sさんの映画レビュー・感想・評価

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囚われの女(1968年製作の映画)

4.0

60年代らしいサイケデリックでビビッドなアート作品やフリーセックスを背景にした、クルーゾーによる現代アートないしポップカルチャーへの痛烈なアンチテーゼ。卑猥なスライド写真を見せられ帰宅した後、鏡の前で>>続きを読む

007は二度死ぬ(1967年製作の映画)

3.5

トヨタの2000GTで逃げるボンド
手裏剣大活躍
ナンシー・シナトラのYou only live twice

007/ゴールドフィンガー(1964年製作の映画)

4.0

美女シャーリー・イートンをC-3PO化して窒息死させる金粉塗りたくりプレイ

ヨーロッパ横断特急(1966年製作の映画)

4.0

早朝に観るもんじゃないロブグリエ。浮かぶのはクラフトワークの同名曲。ロブグリエ×ジャン・ルイの幾重にも重なり合うメタフィクショナル構造。映画の映画を観ている的な?
ホテルパートは首締めのシーンさえも美
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恋は光(2022年製作の映画)

3.5

She & HimのSentimental heartではじまりShe & HimのIn the sunで終わるのめちゃくちゃ恋だな

左様なら(2018年製作の映画)

3.5

『桐島、部活やめるってよ』を観た時に思ったのと同じことをこの映画でも思う。橋本愛のポジションはこの映画では石川瑠華さんにあたるんだろうか。桐島の橋本愛のように特別フォーカスされてはいなかったけれど、自>>続きを読む

Delivery Health(2019年製作の映画)

3.5

相手役が石橋静河であることに意味があるコンテンポラリーダンスミュージカル。生き地獄のような密室空間の中でしなやかに動くふたりの身体と、遠く近くで静かに輝く渋谷の夜景。そこに蔓延る焦燥感や戸惑いはすべて>>続きを読む

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

4.0

キアヌ・リーヴスのアクションのキレキレっぷりは言わずもがな、旧友マーカス(ウィレム・デフォー)のカットインで鳥肌。あの辺りから楽しくなってきた。
キアヌがバイオハザードのゾンビを殺る勢いで確実で無慈悲
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恋する女たち(1986年製作の映画)

4.0

斉藤由貴の一番好きな曲「MAY」が主題歌なことを予告編で知る。前年の主演デビュー作、相米慎二『雪の断章』とは異なる強がり文学少女キャラ。ツルゲーネフの『初恋』の朗読、緑生い茂る田園風景、夏の電車で追い>>続きを読む

みんなあげちゃう(1985年製作の映画)

4.5

前半(2/3)エロコメ、後半(1/3)特撮SF。冒頭からいきなりウルトラの母登場。部屋に置かれたザ・女の子なぬいぐるみラインナップの中にウルトラマンの人形が一体だけ転がる異常風景。
「星空の下、公園で
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孤独な天使たち(2012年製作の映画)

4.0

ベルトルッチの遺作。御歳70超えでこんなにも瑞々しく青春を描けることに驚く。開始早々CureのBoys don't cryを流すとかいう卒業制作とかでやりがちなことを堂々とやってのける。なんてかっこい>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.5

原作未読。
『after sun』でのポール・メスカルが降臨する瞬間が何度かあった。蟻の這い出る隙もないほどセンシティブに描かれているのを見て、これはイギリスで(ロンドンで)リメイクされたことに強い意
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肉体の悪魔(1947年製作の映画)

4.5

高校の頃読んだ思い入れのある小説の一つであるラディゲの『肉体の悪魔』の映画版。ジェラール・フィリップのドSイケメンっぷりに悩殺されまくる。再会後のベッドシーンで、ベッドのヘッドボードの格子越しに二人の>>続きを読む

濡れた欲情 特出し21人(1974年製作の映画)

4.0

映画三昧GW。ありがたい。
『一条さゆり 濡れた欲情』の二作目。フロアを盛り上げる音楽と共鳴する画面はまさにグルーヴィー。「青森行こうな?」「イクーッ!」のくだりが良すぎて笑ってしまう。あとスパイダー
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違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

4.0

中島歩ベンジー、あたしをグレッチで殴って…

ドラマ『このハンバーガー、ピクルス忘れてる』が面白かったので期待しかなかったが今作も監督のクセ強め脚本でかなり良かった。『恋愛依存症の女』観なきゃ

不良少女 野良猫の性春(1973年製作の映画)

