私ジブリが経済消費で摩耗されて陳腐になるのがイヤだったけど
君たちはどう生きるかでジブリに纏わり付いてしまった軽薄さ?が削がれて、あの鋭さを取り戻してくれてよかったと思う。駿はこうでなければ
私にとってこの作品は「過去の愛との区切り、別れ」を描いた物語だ。
作中で象徴的に描かれた「瞳をとじる」という行為は、自分を捕えて離さなかった過去、愛を弔い埋葬することなのだと思う。
西欧ではキリス>>続きを読む
牧師が辺境アイスランドの地を撮影しながら進むという話のためか、映像の縦横比が最後までほぼ1:1なのが興味深かった。
実際に発見された写真から構想が練られたようなので、視聴者が当時の時代に没入できるよう>>続きを読む
新文芸坐でドライヤー特集が組まれていたので奇跡と2本立てで鑑賞。
人物の心象が丁寧に描かれた奇跡に対して、こちらは可能な表現を駆使して怪奇現象を映像化した意欲的な作品だった。
人が座り込んだ状態を>>続きを読む
ビクトル・エリセの瞳をとじてにて
「映画はドライヤー以降の奇跡を起こしてはいない」
という台詞からどれだけの作品なのだろうと興味を持ち池袋の新文芸坐へ。
精神病と診断された自らをキリストと呼ぶ男>>続きを読む
東京の空を覆う母艦、日常を侵す偵察機
巨大で圧倒的力を持つ得体の知れない何かが、いつか全てを粉々に破壊する日が来るかもしれない。そんな漠然とした不安や恐怖を客席の私達も感じている。
大きな流れの前>>続きを読む
家出をして仮住まいにいるロッタちゃんに「クリスマスになったら帰っておいで」と言いその場を後にするお母さん。
「クリスマスじゃなくて今かえるの!」と泣くロッタちゃんを優しく抱きかかえるお父さん。
子>>続きを読む
ずっと見たかった黒澤明のカラー映画作品。
仲代達矢の怪演が注目株かと思いきや根津甚八の男のエロさと原田美枝子の妖狐に見紛えし妖艶さに全て持って行かれた。
まず「黒澤明 乱 根津甚八」と検索してみよ。>>続きを読む
家族愛という呪いから解かれない母親、その母親から歪んだ愛と憎悪を押し付けられる息子の連鎖の物語。
傷ついた幼い母と向き合い和解の道を拓こうとした押見修造の血の轍に対して、今作は息子に内省の余地を与え>>続きを読む
男と女の美を併せ持つ人間の愛憎。京劇に愛され呪われた少年の物語。
虜姫を演じる蝶衣扮するレスリー•チャンの美しさ。
相手方の覇王 小樓に化粧する筆先に満ちた慈愛、その男を奪った女への燃える憎悪と煩慮>>続きを読む
初めて目の当たりにした死をどう捉え何を思うのか、夜の精霊と交信する少女の物語。
フランケンシュタインが死ぬ顛末に「どうして殺されちゃったの?」と姉に問いかけるアン。
活発な女の子が心優しい怪物を通し>>続きを読む
「運が良かったな。普通なら咬み殺されるところだったぞ」
〜きゃわいい犬〜
「犬の名前は?」
「ハンニバル(食人鬼)だ」
カウリスマキの作品では決して裕福な暮らしはしておらず影を落としたような人>>続きを読む
Good👇
作中の建築美はさることながら、エマ•シーンの纏うファッションに魅入られた。
大きなバルーンスリーブや胸元のフリルが彼女の純粋さや好奇心、自尊心の高さを表現している。生まれた時から君臨せしク>>続きを読む
こいつらビンタが速すぎる。残像が見えない弾丸か?
死体が生ゴミと一緒にゴミ収集車の中で回転するシーンが綺麗と思った。
そこから始まるヘンリーが逮捕されるまでの音楽とテンポがよい。人をバコバコ殺しなが>>続きを読む
「死ぬのが怖いから死にたくなるんだよ。」
このたけしも戦メリの時のような凶暴さと純粋さの二面性を併せ持つ男だった。
少年のように浜辺を走り花火を撃ちあう、ひと夏の思い出はその先の暗い結末を予想させ>>続きを読む
名作だからという理由で観に行ったのだが足を運んで正解だった。あれは絶対巨大スクリーンと音響で見るべき作品……
私はこの作品でウィラード大尉演じるマーティン•シーンに惚れ込んでしまった。当時の年齢で今>>続きを読む
AKIRAリマスター版を見た!!
ヨタヨタのジャンキーどもになめられてたまるかよ 俺達ァ健康優良不良少年だぜ!!
