カウボーイと僕と惑星さんの映画レビュー・感想・評価

カウボーイと僕と惑星

カウボーイと僕と惑星

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

この世の秩序は、身も蓋もなく、美しくない。そんな世界で、地を這うように生きてゆく男と女たち。マーティン・スコセッシ史上最高潮のバイオレントで無慈悲な206分。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.6

ユーモアのあるアクション映画が最もカッコいい。つまりユーモアは、自分にとって最も憧れのものだと気づいた。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

文化が世の中を変えていた夢のような日々を、この数年間は過ごしていたんだなと実感させられた。
世界を代表する巨匠は、この映画が終われば、また君たちの生活が待っていると、社会の中でどう生きるかを問うていた
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.2

間口の広さと、時折訪れるスリリングな演出。緊張と緩和の中に、どこかノスタルジーではない懐かしさもある。見事な傑作でした。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.6

「スパイダーバース」シリーズは、おそらく21世紀最高の映画シリーズです。

こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.5

本作が描く主人公あみの子の生命力は、悪化していく光景や観る者の感情を駆け抜けて、新たな価値観を与えてくれる。
息を呑むほど凄まじい映画体験でした。

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

世の中で起こっている喜劇がもはや笑えなくなっているこの時代に、新たな神話が産み落とされた。
2020年代以降に作られるべき北野映画を見た気分だった。

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.0

「素直で明るいだけで人には価値がある」とYUKIさんが語りかけたときを思い出して、今でも泣きそうになる時がある。
孤独でいることは寂しくて誰にも理解されない苦悩があるが、そんな自分を肯定できる瞬間が時
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.2

過去と未来と現在を行き来する本作は、気がつけば時間という限定的な存在を超えた何かを与えるほど非凡な輝きを放っていた。

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

4.1

ノア・バームバックによる映画の贈り物。そこにはスピルバーグもアルトマンもデパルマもいた。こんな景気のいい映画は久しぶりだ。

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

4.0

拝啓、出発を目前とする全ての人へ。
懸命に生きる姿が何よりもいちばん美しいから。今あるトラウマに、今ある出来事に、どうか負けないでほしい。

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.2

どんなに偉大な人でも、疲れるときはある。どんなに強い人でも、眠れない夜はある。どんなに優しい人でも、怒るときはある。正しさなんかこの世にない。ただ今は、明るい未来を目指すのみ。

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.1

人と人とが交わす「約束」は、時に哲学的な問いや自分の立場を奪い去ってしまう。でも本作は、静かな怒りに踏み止まろうと必死にもがく心に、その人がかつて持っていた心臓の鼓動を取り戻させるほど有効的な力を持っ>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.6

最高にエネルギッシュな作品で、ひたすら気持ちの良い映画体験だった。
きっと僕は狂騒と熱狂が蠢く社会で、全力疾走していた頃の2人を事あるごとに思い出すことだろう。

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.2

ホアキン・フェニックスのフィルモグラフィ的メッセージ、マイク・ミルズ自身のアイデンティティに対する葛藤からのアウトプット。その結託した両者の思いが、この戦時下の7月8日以降の状況への視線として気づけば>>続きを読む

ローラーガールズ・ダイアリー(2009年製作の映画)

4.3

新しい記憶が過去を消し、すっかり変わった自分と街で、大きくなった姿であの日の君にまた会えたという達成感が本作にはあった。

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.8

トム・クルーズが、ストリーミング時代に振り切った映画界への反撃として、雑多で血湧き肉躍るアメリカ映画の象徴でもあったトニー・スコットの意志を継ぎ、長い時間をかけ実現させた本作。現役の偉人が戦っている姿>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.5

平静が訪れるまでどうか耐えたすべての人に。贖罪を続けるすべての人に。この125分は、一生に一度の特別な時間だった。

アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー(2022年製作の映画)

4.3

開放的なアニメーションの強度と冴え渡るユーモアセンスに、僕が憧れるアメリカ映画の全てがあった。

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

4.0

冷笑に逃げる彼の後ろ姿はいつも愚かだった。何故だろう、何度も間違えや過ちを起こしてしまう。だが彼は最後に、あなたたがあなたらしく生きてほしいと言ってくれた。ジョニー・デップが久しぶりに傑作を残したこと>>続きを読む

横道世之介(2013年製作の映画)

4.9

喜んだあの日も、悲しんだ夜も、ときめいてた彼女も、共に生きた時代が教えてくれた。今でもあなたに感謝しています。「横道世之介」を見ると、そんな気持ちを思い出す。

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

4.7

安心できる人がいる。安心できる場所がある。君にもいつかできるといいね。

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.1

息をして、呼吸を整え、気づけば今日を迎えていた。あの遠い星に手が届きそうだ。そんな力を全身に与えられ、明日の景色が変わってしまった映画だった。

オールド(2021年製作の映画)

3.7

傑作「ヴィジット」以降加速するM・ナイト・シャマラン、この勢いでどこまでも行けるかも。血と神経が騒ぐ、ノンストップ・ジェットコースタームービー。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.6

小沢健二の『ぼくらが旅に出る理由』、マック・ミラーの遺作『Circles』の深みに近い。失った思いや心に光を授ける。それはとても優しい眼差しだった。

街の上で(2019年製作の映画)

4.4

130分間ずっと魔法を浴びている気分で、ミュージカルのような高揚感で見終わった。映画からの贈り物は、感性を信じる君の人生、面白いのはこれからだというメッセージだった。

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.0

アクション演出含め、時々平凡に見えてしまう瞬間が何度もあったが、同時に宇宙から地球に向けられた太陽の光がカメラに映る時、街が人が、長く命が続いている大地がカメラに映る時、信じられないくらいエモーショナ>>続きを読む

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.0

このままどのように歳をとって人生が動いていくのだろうか。何十年も夢中になれた偉大さはあるのかもしれないけど、失ってしまった選択肢にもかけがえのない日々があったのかもしれない。そんな気持ちが反芻する吉田>>続きを読む

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.1

目的や成果に同調され流れていく最も大切なことを考えさせてくれる。何よりも自由に生きてほしい。映画の幕が閉じる頃には自分が一歩前進できた、正真正銘の傑作だった。

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.0

ここまでインターネットを虚無的な視線で見つめながらも、人同士共存せざるを得ないこの世界で、虚無に身を任せても仕方がないじゃないかと純ラブストーリー仕立てで希望を提示する細田守は次の段階に行った。

カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.6

大胆に生きていたいから。勘違いして生きていきたいから。それが本当の姿で、幸せを追い求めることしかできないけれど、積み重なった思い出を抱きしめながら、記憶を吸い込みながら生きていけば、ちょっとは楽になる>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.6

目には見えぬ世界の脅威と、あの頃に感じた微かな囁き。嘘ではなかったと今になって気づく。生きてる時の曖昧さがこれほど立派な姿として映画で完成されるなんて。僕にとって、完璧な映画です。

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.8

主人公の佇まいからクールなエンドロールまで、「勝手にふるえてろ」以来の綿矢りさ& 大九明子だけど、めちゃくちゃエリック・ロメールだった。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.0

歴史的にも稀な狂気的映像作家の庵野秀明が、日本のアニメ文化に決着をつけた気がしました。

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