あっささんの映画レビュー・感想・評価

あっさ

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バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

3.8

58(56)
レ・ミゼラブルから期待してたラジ・リの4年越しの新作。テーマ的に前作と通ずるところもある
冒頭の狭い団地内で行われる葬儀から行政による一方的な抑圧まで息が詰まる

本来弱者のセーフティネ
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関心領域(2023年製作の映画)

3.7

56(54)
環境音の中に銃声、悲鳴、叫び声、地鳴りが交じる。そこに不協和音のような不穏さを与えるBGMも加わり、音響だけでも映画館で観た方がいい1本になっている

終始映されることはない壁の中の凄惨
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.7

55(53)
原作は古典落語らしく話運びが堅実
武士の誇りと正しさに揺れ、復讐へと向かっていく格之進演じる草彅剛と脇を固める役者陣の演技や、作り込まれた美術も良い
基本的には復讐劇だがその本題に入る前
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.7

54(52)
確かな真実も解決のきざしもは提示されず、疑念のみが侵食して小さな事件を校内の無秩序にまで広げていくスカラスティックサスペンス

例え実際に潔白であったとしても疑惑をかけられた時点でそのイ
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ミッシング(2024年製作の映画)

3.8

53(51)
「空白」にも通じる部分が多いがこちらの方がマスコミ側により焦点を当て、残された家族とマスコミの2軸で進んでいく

妻と温度差があるようでその実妻を支えるために自分は冷静でいようと思うとこ
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Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

-

52(50)
ピアノの演奏は言わずもがな、静寂から楽譜をめくる音、ペダルを踏む音、息遣いなどの細かな音まで微に入り細に入り堪能できる100分間
コンサート映画なので絵的に面白みがあるところはない

地球星人(エイリアン)は空想する(2023年製作の映画)

3.0

51(49)
タイトルからSFチックな話かと思いきや生き辛さや正義の是非など人間社会におけるメッセージ性が押し出されてくる
編集はわりと好み

胸騒ぎ(2022年製作の映画)

2.9

50(48)
中盤までは、いい人だと思って交流していると徐々に自分と合わない面や受け入れられない面が見えてきて不和が積み重なる人間関係あるあるに不安を煽るようなbgmも相まって何か起こりそうな不穏さが
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人間の境界(2023年製作の映画)

3.8

49(47)
難民、国境警備隊、支援団体の三様の視点から描かれる暴力と迫害
難民の押し付け合いのような状況とその渦中で翻弄される人々の受難

モノクロの映像と真に迫った演技で強烈に映画に引き込まれて観
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殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)

3.0

48(46)
過去と現在を行き来して徐々に一点に収束していく構成
死の受容の過程になぞらえた表題がついた各章ごとに過去と現在を描くが途中でテンポが悪く感じてきた…

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

3.8

47(45)
愛情不足の悲しげな顔をしたかと思うとエネルギーと欲求を抑えきれず衝動的で暴力的な行動を繰り返したりと、多様な心情を見せるベニーを演じる子役の演技力が凄まじい
手を尽くしても制御しきれない
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.9

46(44)
自然な会話劇と静謐な自然の中で終始付き纏う不穏さ
上の人間は指示するだけで前に出てこようとせず、下の人間ばかり矢面に立って一身に苦労を背負わされるどこの職種でも共通の光景がきつすぎる
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辰巳(2023年製作の映画)

3.5

44(42)
基本クズしか出てこない野卑な反社達のノワール
元カノの妹だからと成り行きで助けた葵に死んでいった弟を重ねていく辰巳
登場人物全員が汗臭くギラギラした雰囲気を纏っているのが良かった

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.2

43(41)
自分の中の怪物が目を覚まして徐々に抑えきれなくなっていく
日本だとまだ甘いけど海外だと小児性愛の周囲の見る目の厳しさがわかる

序盤にした虎の話が後半で自身がマンティコア(怪物)になった
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異人たち(2023年製作の映画)

3.7

42(40)
自身のセクシュアリティに起因する孤独と両親の喪失による孤独。幻想的な両親との交流によってその孤独と対峙し再生していく
アンドリュー・ヘイ自身も主人公に自己投影してるように感じた

原作か
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.2

41(39)
ユニークで躍動感あるアニメーションと大胆な色使いの映像面は良かった
ドタバタコメディのストーリー展開とキャラクターはあまり好きになれず

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

3.8

40(38)
即興で一瞬一瞬という「今」を楽しみ演奏するジャズから、目に映るその瞬間のあらゆることに生きる意味を見出し今を楽しむことが生きる目的になるという結論に繋げていったのが良かった
その過程で、
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フォロウィング(1998年製作の映画)

