6060さんの映画レビュー・感想・評価

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ナイトスイム(2024年製作の映画)

3.3

透明で深さの知れてるプールに
怪異が潜むという設定が
ホラーとして破綻してる。
ほんと底が浅い。

違国日記(2023年製作の映画)

3.7

二人の視線が出会ったり、
逸らされたり、交差したり。
冒頭の宣言から、ラストまで、
清新で気持ち良い関係性。

ライド・オン(2023年製作の映画)

3.9

古きスタントへの憧憬と
命知らず達への深い敬意。
チートゥは多数の映画人の、
心からジャッキーを慕う化身。

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

3.7

グッと解像度を上げて、
スロー再生で見る今泉もの。
こんな路線もありかと思うが、
なんか騙されてる気もする。

告白 コンフェッション(2024年製作の映画)

3.5

不条理のパッチワークで
あえて反転や種明かしを
仕込まずとも成立したかも。
生田斗真は作品を選ばないなあ。

トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代(2024年製作の映画)

3.8

時代の先端で軽やかに
変化し続けた魅惑のトノバン。
唄は世の中を変えられないけど、
沢山の人生を変えたのです。

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.8

破壊と暴力で埋め尽くされた
フィルムから何が産まれるか。
本質的な何かを垣間見た様な
気もするが砂塵の彼方ですね。

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

4.0

沸騰する怒りの大きさが
社会実相への哀しみを深くする。
ラジ・リ監督が観客に突きつける
「傍観という加害」の鮮烈さ。

帰ってきた あぶない刑事(2024年製作の映画)

4.0

懐かしく洒脱で軽妙な軽口、
お約束に応えるキャスト達。
軽やかに期待値を超えて、
ワクワクした日曜の夜が蘇る。

関心領域(2023年製作の映画)

3.9

遠くの声、絶え間無い銃声、
通奏低音の焼却炉の音に
冷静で抑制的なシーンが続く。
静かな苦い怒りが喉に貼り付く。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.2

全伏線が見事に回収され、
人類の愚劣さの物語が終わり、
刺さって抜けない台詞が残る。
「君は僕の絶対だから。」

シド・バレット 独りぼっちの狂気(2023年製作の映画)

3.7

悲劇だったのかどうかは
シドで無ければわからない。
インタビューを積み上げる
誠実な手法が時代を映す。

ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.8

閉鎖社会への告発ではなく、
単なる無理解や微妙な発言が
歪みを増殖する不安の映像化。
ラストシーンに救いは残る。

湖の女たち(2023年製作の映画)

3.6

重層構造が上滑りして
事件の真相に焦点を結ばない。
福士松本パートが薄味なので
福地桃子の存在が一際光る。

ミッシング(2024年製作の映画)

3.9

吉田監督に次第次第に
追い詰められた観客は、
不寛容なこの社会に
生きる覚悟を強いられる。

碁盤斬り(2024年製作の映画)

4.2

時代劇という格式の中で、
役者陣の能力が顕となり、
白石さんらしい強引さは
恐ろしい完成度に昇華した。

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

4.0

歌詞を追うとボブが社会の
理不尽と暴力に強く反発し
抵抗した事に揺さぶられる。
生き方そのものが伝説。

人間の境界(2023年製作の映画)

4.0

この過酷非道な「国境」という
現実の咀嚼は重く辛すぎる。
報道しないマスメディアを
非難するのすら他人事のよう。

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

3.6

前半のトリッキーさが
無ければ結構ベタな展開。
でも見上愛の懸命な芝居は
素直に好ましかった。

正義の行方(2024年製作の映画)

4.2

丁寧に発言を収集した先に
浮かぶ「科学」という名の闇。
時に権力は誤りをおかすから
推定無罪を忘れてはならない。

殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)

3.8

背景の陰鬱さと10年の歳月が
事件とその関係者を変質させ、
シリアルキラーものとして
秀逸な構造を造り出した。

胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.6

不穏な事象が積み上がり
不快なラストへ雪崩れ込む。
宗教的隠喩がわからないので
まだマシなのかも知れない。

ジョン・レノン 失われた週末(2022年製作の映画)

3.7

その頃、幸福だったのかって、
見る角度で異なるものだけど、
少なくともジョンは楽しそう。
いずれもある意味真実なんだね。

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.7

好むと好まないとに関わらず
シリーズは大きく舵をきった。
予見される独善的な虐殺を
見せられる事は拒否したい。

鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)

3.3

若手女優陣3人の啖呵と
柄本明と火野正平はいい味。
でも、筋立てと殺陣は凡庸で
時代への怒りは余りに薄味。

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.2

甘くやわいストーリーだけど、
藤井組での清原伽耶の存在感と
18年という設定が活きてる。
きっと多くの人に響くと思う。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

後半こちらの安易な筋読みを
嘲笑うかのように、対峙すべき
本当の相手が最後に立ち現れる。
濱口監督のマジックは奥深い。

走れない人の走り方(2023年製作の映画)

3.7

奈衣瑠さんの深化に共鳴して
呼吸するかの如く一歩ずつ
主人公が前進するのは楽しい。
にしても奈衣瑠ちゃん良く喋る。

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.1

断片的な報道や主張を超えて、
頭の中の戦争という観念が、
リアルに寄り添った映像により
鮮明な現実として焦点を結ぶ。

無名(2023年製作の映画)

3.6

複雑な時代の人物相関を
あえて錯綜する時制で
陰鬱に見せる手法だが、
先が読めると醒めてしまう。

バジーノイズ(2023年製作の映画)

3.8

物語は有りがちでも説得力あり。
前半を支配するインストには
引き込まれたが、惜しくも、
最後の一曲が弱かったかな。

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.7

若さと惑いに満ちた女子の
生きにくさや苛立ちを
真っ直ぐ丁寧に描いてみせる。
「宣戦布告」が結構刺さった。

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.5

陳腐な猿族の勢力争いに、
人類の出番も全く無いし、
色々辻褄合わない杜撰な脚本。
山崎さん褒めちゃ駄目でしょ。

辰巳(2023年製作の映画)

3.9

ノワールゆえの乱暴な筋と
ノワールでこその手触り感。
森田想の振り切った演技が
規格外れの物語を仕切った。

リトル・エッラ(2022年製作の映画)

3.7

中盤まで少し不安だったが、
次第にその細やかな情感に
引き込まれるエッラの表情。
とても幸福感のあるラスト。

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

4.0

どちらの側にもくみせず、
権力が引き裂く家族と
信仰に引き裂かれる主人公の
壮絶な傷が深く印象を刻む。