噛む力がまるでないさんの映画レビュー・感想・評価

噛む力がまるでない

噛む力がまるでない

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ほかげ(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 塚本晋也の最新作である。

 全体的にものすごく『野火』とのつながりを重視しているような作品で(どちらもタイトルに「火」が入っているし)、『野火』を見てからこっちを見ると戦争が人の心に及ぼす深刻な問
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絞殺魔(1968年製作の映画)

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 ジェロルド・フランクのノンフィクションを原作とした作品で、監督はリチャード・フライシャーである。

 スプリット・スクリーンがたくさん用いられており、警察の捜査や女性たちが防犯を対策する姿が賑やかに
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PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 イ・ヘヨンの新作となるスパイアクションである。

 オールスターキャストによる渋い密室劇と思っていたのだが、けっこう派手に動き回る諜報戦で、どんどん話が大雑把になっていき、最後は『RRR』のように帝
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エアポート'75(1974年製作の映画)

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 1970年製作の『大空港』の続編となるパニック映画である。

 これ以降、多くの類似作品を作るきっかけとなった乗り物パニック映画の代名詞だが、全体的にわりと落ち着いたトーンでしっかり見せる感じだ。劇
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(2023年製作の映画)

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 北野武の同名小説を著者本人が監督した時代劇である。

 とにかく豪華キャストによる演技を見るためのような映画で、それを通して熾烈な戦国時代を滑稽に見せている。織田信長(加瀬亮)や豊臣秀吉(ビートたけ
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』を原作とする劇場用アニメーションである。

 鬼太郎(声:沢城みゆき)の父親の話という前日譚にあたるもので、企画自体はそんなに目新しいというわけではないのだが、脚本
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 アナ・リリー・アミールポアーという監督の長編3作目である。

 小さな話だが、親子関係をちょっとしたSF設定できっちり描いた作品で面白かった。『レオン』のプロットをひっくり返したような内容で、抑圧を
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正欲(2023年製作の映画)

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 朝井リョウの同名小説の映画化作品である。

 稲垣吾郎や新垣結衣など豪華キャストが出演しているわりにけっこうしっかりしたソフトストーリーで、題材も含めてこういった作品が東宝系などの大手配給でかかるの
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理想郷(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 2010年にスペインで起きた実際の事件に基づく作品である。

 田舎の排斥的な体質を描いたスリラーで、都市部と農村それぞれに住む人間のコミュニケーションの不可能性をものすごく恐ろしくとらえていて面白
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夜を越える旅(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 福岡を拠点に映像制作を行う萱野孝幸が監督した2021年の作品である。

 ちょっと安っぽい感じに見えるところはあるが、金と手間をかけるところはしっかりかけて全体としてやりたいことは十分わかる。お話は
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人生は、美しい(2022年製作の映画)

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 リュ・スンリョンとヨム・ジョンア共演のロードムービーである。

 よくある家族もののメロドラマで、心温まるストレートな内容だ。ただ、予告から想像するよりもずっとそのまんまのお話なので、ちょっと肩透か
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オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)

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 アガサ・クリスティの有名作を1974年に映画化したもので、監督はシドニー・ルメットである。

 オールスター映画としてとにかくリッチな感じがあり、お正月とかに見るような映画だ(冬休みにやってたらすご
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 特撮怪獣映画「ゴジラ」シリーズの最新作で、監督は山崎貴である。

 「ゴジラ」シリーズでこれまで少なかった人間ドラマをやりたいという山崎貴の意向が反映された作りで、敷島浩一(神木隆之介)と大石典子(
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

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 ギャレス・エドワーズの新作となるSFである。

 個人的な趣味としてギャレス・エドワーズの映画は基本的に気に入らないものばかりで(『GODZILLA ゴジラ』も『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・スト
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ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)

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 1989年に公開された「ゴジラ」シリーズの第17作である。

 CGとの主従入れ替わりが起こる直前の作品で、ふんだんにミニチュアが使われており、とくに大阪のビジネスパークが再現されたセットは素晴らし
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宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 中国で実在するUFO雑誌「飛碟探索」をモデルに制作された作品である。

 ユーモアを交えたロードムービーで、人生の意味に対するけっこう哲学的な問いかけもあり、家族の死の意味を追い求める男の話としては
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 デイヴィッド・グランによるノンフィクション小説『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』をマーティン・スコセッシが映画化したものである。

 何しろ長いので体力がいる作品で、個人的に
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リゾートバイト(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 投稿サイトから生まれた都市伝説を元に作られたホラーである。

 監督の永江二朗は『真・鮫島事件』『きさらぎ駅』と快作を連発しており、今回の『リゾートバイト』もとても期待して見に行ったのだが、想像以上
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 2022年製作のダルデンヌ兄弟の作品である。