3.6

39(37)
何となく始めた尾行から深みにはまっていく男
序盤で断片的に見せた要素が次第に繋がり詳細が明かされていく構成。時系列をシャッフルしているが、世界観自体は小規模なので後の作品と比べるとそこま
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.6

38(36)
観る前のイメージより静謐でシリアスな映画だった
父による男らしさという呪いとそれを増長させる母。マチズモ、家父長制、宗教に追い込まれていく息子達

ザック・エフロンの肉体改造がすごすぎる
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.0

37(35)
叙情的な映像、音楽、空気感は良かった
ただ男側にも女側にも恋愛観とか価値観が全く合わず…

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

36(34)
原爆の父の映画というよりはオッペンハイマーという人間の伝記映画なので原爆ばかりにフォーカスされるのではなく、赤狩りやストローズとの対立も全体で大きなウェイトを占める
ノーランらしく時系列
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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

3.8

35(33)
コメディチックな所もありつつイーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラックの3人で回すストーリー展開に惹きつけられ、3時間近くある長尺でも最後まで飽きずに観られた
ラストの
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ペナルティループ(2024年製作の映画)

3.2

34(32)
設定と雰囲気は良かったけど細かい所が気になるのと色々消化不良感
殺伐としそうなあらすじと冒頭から予想外にだんだんコミカルかつしんみりした話に進んでいく。岩森と溝口の形容し難い関係から放た
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.0

33(31)
ピアノと音楽がエイダにリンクしている演出と絵作りが良かった
ただエイダがベインズに惹かれていく過程の心情が全く理解出来ず最後まで感情移入できないまま終わってしまった…

ラストはあのまま
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荒野の用心棒(1964年製作の映画)

3.5

32(30)
イーストウッドのかっこよさとモリコーネの劇伴の良さに尽きる
マカロニ・ウエスタンの草分け的存在

π(1997年製作の映画)

3.5

31(29)
数字に取り憑かれたパラノイアの男の妄想に陰謀論めいた団体やオカルティックな要素等が混ざって難解な映画になっている

モノクロで理解不能な映像はイレイザーヘッドっぽさもあった

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

29(27)
来年のアカデミー視覚効果賞は確定したような圧巻の映像。IMAX GTの大画面で観る広大な砂漠の星と身体に響く音響の映画体験
負け戦からの再起を図ろうとする所で終わった1と比べて、2は部外
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セッション(2014年製作の映画)

4.0

28(26)
狂人vs覚醒した狂人から放たれるラストのカタルシス
有名になりすぎて半分ネタ化してるけど、フレッチャーの身体的肉体的にゴリゴリ追い込んでくるパワハラ&アカハラ指導普通に嫌すぎる

若かり
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.5

27(25)
犬を愛し犬に愛されたドッグマンの誕生秘話的な。壮絶な幼少期を過ごし、初めて出会えた心許せる人への失恋等を経た結果ドッグマンとなった哀しき男
ダークヒーローと宣伝されてるけど言うほどダーク
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.5

26(24)
予告からキングスマンというかマシュー・ヴォーン感が溢るるユーモアとアクションのスパイ映画
流石に小説の展開が現実とリンクしてたから狙われる設定は無理があるだろと思ってたけどそこについては
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コットンテール(2022年製作の映画)

3.0

25(23)
妻の遺言に従って日本からイギリスに渡るロードムービー
家族の形は色々あるがリリー・フランキーから錦戸亮への感情も錦戸亮からリリー・フランキーへの感情も少し理解し難いものがあった。リリー・
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彼女はなぜ、猿を逃したか?(2022年製作の映画)

3.6

24(22)
序盤で状況が飲み込めず中盤以降違和感と納得できない所はありつつも徐々にこういうことかと予想した通りに落ちたと思ったらそこからさらに二転三転していく構成が良かった
匿名による誹謗中傷やそれ
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.0

23(21)
タイカ・ワイティティらしくコメディチックでゆるく見れる弱小サッカーチームの奮闘記
白人の救世主を皮肉りつつ良くも悪くも予想外のことは起こらないストーリー

こういう実話ベース映画あるある
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.8

22(20)
いつものガイ・リッチーのテイストが抑えられた戦場奪還劇
国籍・人種を超えた友情で繋がるヒューマンドラマや奪還劇として緊迫感のある状況でハラハラするエンタメ性を持ちつつも、報酬として約束さ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

21(19)
夫の死因を巡るミステリーかと思ってたら法廷劇により露わになっていく、夫婦関係の軋轢や破綻していく様、親子の信頼関係が揺らいでいく過程の方がメイン
嫉妬や怒りなど表には出にくい多面的な感情
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.5

20(18)
勢い余って犯した殺人から駆け抜けていって救いが無いのに妙に清々しいラスト。アメリカン・ニューシネマのようなテイストもある
後半になりアメリカの広大な大地を車で疾走するカットが良い
ハーヴ
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