souさんの映画レビュー・感想・評価

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賭博英雄伝カゲジ 人生逆転デス・ゲーム(2010年製作の映画)

2.3

パロディB級作品ながらも、構成がちゃんとしていて伏線まで回収してるのが面白い。
不正防止の為に半裸になるシーンの雑加減も笑えて好き。

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

同性愛者で体重が270kg、余命が間もない主人公チャーリーの物語。
余命を謳歌するような映画は多々あれど、この映画に関してはかなり違う。

過去の過ちや現在の環境に対して、逃げ出すことも陰鬱さに酔った
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.8

コカインでバチバチに凶暴化した熊が人間を襲いまくるジャンキーな映画。
B級かと思えば、登場人物を安易に消耗しないサスペンスホラー映画でした。
「コカインをキメた熊」みたいな文字列が好きか否かでこの映画
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.6

こういった作品と出会える限り、一生映画を観ようと思います。

トルコのリゾート地で20年前に父と過ごした夏休みを回想する娘の物語。
匂いや触感すら感じるような立体的な映像と、穏やかで懐かしい音楽、トリ
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.7

「登場人物の大ポカ」をホラー映画の気持ち良いところとしてポテチを食べながら楽しめるかが大事。
「ホラー映画の鉄板」を現代的なテーマに差し込みながらコミカルなシーンも楽しめるオーセンティックなホラー映画
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.8

「マルコヴィッチの穴」で有名なスパイク・ジョーンズ監督が描くラブストーリー。
AIに恋をする…という内容なのですが、現代に鑑賞すると「そんな訳はない」の連続が感情移入する上でノイズとなってしまうので、
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.8

妻の死を忘れるほどに物忘れが激しくなった高齢のアウシュヴィッツ生存者が、捕虜の身分を奪って生きているナチス親衛隊を探し出す。

ほっこりロードムービーというよりは、想定外の展開で楽しませてくれる正統派
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

初め飲むカクテルがマティーニであると、その人は生涯カクテルを飲まなくなる…みたいな話があるけれど、これはそのマティーニ的な作品。
初めて見た映画がこれだったら映画を諦めていた…。

難解映画は何回も観
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.3

女神を崇拝するタイの山村を舞台にしたホラー映画。
POV形式ではなく、モキュメンタリー風ホラーは案外少ないのではないだろうか。

「田舎・宗教・ホラー」
このタグ付けがされていると、もうそれだけでワク
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スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)

3.9

コミカルでブラックなクライムサスペンス。
間違いなくタランティーノに影響を受けているであろう作品。
登場人物同士のピースが絶妙に掛け合わない様子が皮肉的。

キレてるジジイを見るのはやはり面白い。

怪物(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

人間誰しもが持ち得る加害性を観客自身に問うような非常に練られた構成。
坂本龍一の音楽も良かった。
この作品、あまりにも綺麗に出来すぎていて問題提起や風刺的な要素すら商業性すら感じてしまう…
もう一度見
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グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

4.4

半年後に余命宣告されたリチャードの、人生最後期間を描いたヒューマンドラマ。

ありがちなテーマだけど、泣かせず、コメディ過ぎず、肩の力が抜けたような空気感が良かった。
やり過ぎてない、人生哲学が詰まっ
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7500(2013年製作の映画)

3.5

清水祟監督のアメリカを舞台にしたホラー映画。
当時2014年、真剣にホラー作品と向き合ってたと感じる。
二捻りくらいあるホラー映画だけで終わらない展開も清水監督らしい。

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.3

あまり好みでない作品と思っていたが、最終的に偏見なく観れて良かった。
邦画でしか接種できない、日本人特有の人間性を煮詰めたような映画。

誰もがテルコのように「都合の良い人間」になったり、マモルのよう
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ドリーマーズ(2003年製作の映画)

4.3

映画好きの主人公と偶然であった双子の姉妹を描くヒューマンドラマ。

学生デモで平穏じゃないパリの中で静かに揺れ動く、3人の普通じゃない関係。知的に見えるがどう考えても普通じゃない歪な双子に揺れ動く主人
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さがす(2022年製作の映画)

4.2

サスペンスとしての面白さと示唆に富んだ脚本がすごい作品。
商業的な部分と映画的な示唆があまりにも絶妙なバランスで組まれているような気がして、なんだか不気味だった。完成度が高いという表現が正しいのだと思
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ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

4.2

オードリー・ヘプバーン主演による不朽の名作。
清濁併せ呑むのような感覚を再確認させてくれるラブストーリー。
精神的な脆さと大胆さを抱え合う登場人物達がたまらない。
善悪のベン図がグラグラする感覚。とて
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老人と海(1958年製作の映画)

3.7

ヘミングウェイ「老人と海」の映画版。
老いと自然の恐怖をストレートに描いた作品。
原作もそこまで長くない為、とにかくシンプルな構成の映画。

迷いのない語り口の比喩とナレーションが不思議と映画全体で叙
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呪い襲い殺す(2014年製作の映画)

3.5

欧米版こっくりさん。
あまりにも正直な邦題がいい味を出している気がする。
タイトルに反して遊びは少ない正統派ホラー。

セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

4.3

全盲の退役軍人の老人とお金が必要な優等生の二人の関係を描くロードムービー。

真面目な主人公と元軍人のフランク中佐にはそれぞれどうしても消化しなければならない悩みがあり、二人それぞれの人生が交わること
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

4.3

第2次世界大戦中の日本軍捕虜収容所を舞台にした作品。

映画音楽は言わずもがな、第二次世界大戦をテーマにした作品でありながら戦闘シーンが一切登場しない独特の作品構成や、同性愛をテーマの一部として取り入
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告発(1995年製作の映画)

4.4

悪名高きアルカトラズ刑務所を閉鎖に追い込んだ、実際の事件に基づいた法廷映画。
脚色は当然あるだろうが、細かな描写がリアルで心に響く。
この題材で被害者を良く描きすぎていないところも素晴らしい。

立場
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