ミさんの映画レビュー・感想・評価

ミ

映画(179)
ドラマ(0)
アニメ(0)

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

4.0

「物語」であって「物語」ではない。現代社会に住む誰にでも、日本に住む私たちにも必ず地続きの出来事だ。程度の差があるだけだ。

関心領域(2023年製作の映画)

3.9

終盤、「博物館」となったアウシュヴィッツが機械的に清掃されていく映像が映るのが印象的だった。今も「無関心」である我々への糾弾のように思えて。

ごく最近たまたま、ジョルジュ・ディディ=ユベルマンの『イ
>>続きを読む

パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)

3.7

ヌーヴェルヴァーグのいくらかはダラッと力抜いて観るくらいでちょうどいいと常々思っているのだけれど、これは許されるなら劇場内で一緒に踊りながら観ていた。

サラがアンナ・カリーナだったことにエンドロール
>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

悪は存在しなかった。

東京の人は東京の、ある一地域の人はその地域の、言語や論理で語り、暮らしている。わかりあえないと思われた時、それは言語や論理を共有していないから。それに気づくことによって、わかり
>>続きを読む

陰陽師0(2024年製作の映画)

3.6

アニメと映画の中間って感じの、深く考えずにアガれる楽しいエンタメ!世の中こういう映画も必要です。染谷将太カワイイ〜!バキバキにCGだけどそういうもんだと思って見れば綺麗で良いアートワークだと思いました>>続きを読む

クラユカバ(2023年製作の映画)

3.5

『クラメルカガリ』より個人的には全然こっちのほうが好きだったな。

語りと台詞と音楽のテンポがとにかく良くて、聴いてて気持ちいい。ちょっと小劇場のアングラ演劇みたいな雰囲気とリズム感がある。微妙にボン
>>続きを読む

クラメルカガリ(2024年製作の映画)

3.3

すげー!映像がおもしろかった!
ポップでコミカルで世界観が独特で、可愛く爽やかなアニメなのに、労働とは…社会の仕組みとは…とかをちょっと考えてしまった。

折原臨也と平和島静雄みたいなのがいる…と思い
>>続きを読む

変な家(2024年製作の映画)

3.3

雨穴さんの動画は観てます。本は未読でした。

酷評っぽいのを結構SNSで見てたんでどんなもんかと思ってたけど、B級ホラーとしては全然悪くないというか、よくできてるほうだと思った。この手の映画で一番悪い
>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.8

X(旧Twitter)でこの映画について、「自分にはこの映画をフィクションとして『消費』することはできない」という旨のポストを見た。正直そのポストの内容を最後まで読んでいないのでそれが批判だったのかど>>続きを読む

あこがれ(1966年製作の映画)

4.3

すっごくよかった!(のぶちゃんの声)

まさか泣かされると思わなかった…
描かれている、人間の心や関係や人生の機微がとても繊細。ただの純愛系映画じゃない感じ。

養父「育てて貰った恩を!😡」
養母「お
>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.3

すごくよかった。
ここ最近で一番、スペイン語がちょっと解って良かったと思った2時間50分だった。

私は、人間が何か、生きることとは何か、を知りたくて映画を観たりや小説を読んでいるんじゃないだろうかと
>>続きを読む

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

4.2

MY BODY IS MINE.
UNITE!!

『風よ あらしよ』を観た時も思ったけど、今だからこそ、このレベルのフェミニズムの話をすることがまだ繰り返し繰り返し必要だと思う。過去の女たちがどんな
>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.7

面白かった〜

めっっちゃフランスっぽい、しヨーロッパっぽい。オリエンタリズム、帝国主義、レイシズム、人間中心主義、等への批判ないしアイロニーって感じなのかしら。「文明の衝突」っぽい感じもある。

>>続きを読む

コットンテール(2022年製作の映画)

4.6

良い映画だった。

大切な妻が亡くなった。本人の希望に応えて、思い出の場所であるイギリスの湖に遺灰を撒きたい。家族と一緒に行こうとするけど、息子とはどう接していいかわからない。息子はすでに大人で、自分
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

とても面白かった!
映像作品としても美しく独創的だった。

人間存在、道徳、社会規範、生と死、「愛」と支配、フェミニズム、自由意思、何が正常で何が異常なのか、など、あらゆる問いを同時に、かつ巧みに描い
>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.5

すっっっっごい面白かった。

そうか、だから「梟」なんだ、と気付いた時のワクワク感もさることながら、そこから閉幕までずっっっっと面白かった。

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.2

同監督の『Here』と2連チャンで観たけど、私はこちらの方がかなり好みだった。

都市の夜の影と光、物と物の隙間、温度、手触りなんかは、同じく都市のなかで暮らす人間としてかなり見覚えがあって琴線に触れ
>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

3.7

静かで単調なので眠くはなる。隣のお兄さんは寝落ちてました。ただ、「眠くなる映画」と「つまらない映画」「価値の低い映画」は必ずしもイコールではないと思う。

光と影と色の使い方、画角、構図など、すべての
>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

3.7

ストーリー展開も込みで、非常によくできたモキュメンタリー・ホラー。謎の明かし方と残し方のバランスが良い、と個人的には思いました。めちゃくちゃ力を入れて撮られている。とにかく画が強い強い。

ホラー映画
>>続きを読む

風よ あらしよ 劇場版(2023年製作の映画)

4.5

とても良かった。吉高由里子の伊藤野枝も、松下奈緒の平塚らいてうも素敵でした。

めっっっちゃくちゃ政治的だった!(良い意味で)バリバリ社会主義とか無政府主義とか社会運動の話をしていたし、足尾銅山鉱毒事
>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.9

本当に良かった。今日この映画に出会えて良かった。作品との出会いは個人によって全く異なるものだから、普段あまり誰にでも強く何かをすすめるということはしないんだけど、この映画はなるべく多くの人に観てもらい>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.2

後期ヌーヴェルヴァーグを彷彿させるカメラワークと豊かな色彩と台詞の単調さで、美しい映像でした。犬がかわいい

【以下私情】
万全のコンディションで観ればもっと良かったと思うのですが、たまたま今朝が早起
>>続きを読む

ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

4.7

数年前に観たやつの4Kレストア版を劇場でもう一度。

本ッッッ当に良い映画だな…
カメラめちゃめちゃ動くし1カット1カットは短くて割とブツ切りっぽいんだけどたまに動きの穏やかな画、引きの画、静かな画、
>>続きを読む

遠いところ(2022年製作の映画)

4.8

淡く繊細で鮮やかな光と色彩で撮られている美しい映像なのに、観ている間ずっと息が苦しかった。でもきっとどこでにもある、ほんとうの、受け取らなければいけない痛みだった。

タイトルの「遠いところ」に二重の
>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

3.6

当時興行的に惨敗だったらしいけど、確かに売れないだろうなあ、でも正直結構好き。

音楽も無いし単調だけど、色使いもカメラワークも間の取り方も上手いし、所々びっくりするほど良い画を撮る。ずっと感じるけど
>>続きを読む