4.0

冒頭の牛小屋?馬小屋で交わった後、全身に藁ぶっ刺しながら爽やかな笑顔で出てくるところなんか笑ってしまった。白い花柄のワンピースと白い花の髪飾りめちゃくちゃ可愛い。奇抜なぶっ飛びファッションセンスで東京>>続きを読む

都市とモードのビデオノート(1989年製作の映画)

4.0

映画とモードの抱える矛盾そして未来。アウグスト・ザンダーの存在。「20世紀の人間たち」。ブティックが立ち並ぶ、廃れる前の新宿ミロード。日本が今ほど貧しくなかった時代。
山本耀司を目の前にしてソファの上
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

素晴らしいロングショットの長回し。すべて完全ではいられないこと、隙間を埋める努力をすること。調和を重んじることで自己のバランスを保ってきたこの人生をなんだか赦されたような気分になる(INFJ)。>>続きを読む

こちら放送室よりトム少佐へ(2020年製作の映画)

4.0

良すぎる。序盤、女の子からの応答に静かに興奮する主人公の「今、眠っていたマントルが急速な活動を開始し膨張を続けている!!」の吹き込みで下ネタを連想してしまった自分が最悪すぎて鬱。16mmフィルムの質感>>続きを読む

極私的エロス 恋歌1974(1974年製作の映画)

3.5

タイトル通り、「極私的」で「エロス」で原一男が元カノに捧げた「恋歌」だった。うまく整理がつかないながらも色々と思うところはあったのだけれど、最後の上裸パンイチダンスに感情を全て持っていかれてしまった。>>続きを読む

魔性の香り(1985年製作の映画)

3.5

『天使のはらわた 赤い淫画』の石井隆×池田敏春。
雨降り頻る中の飛び降り、水没する勢いで水浸しになった部屋など、徹底的に濡らして湿らせてじっとり粘り着く憂鬱さはツァイ・ミンリャンの『青春神話』や『黒い
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一分間タイムマシン(2014年製作の映画)

3.0

量子力学の分厚い本大急ぎで読もうとするところ笑った。本当の体は過去の宇宙空間で死んでるのも笑った。

(2023年製作の映画)

3.0

ベネディクト・カンバーバッチの表情管理能力

パリのナジャ(1964年製作の映画)

4.0

セルビア出身のアメリカ人留学生ナジャの視点で語られるパリの街。冷静沈着でありながらも街中で出会う人たちとの交流も割と活発で、カフェですすめられた美術館の展示を訪れる素直さと行動力もあったりと畏れ入って>>続きを読む

ベレニス(1954年製作の映画)

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初期ロメール。エドガー・アラン・ポー原作の歯フェチ狂い。ロメール、椅子に座っても背が高いのが分かる。手が血で汚れているのにケースの中の歯が真っ白だったりとツッコミどころ多数。歯好きすぎてもはや唇じゃな>>続きを読む

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

4.0

アニメ版完走からの鑑賞。ツッキーちょっと明るくなった…?(クールな頃が恋しい)

マクドナルド橋のフィアンセ(1961年製作の映画)

4.0

『5時から7時までのCleo』に出てくる、映画館で観てるあのショートフィルム。ゴダールの黒いサングラスがキーになっていて、グラスをかけると世界が黒く見えて(霊柩車、黒いドレス、恋人かと勘違い)、外すと>>続きを読む

美しいひと(2008年製作の映画)

3.5

レア・セドゥ×ルイ・ガレルという完璧な彫刻芸術を眺めているだけで目の保養になる。黒髪ロングのレア・セドゥのミューズ感よ…
他の女子とは一線を画す美貌とアンニュイさ、ミステリアスでいて冷静沈着でありなが
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たたえられよ、サラエヴォ(2006年製作の映画)

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ボスニア紛争とヨーロッパ文明。銃を抱えた兵士たちと歩道に倒れ伏す市民たち。"文化は規則であり芸術は例外"。人々は規則(煙草、テレビ、戦争)について語り、芸術については語られない。規則(文化)は例外(芸>>続きを読む

アルファヴィル(1965年製作の映画)

4.0

007っぽいなと思ったら003。アフターダークのラブホテル「アルファヴィル」、モノクロームセットのアルファヴィル。アンナが朗読するエリュアールの『苦悩の首都』。
過去を振り返るあなたがたの性癖が我々に
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昭和枯れすすき(1975年製作の映画)

3.5

冒頭の俯瞰ショット、人多すぎて思わず叫んだ。セットの一部が前年作『砂の器』の流用っていうのは本当かしら。ねぶた祭りの映像が綺麗。新宿地球屋で『ザビエラの性生活/変態売春婦』がかかってるのを見逃さなかっ>>続きを読む

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