whydunitさんの映画レビュー・感想・評価

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ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.0

勝手にミステリ映画臭を嗅ぎつけて、映画館へ。なので、スコアにはミステリ映画ファンとしての負のバイアスがかかっています。教育の現場の厳しさ、子どもやその親(そして同僚)との接し方の難しさをこれでもかと描>>続きを読む

フレッチ/死体のいる迷路(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

今、何故、またグレゴリー・マクドナルドなのか?という素朴な疑問があるが(だって32年ぶりの復活ですよ)、ジョン・ハムがフレッチを演りたかったんだろう。自由で楽天的な主人公の陽キャぶりが、このリブート作>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

パク・フンジョン作品に、ハズレなしの記録を更新中。作りに作り込んだ脚本が素晴らしい。★5つとならなかったのは、ポストクレジットシーンが余計に思えたから。続編への布石のつもりかな。

ミッシング(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「ある殺人、落ち葉のころに」で強い印象を残した森優作が、ここでも素晴らしい。幼女誘拐事件をめぐり、彼に嫌疑がかかる前半は、ミステリ色も前面に出てきて、ミステリ映画好きにも見応えある。ただ、それが薄れる>>続きを読む

スリープ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

イ・ソンギュンとチョン・ユミの主演というだけで、期待が高まる。故人の遺した残り数少ない出演作であれば、なおさらだ。監督のユ・ジェソンは、ポン・ジュノ直系の新鋭で…、と書き留めるべきことがいくつもあるが>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

今の世の中で正気を保つには、狂気に陥るしかないのか。そんな矛盾を突きつけてくる恐ろしい映画だ。幾多の戦争も、アメリカを成長させることが出来なかった。でも、そんな大国の体たらくは、太平洋戦争でやはり成長>>続きを読む

全世界どこでも電話(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ああ、これは素晴らしい。人生の来し方を振り返り、十代への郷愁をそそらずにはおかない。つまり大人の青春映画だ。電話というガジェットの使い方がキモなのだろうけど、いくつかのエピソードが並行し、一向に何を観>>続きを読む

フンパヨン 呪物に隠れた闇(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

映像や音楽など、かなりレベルの高いプロダクションのタイの作品。田舎の因習、邪な信仰等をテーマにした、そこそこの出来のホラーだが、騒動も一段落してさてエピローグというところから、怒涛の伏線回収が始まる。>>続きを読む

ハイフン(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

海外の映画祭に招かれた日本人監督が主人公。しかし、プールサイドで彼を待つ、現地通訳(で字幕の担当者)のギャビー・パディラが登場した途端に、何かが起きる期待感が膨らむ。一枚一枚ベールを剥ぐように、それぞ>>続きを読む

親友かよ(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「ユー&ミー&ミー」で素晴らしかったバイポール・ティティヤ・ジラポーンシルプと再会できるのが嬉しい。が、物語は欲張って広げた風呂敷をきちんと畳みきれていない印象。どのエピソードも中途半端にとり散らかし>>続きを読む

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「桐島、部活やめるってよ」と同様、登場人物たちがこれでもかと不在の人物を話題にのぼらせる〝空虚な中心〟ものですね。原作は高校演劇の戯曲(中田夢花作)による脚色のもと、「虚構の劇団」の小沢道成演出で、2>>続きを読む

BIG(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

小児がん患者の大部屋の扉には、なぜか「BIG」の文字が。まるで日常の謎的な〝なぜ〟が、最後の最後まで持続する。意外性のカタルシスは決して大きくはないのだが、和多くのエピソードを数珠繋ぎにする太い糸とし>>続きを読む

水に燃える火(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

インド映画の雰囲気も少しあるが、タミル語文化圏を舞台にしたマレーシア映画。夢を追う男と現実を生きる女のよくある話のように映り、最初はやや退屈したものの、歳月が無情にも流れていく中盤からは、人生をテーマ>>続きを読む

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

3話+エピローグのオムニバス仕様。第2話が、ミステリ映画ファンもニヤリとできる仕上がりでナイス。残る2つの話の救いのない暗さを補うように、唯一明るさがあるのもいい。3つのお話を通じて、何か意外な絵柄が>>続きを読む

愛の茶番(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「愛」という名の始末の悪い病に憑かれ、翻弄される人々の愚かしさと可笑しみをこれでもかと描いてみせる。独特のテイストは、令和の寺山修司と呼ぶのが相応しいのでは。古き良きATG映画にも通じるアングラ感に痺>>続きを読む

テネメント(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

テネメント=都市部にある高層でかつ長屋状の集合住宅。「シャイニング」直系のカンボジアン・ホラーで、コミック作家志望の女子が、恋人を伴い里帰りし、悪霊騒動に巻き込まれるという既視感ありありの展開なのだが>>続きを読む

呪われの橋2 怨霊館(2023年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

兄妹の絆をめぐり、ヒロインの悪手が事態をどんどん悪化させていく展開にただひたすら疲れる。終盤でその理由が詳らかにされるが、冗長で退屈な時間が長過ぎていく。が、正編との繋がりがほとんどない続編あるあるな>>続きを読む