 アフリカからベルギーにやってきた不法移民の子どもの生き様を辛辣に描き出した映画で、ラストもものすごく残酷で悲劇的だ。ただ、この映画はロキタ(ジョエリ
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妻は告白する(1961年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 円山雅也の小説『遭難・ある夫婦の場合』を増村保造が映画化した作品である。

 当時まだ20代の若尾文子の演技が見事で、人に愛されたい不安を心の奥底に抱えているがゆえに破滅へと向かってしまう彩子を見事
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

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 ジャズピアニスト南博のエッセイ『白鍵と黒鍵の間に -ジャズピアニスト・エレジー銀座編-』の映画化作品である。

 オーソドックスな音楽映画かな……と見る前は思っていたのだが、実際に見てみるとものすご
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 2022年製作のボディホラーである。

 違法薬物を手にしてまで世間から注目を浴びようとする主人公をひねったユーモアで描いていて、痛々しい……というか、なかなか身につまされるところのある作品だ。基本
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午前0時、キスしに来てよ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 みきもと凜の原作漫画を橋本環奈とGENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太の主演で実写化した作品である。

 ずいぶん甘ったるいシンデレラストーリーで、展開もけっこう緩いが、
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リトル・パレスティナ(2021年製作の映画)

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 2012年から2015年にかけてシリア政府軍に包囲されたパレスチナ難民居住区の日々を追ったドキュメンタリーである。

 難民キャンプを包囲した理由とか、ヤルムーク・キャンプの歴史とか、作品内の一次情
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 デンゼル・ワシントン主演の「イコライザー」シリーズ、その最終作である。

 シリーズの最後を飾る作品だというのに風呂敷を広げるようなことはせず、ものすごくコンパクトにまとめていて、いろいろ不足なとこ
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笑う故郷(2016年製作の映画)

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 アルゼンチン・スペイン合作の2016年製作のコメディである。

 設定もよく、笑えるところもたくさんある作品なのだが、完全に田舎ホラーを意識しているようで、大変恐ろしい話だ。田舎の閉鎖的な体質が可視
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 アメリカの同名漫画をCGアニメーションとして映画化した作品である。

 これまで何度も映像化されてきたフランチャイズで個人的にはあまり馴染みがないのだが、気楽に見られる「こんくらい」な作りで、楽しく
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ハント(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 俳優イ・ジョンジェの監督デビュー作となるサスペンスアクションである。

 イ・ジョンジェは監督のほかに脚本と製作まで務めており、かなり気合いの入った作品になっている。80年代の韓国の歴史的背景を織り
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ALIVEHOON アライブフーン(2022年製作の映画)

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 2022年に公開されたレーシングアクションである。

 eスポーツ出身のレーサーが実際のレースでも活躍するという内容はニール・ブロムカンプの『グランツーリスモ』と同じなのだが、この『ALIVEHOO
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 マリア・センプルの小説『バーナデットをさがせ!』の映画化で、主演はケイト・ブランシェットが務める。

 全体的にケイト・ブランシェットの演技を見る映画で、本人が熱望していただけあって、バーナデットが
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

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 キアヌ・リーブス主演の「ジョン・ウィック」シリーズ、その最新作となる4作目である。

 このシリーズはもはやギャグとかファンタジーとして見るのが最適だと思っているが、それでもアクションの丁寧な作り込
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裸の銃を持つ男(1988年製作の映画)

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 1988年に公開されたレスリー・ニールセン主演のコメディである。

 昔はよくテレビで放送されていてのんきに笑っていたものだが、ひさびさに見てもまあひどいもので、呆れながらもまた爆笑してしまった。倫
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スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(2020年製作の映画)

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 ハリウッドで活躍するスタントウーマンの歴史と実態に迫るドキュメンタリーである。

 ベテランから若手までさまざまなスタントウーマンが登場し、現場での取り組みや苦労について話してくれているが、この映画
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 同名のゲームソフトをきっかけにプロのレーシングドライバーとなったヤン・マーデンボローの伝記映画である。

 『トップ・ガン』っぽいプロットに師匠と弟子ものの要素を強調した作りで、あまり新鮮味はないの
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罠THE TRAP 4K デジタルリマスター版(1996年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 1996年に公開された永瀬正敏主演の「私立探偵 濱マイク」シリーズの第3作目である。4Kリマスター版上映で見た。

 完結編でシリーズのまとめになるわけだが、それなのにまたがらっと演出を変えて、今作
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

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 ニコラス・ケイジ主演のアクションコメディである。

 ニコラス・ケイジがセルフパロディを楽しそうにやっていて、自身のこれまでの出演作への愛も見える面白い映画だ。さまざまな苦労を経てここまで自分を茶化
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