AKIRAを小さい液晶画面で見るのは原作の漫画を単行本サイズに縮小して読むのと同じだ>>続きを読む
神保町シアターにて。
サイレント映画+ピアノ生伴奏での鑑賞は初めての体験でとても贅沢なものだった。
物語に漂う不穏さや演者の揺れる感情が伴奏によって増幅されていく。生演奏で浮いてしまうかと思いきやす>>続きを読む
ーフィンランド人は常に森を夢見ている。
アルヴァはその夢を建築で形にした人物だー
北欧を代表する建築家アルヴァ•アアルトの生涯を彼の築いた建築と共に描いたドキュメンタリー。
私は木材や自然をベース>>続きを読む
カウリスマキ3作目視聴。
変わらずの哀愁と優しさが滲み出ていた。
近代のテクノロジーが極力排除された70年代あたりの映画ポスターや古びたインテリアを見ていると、今はなき懐かしい温かみを感じられる。>>続きを読む
「お前との絆なんかより天下というものはよほど重いものなんだよ。」
名声という生首を競って裏切り合う侍共の軽薄さと浅ましさを見せつけられた。
家族を惨殺されても重荷が外れたと嗤い、和睦のため自らを犠>>続きを読む
イーニドと10代の頃の自分が重なった。
ずっと一緒にいたレベッカ、ずっと廃線したバスを待つおじいさん、ずっと同じ場所に落ちたジーンズ… 変わらないと思っていたものも変化していき、自分も変わらなければ>>続きを読む
このご時世だからこそ見るべき作品だと思った。
食券がないと食べられないラーメン屋の前。お腹が空いたので「よく噛めよ」とトモエ学園で教わった歌をトットちゃん達が歌っていたら背後から突然「コラッ‼︎」と>>続きを読む
先逝くセディアスに敬礼しその髪を生涯離さずいたヨノイ大尉、ロレンスを祝福するハラ軍曹。暴力や支配を通して男同士の友情と形容できぬ愛を見た。
思いやりや柔和さなどの女性性が一切排除され、力や序列暴力な>>続きを読む
研究所に落下した稲妻状の構造物、水中から現れるブライキングボスの瞬き一つしない刮目の瞳、モノクロの映像で流れる人物たちのかつて幸せだった過去、起こり得た違う未来… 視聴して半年経った今でも記憶に残る映>>続きを読む
さびれたモーテルにやってくる謎のドイツ人ヤスミンと怒れる主人ブレンダの女の友情。
はじめは無口なヤスミン、
何考えてるか分からなくて不穏だったがブレンダの赤ちゃんを見て聖母のように慈しむ様子、善意か>>続きを読む
私の苦手なホラー映画だと思っていたので勧められなければ見ることはなかっただろう。
しかし実際に鑑賞してみて
部屋の内部をキャンバスにして、油絵を塗りつぶし上書きするように進むアニメーション。途方もな>>続きを読む
フランスの大御所女優カトリーヌ•ドヌーヴが作中で彼女と似た大女優を演じ、娘との埋まらない距離感とその中で撮影する物語を通した彼女の過去の対峙を描く。
冒頭何の説明もなく進むので「この人誰?」とか「な>>続きを読む
父との「離別」前の時間を振り返る物語。
冒頭で父親のカラム(ポール•メスカル)が暗闇の中で酔いながら ゆらり と踊る様子を見て、この人は「ここじゃないどこか」へ行こうとしてる人だとすぐ分かった。 >>続きを読む
北アイルランドの学校で子ども達に哲学を教える教室。
子ども達のドキュメンタリーが好きで、彼らのありのままの姿を見て、微笑ましい気持ちになったり悲しい気持ちになったりする。
怒りや悲しみを制御する方法>>続きを読む
かもめ食堂をきっかけに、食をテーマにした小林聡美さんの作品は必ず見るようにしている。
一番好きなのはこの作品。食事もストーリーも雰囲気もキャストも全てが完璧。
本の編集をしてたけどあることをキッカ>>続きを読む
食をテーマにした映画が好きでよく見るのだが、この作品が群を抜いていると思う。
素晴らしい食を通じて人が幸せになる様子を垣間見られる。
敬虔なクリスチャンの姉妹に従事する家政婦バベットは実は元凄腕のフ>>続きを読む
事故で夫を亡くした女性と、その夫と不倫関係にあったケーキ職人の青年との物語。
距離の縮め方がとても丁寧でよい。
何より随所に出てくるスイーツがとても美味しそう。黒い森のケーキが食べたい🍒
スウェーデン語も堪能で聡明なエレ•マリャはサーミと言うだけで動物のような標本写真を無理やり撮影させられてしまう。
けれど民族衣装を脱いでワンピースを着れば誰も彼女がサーミだと気付かない。みんなが私を>>続きを読む
この時代の映画はストーリーよりも内装やファッションなどの周辺情報の方が楽しめる。
この映画で印象に残ったのは窓を使った演出。大きな窓を通して冬の張り付いた霜など季節の細かいディテールだけでなく人物の>>続きを読む
カウリスマキ鑑賞2作目。
ル•アーヴルは話の軸が2つあったのに対しこれは1つの軸で進むので少し展開が遅く感じられた。
しかし随所に見られる北欧のカラフルなキッチンや内装ファッションに心踊るので最後ま>>続きを読む