Yuyuyumimimiさんの映画レビュー・感想・評価

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美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

4.2

フランス外人部隊の若き男達、アフリカ・ジブチのドライで彩度の高い光と風、鍛え上げられた肉体が動くさまは白昼夢のように美しい。
クレール・ドゥニ、何という感性、完璧さ。
そして男の嫉妬のいやらしさ。
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スーパーサイズ・ミー(2004年製作の映画)

3.5

監督の訃報を知って改めて鑑賞。
監督本人によるチャレンジの結果もすごいが、アメリカのジャンクフード浸透のやり方もえげつない。依存させて消費させ続けたもの勝ちの資本主義、アヘン戦争から世界は変わっていな
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阿賀に生きる(1992年製作の映画)

4.2

足し算も引き算もない、ただそこにある人間の素晴らしさ。撮影に費やした3年の時間と監督・スタッフの人間性の成せる技か。
阿賀の集落は、新潟水俣病の被害を受けた地だが、川と生活の繋がりの濃さ、船作り大工、
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バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

3.6

新市長の判断のズレと綻びによって、移民達の日常を一気に崩壊させていく様は見ていて辛かった。
そこから憎しみや対決を煽るのでなく、それぞれの人間の姿を描き、憎しみの行き先はどこに行くべきかを問う姿勢に、
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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

3.9

どうみてもアイリーンが不憫すぎる。

過去からの問題を断ち切れず次世代に踏襲したり、目の前の問題を見て見ぬふりする日本人の嫌らしさが、恥ずかしく醜悪な形で描かれていて良かった。
吉田監督、悪い人ではな
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関心領域(2023年製作の映画)

3.0

アイデアの斬新さとメッセージは伝わったけど、作品としてはあまり魅力を感じず。

実際のことを想像すると臭いや音の不穏さはこの比ではないだろう。そういう上っ面な感じ、所々に感じてしまうおしゃれ感やスノッ
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.5

石原さとみ、こんなに凄い俳優だったとは!弟役の森優作も素晴らしかった…。
沙織里の行動がリアルで、同じ立場なら絶対にこうなると深く共感。SNS・マスコミの罪深さや、登場人物それぞれの苛立ち・自責の苦し
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.6

悲しみ怒りの涙が堪えられない。
インフラが遮断された病院にとめどなく運ばれてくる死傷者、人々や医師の苦しみ。同種を殺戮する人類は生き物の中で最も愚かだ。
唯一マリウポリに残った記者がこの記録を残さなけ
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パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)

3.5

『パリでかくれんぼ 完全版』鑑賞
とにかく小粋で可愛いったらありゃしない。画の色彩もファッションも変なダンスも、ジャック・リヴェットの魔法でうっとり。50代のアンナ・カリーナを観られるのも嬉しかった。
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.7

公開したばかりなので、ストーリーには触れない。
映像、脚本、音楽、演技のすべて、この時間に終わりが来るのが嫌になるくらい素晴らしかった!
濱口監督と同時代に生きて、毎回初めての世界を身に心に体験できる
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蛇の道(1998年製作の映画)

3.3

リメイクで話題になっていたので鑑賞。
実は今まで黒沢清監督作品はことごとく合わずとにかくイライラするのでもう観ない方がいいかもと思いつつ、なんだか気になってしまう何かがあり、これもそのひとつ。
今まで
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チャップリンのゴルフ狂時代/のらくら(1921年製作の映画)

3.8

子供の頃観てお腹がよじれるほど笑った記憶があって、懐かしくて鑑賞。
大人になったからかそこまで笑うことはなかったけど、あらゆるコメディアンのベースになっているのを改めて感じ、それを見つけるのも楽しい。
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.8

『異人たち』後に鑑賞。
同じ脚本ベースでこんなに作品が異なるとは驚き。これはこれで終わりゆく昭和のノスタルジー全開で良かった。
鶴太郎がほんといい。きっとこの時代の職人気質の男ならもっと厳しい面がある
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異人たち(2023年製作の映画)

4.4

感じたことのない体験に満ちた作品。主人公の物語を辿っているのに、自分のパーソナルな核の部分に触れられているような感じ。
子供の頃の自分を掘り起こされ、取り返しのつかない孤独と恐怖に対峙し、愛の輪郭を思
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

IMAXで鑑賞。

想像以上にノーランワールド。
歴史の中で象徴的に位置付けられざるを得なかった人間の忘我の魂の迷宮。
彼の心情が台詞ではなく視覚音響効果で語られるので、スクリーンで体験すべきと感じた
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.9

観たいような観たくないよなで先延ばしにしてきた作品。
独り身が罰せられる世界で恋愛に落ちることの不条理さどうしようもなさ、それでも愛は生まれてしまう、哀しい私たちは周り回って動物だから。冷たい肌の下に
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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

公開当時に観てめちゃくちゃ刺さって、もう最高の愛の形だと。マイケル・ナイマンも大好きだったからサントラも聴きまくって、主人公のヘアスタイルも真似たり、忘れ得ぬ美しい画を胸に抱いて、の久々の鑑賞。
以下
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リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング(2023年製作の映画)

4.7

「俺は美しい、俺は解放者だ」
内面から溢れる強さと美。ロックの創始者という認識しかなかったが、50年代にセックスを歌い女装しクイアである自己と真摯に向き合い、搾取された人生にありながら関わる人々へ音楽
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.1

アジア映画の雰囲気を感じながら観ていたら中国の作家の方の原作だったのでなるほどと納得。ストーリーも最高だしキャスティングもすごく良くて翻弄された。岡田将生と彼の凄みに負けない少年役羽村仁成の組み合わせ>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.2

熊も展開も良くできたB級映画
人と一緒にダラっとつっこみながら観るのに最高

若者のすべて(1960年製作の映画)

4.2

人間という生き物の不確かさ
生まれた土地から離れ社会と切り離された人間の弱さ
ナディアがシモーネに言い放つ一言の切れ味が素晴らしかった

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

3.9

途中でビリーにママが出て行った理由を話すシーンが一番良かった。子供は意外と賢いから、向き合わないほうが疎外感や不信感がわだかまりになることや、テッドが数ヶ月間で彼女のことをどう理解したかが良く分かる。>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

3.0

バリーコーガンは悪くないけどストーリーが凡庸だった。