ブリックレイヤー(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ノア・ボイドの同題原作は、「脅迫」としてソフトバンク文庫から出ていますね。現在も、電子図書で読めます。ノア・ボイドは、講談社文庫で翻訳紹介のあるポール・リンゼイの別名義。作者は、この作品を上梓して間も>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

触れ込みはガイ・リッチーの新境地だが、テンポの良さはじめ、従来の犯罪映画と変わらぬ持ち味が発揮されている。やはりアフガニスタンが舞台だった「カンダハル 突破せよ」と驚くほどシンクロするのは、世界のそこ>>続きを読む

エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

忘れた頃にやってきた4作目、ほぼ10年ぶりか。今回もアジア枠ではトニー・ジャー、女性枠ではミーガン・フォックスらが呼ばれ、それなりに賑やかだが、スタローンが前半でいったん退場するのは見え見えなので、さ>>続きを読む

ジェントルマン(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

犬探しから始まって、巨悪への挑戦にシフトしていくプロットには、痛快な大仕掛けが施されている。有名な先達もあるが、やはり全体像が反転する瞬間は快感以外の何ものでもない。ただ気になったのは、興信所長のチェ>>続きを読む

悪女(2023年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

個人的には、「若葉のころ」のシャオ・ユーウェイ(ヒロインのニュース・キャスター)、「モンガに散る」「GF*BF」のリディアン・ボーン(野心家の若手検事)の映画。めぐりめぐって二人は恋愛関係になるが、そ>>続きを読む

同感〜時が交差する初恋〜(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

純情で真面目な男が恋をこじらせると厄介、というのがテーマ。同国の「リメンバー・ミー」(2000)の再映画化だが、他にも「時の香り リメンバー・ミー」(2001・日本)、「スカイ・オブ・ラブ」(2003>>続きを読む

パーフェクト・プラン 人生逆転のパリ大作戦!(2017年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

La Bande à Fifi の一座を組んでいる仲間の一人タレク・ブダリの監督・主演作だが、フィリップ・ラショーも彼の親友役として共演している。二人の盟友ジュリアン・アルッティも、ちょこっとだけ顔を>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画を見ていて、切なく、胸苦しくなるのは、まだ始まってもいない恋愛の物語だからではないかと思う。なので恋愛映画というよりは、恋愛未満映画だろう。素晴らしいなと思ったのは、ニューヨークを舞台に、堂々>>続きを読む

慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

死とユーモアって、双子の兄弟じゃなかろうか。それくらい、相性がよろしい。まるでショーケースに並べるようにいくつもの死を陳列し、それを笑いのめしてみせるのだから、チャン・リュルは真面目な顔をして人が悪い>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

2.5

野暮を承知で言うが、どこから聴いても狂児こと綾野剛の歌う「紅」は、下手どころか、上手い部類。他の連中のしょうもない歌いっぷりから言っても、ビリを心配するレベルではないだろう。あとキャスティングで、カラ>>続きを読む

罪と悪(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

20年の歳月を隔てて、二つの事件が呼応しあう。少年時代の悲劇が大人になった現在に波及する点や、事件と川の繋がりから、「ミスティック・リバー」(原作はデニス・ルへイン)とも共通項がある。本作で監督デビュ>>続きを読む

十日間の不思議(1971年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

思い返してみれば、クイーンは古典ミステリと現代ミステリの両時代の橋渡しをした作家なのかも。その後者に属する作品の一つが、この映画の原作「十日間の不思議」(1948)では。いや、書かれた年代はかなり古い>>続きを読む

シャタード 美しき罠(2022年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

〈未体験ゾーンの映画たち2024〉にて遭遇。アンドリュー・ガーヴの『黄金の褒賞』を思わせる、家に迎え入れた他人がやがて招かれざる客となり、主人公を脅かす存在になっていくというサスペンスものの一つの定石>>続きを読む

境界線(1966年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

戦争がもたらした、ひとつの国を二つに分断する境界線という設定(第二次世界大戦下のフランス)に、はっとさせられる。その悲劇的な状況は、もしかしたら先の戦争後に日本が被っていたかもしれないし、隣の半島では>>続きを読む

ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

資本主義と富の偏在にまつわる勧善懲悪の物語だと思います。だから、観終えて爽快。くたばれ、金融資本主義!

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

犬山イヌコがハイスミスを語る映画として記憶することになるかも。洋楽ばかりが流れるのに、三浦友和と石川さゆりのシーンだけなぜか急に雰囲気が演歌調になるのか、ヴェンダース当人に訊いてみたい。

一寸先は闇(1971年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

殺人を犯してしまったミシェル・ブーケが動揺をつのらせ、次第に追い詰められていく姿を演じる。原作は、エドワード・アタイヤの「細い線」(1951)。殺人のシーンから始まり、最後は勧善懲悪のカタストロフィで>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

コミックをそのまま映像に移し替えるのではなく、原作のいいとこ取りをしてほしかった気がする。物語性や登場人物のスピリットなど、冒険映画として面白くなりそうな要素には事欠かないと思っていたので。だがそれは>>続きを読む

もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

退屈で退屈で、何度挫折しそうになったことか。でも、同じイアン・リード原作の「もう終わりにしよう。」が、しばらく咀嚼に時間がかかったことを思い起こして、数度の休憩を挟んで観続けた。その結果、終盤近いあた>>続きを読む