストーリーなので置いてけぼりにはされなかった
エゴ
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異人たち(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

原作は一切知らないがなんとなく惹かれて

孤独を抱えた主人公が寂しさを埋めるために求めた死人への同性愛、家族愛
誰しも孤独感を埋めるツールを欲しているが、主人公は愛を知らない上にマイノリティで、待ち受
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.7

近隣でDolby Atmos上映してたので鑑賞
初Dolby Atmosで、IMAXには劣るが「オッペンハイマー」を見た後に今作をIMAXで見る価値は薄いと思ったので丁度いいなと

モンスターバースは
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.8

ケビンスペイシーの演技..!!

展開は割とあっさりしてて、ラストシーン以外はそこまで盛り上がらなくて残念
騙されクライム映画の先駆けなのだろうけど、今じゃこんな映画たくさんあるから今更新鮮味は見出せ
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触手(2016年製作の映画)

3.6

「異物」ぐらいの触手モノAVを期待してたがむしろ人間同士の絡みの方が多かった

異常性癖は好かんですが、人の過剰な性愛が生み出すドス黒くて生々しい現実を怪異を交えて映像化する心意気には惹かれた
でもそ
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ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

3.4

「ピンクリボン」から

若手の監督は過去の名作に影響されがちで、黒沢清にもそんな時期があったかという目で見た
カットとか台詞回しとか、ひとつひとつのピースは興味をそそるのにそれらは上手く噛み合わず意味
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.8

グロすぎ〜!
グロ映画として話題になったが、期待を大きく上回る悪趣味描写の連続で吐き気がした
眼孔にブチ込むシーンは唸らせられた

他のゾンビもののようなただのパニック映画ではなく、人間の隠れた本能を
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

世界を変えてしまった男

ダウニーjrはキーホイクァンを無視、エミリーブラントは核爆弾をネタにした本作だが、実際の内容は反核とまではいかないでも核爆弾は良くないよねというスタンスで、一部過敏な日本人で
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.0

見た目はコスプレ頭脳は根暗
名探偵バットマン!!

ブルースは復讐のためマスクを被り、犯罪の気配を求めて自らが影となり悪者を締め上げるわけだが、それでゴッサムが変わることはない
真実を知り、世界の本当
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.3

SF映画で培った物理学の知識を駆使

ありえないほど壮大な設定をそれに見合う映像と音響で仕上げた宇宙映画の傑作
とにかく見たことない映像ばかりで、当時はまだ観測されていなかったブラックホールの割と正確
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.4

ノーランの天才的な頭脳をカチ割って映画という型に無理やり流し込んだみたいな映画

自分はIMAXで一度観た後パンフを擦り切れるほど読み返した上、解説や考察を漁り、普通の劇場でもう2回観たため大筋はだい
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

入場特典付き アニメ映画はこれが嬉しい
予告であのキャラの死をネタバレされていたためなんか冷めてしまったが、そこから面白くなるのでまあスルーということで

自分の正義を過剰に振りかざすことは悪にも転じ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

IMAXで観たかったが物理的な理由で見れなくて残念 part3は絶対IMAXで観るぞ!
とは言いつつもやはり映像と音圧はノーマルな劇場でも凄まじい
映像面では前作よりも迫力が増した気がするが、ヴィルヌ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

映像も音楽も実に素晴らしく、一応2の予習として見直したわけだけど家の視聴環境ではあまりに惜しい

内容は正直ご愛嬌といった感じ
ストーリーとビジュアルは興味をそそるが、最序盤ということで特に大きな盛り
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.9

監督が変わってしまったので、もしかしたらドンパチ優先のガンアクション映画にでもなってしまったかと思ったが、まあそんなわけないか 脚本家一緒だし

前作は登場人物を通して善悪について描いていたが、今作は
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.1

邦題はちょいダサいけど、この映画のサブタイトル的な意味ではあながち外れてもいない

これは半分くらいミスリードで実はダブル主人公
純粋な正義を掲げるケイトと秩序を正すためのある意味必要悪みたいな役割を
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.3

ヴィルヌーヴ作品はいつも俺を驚かす

この映画ではサピア=ウォーフの仮説が正しいというスタンスが前提になっている
ざっくり言えば言語というのは話し手の思考に影響しているという説で、これが本当なら理論上
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.2

世界に誇る日本映画の傑作
何言ってるか分からんので字幕付きで鑑賞

3時間を超えるにも関わらず頭からケツまで楽しめた
似たような映画はごまんとあるわけだが、この映画は単なる勧善懲悪ではない
百姓のこと
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ピンクリボン(2004年製作の映画)

3.7

ピンク映画は多分見たことないけど、これはちょっと見たくなってしまったぞ
濡れ場のこだわりようがすごい

効率よく稼げ、実力のある人材を輩出するのにも一役買ったピンク映画だが、今ではもはやその名を聞くこ
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処刑人(1999年製作の映画)

4.0

デフォーの警察をもドン引きさせる圧倒的存在感
アクションシーンもデフォーの考察を起点に始まる
ロシアンマフィアにカチコミ入れるネカマデフォー

神の御名のもと正義の鉄槌を下す二人
正義と倫理を天秤にか
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ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード(2021年製作の映画)

3.9

やっぱおもしれぇー
キャスティングが完璧すぎる
ギャリーとヨハンに捧ぐ😭

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.1

なんてこったい!
殺し屋お仕事ルーティーン
殺し屋なんてありきたりな題材ですがここまでリアルで落ち着きはらった殺し屋映画は稀有ですな

これ、お仕事ムービーなんですね
殺し屋としての信念は彼なりにある
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キック・アス ジャスティス・フォーエバー(2013年製作の映画)

3.9

これもうエンドゲームじゃん!!

正義と悪のアッセンブル
そりゃオリジンストーリーの前作の方が面白いけど、今作はヒットガールの人間らしさが見えたし、デイブのヒーローとしてのアイデンティティを問い正すい
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.8

ちょっと薄ら寒いのは気になったけど、シャマランの描きたかったシリーズの全貌がようやく見えた

ヒーロー映画は善悪を描くものが多いけど、この三部作は虐げられた者たちの反逆を一貫したテーマとして捉えている
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セブン(1995年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

心臓キリキリする
オチが分かった上で見ると初見の時よりも絶望感が強く、終始気分が重かった

世知辛いもので、この異常な世の中においては異常な方が正常であり正常である方がむしろ異常 正常な異常者
日本に
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