いなださんの映画レビュー・感想・評価

いなだ

いなだ

関心領域(2023年製作の映画)

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監督が受賞スピーチで今現在起きている虐殺に言及していたのを知って観に行ったので、私は、お前のことですよ!!というメッセージを受け取りました…。「過去に何があったか」を通して、「私たちが今、何をしている>>続きを読む

ベルリン・天使の詩 4K レストア版(1987年製作の映画)

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都市。人々の頭の中にある言葉がざわついている前半がめっちゃ良くて、すごいぞ…!って興奮しながら観てたら、後半なんか男女の恋愛の話になったのに興醒めしちゃった… 今の自分向けじゃなかったっぽい。個の集合>>続きを読む

π(1997年製作の映画)

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太陽を見てしまった、または神の真理に近づきすぎた男。数学の天才である主人公が、πに潜む法則を明かそうとして、株式市場やユダヤ神秘主義(ヘブライ語が数字に置き換えられるとか何とか)の人たちに追いかけられ>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

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アイスランドの大自然を堪能できる映画であり、人間はちっぽけだっていう話で見せ方としてすごく良かった。し、この頃のアイスランドがデンマークの統治下にあることを考えると、主人公の牧師・ルーカスがデンマーク>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

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疲れてたのか途中寝ちゃったせいでストーリー把握できなかったし、ずっとエモーショナルな雰囲気だったけど結局よく分からなかったな…と、観た直後は感じた。けど、映画館出てから突如”感情“に襲われてびっくりし>>続きを読む

チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)

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サイレント。途中シンプルに悲しくてえぇ〜…って感じだったし、怖いシーンもあったけど、やっぱトータルでコメディ映画だった。でも自分はなぜかこの映画はあまり笑えなかったな、設定が設定だからからな…。動きは>>続きを読む

美しき小さな浜辺(1948年製作の映画)

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ずっと暗いし悲しい… ジェラール・フィリップは陰のある役が似合うな〜と思いつつ、冒頭に出てくる、戦争孤児=犯罪者ではないという、偏見を助長しないための注意書きを示す意味を考えた。終盤のピエールが少年に>>続きを読む

ウィズネイルと僕(1988年製作の映画)

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売れない俳優の男性二人がぐだぐだやってる映画で、(30手前とはいえ)奇妙な青春ものだった。ずっと天気悪いし、食事シーンがあんまり良くない。二人の毒のある会話に何かしらセンスがあるんだろうけど、自分には>>続きを読む

厳重に監視された列車(1966年製作の映画)

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古い作品だからかジェンダー観がだいぶ自分に合わないと感じたし、主人公の悩みにもあんまり興味が持てなかったんだけど、そんな中で、ナチス・ドイツ占領下のチェコという物語の背景が重くのしかかってくるラストは>>続きを読む

歴史の授業(1972年製作の映画)

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まさに歴史の授業みたいな映画だった。 ブレヒトの『ユリウス・カエサル氏の商売』という未完小説が元ネタで、自分は原作未読なものの、古代ローマ史にハマっていた時期があり、(資本主義)経済から考えるカエサル>>続きを読む

同級生(1998年製作の映画)

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学校ではあまり目立たないタイプのゲイの主人公スティーヴンと、性的指向に揺れ動くスクールカーストトップの同級生ジョンの、男子高校生同士の恋愛もので、昔の話だし、色々とつらいな…って感じたけど今でも十分に>>続きを読む

人情紙風船(1937年製作の映画)

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タイトルで想像してた感じと、観終わっての印象はかなり違った。最初は音声を聞き取るのに必死だったけども、途中段々面白くなってきて、最後……。現代の価値観による見方だと思うけど、身分制度ってどうしようもな>>続きを読む

マホルカ=ムフ(1962年製作の映画)

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ここで終わりなの⁉︎ ストローブ=ユイレ、冷たいかも(私に)。ちゃんと言うと、自分が物語の歴史的文化的背景を把握してないっていうのが大きいんだと思う。この部分だけお見せします、っていう風に感じた。でも>>続きを読む

和解せず/妥協せざる人々(1965年製作の映画)

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途中まで観て、えっ話わっかんね〜となったので、ブックレットのあらすじを読んでから観た。三世代の話&時系列ごちゃごちゃ&省略ありなので、そりゃ分かりづらいな。ストーリーを把握するだけで精一杯だったけど、>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

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たまたま時間があったから観たんだけど、すごく面白かった!原作漫画は途中までしか読んでなくて… 内容もちゃんと覚えてなかったくらいなんだけど、主人公2人の声がイメージぴったりすぎた〜 特に凰蘭役のあのち>>続きを読む

現金に手を出すな(1954年製作の映画)

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歳も歳だしもうそろそろ潮時か〜という感じがありつつも、まだ仕事を投げてはいない初老の男が主人公で、哀愁のあるフレンチ・フィルム・ノワールだった。主人公の老いのためか、金塊強奪という題材なのに鋭さや激し>>続きを読む

バグダッド・カフェ 完全版(1987年製作の映画)

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あったけ〜〜 人が人と出会って人生が良くなる話、大好き!ヤスミンが徐々に魅力的に見えてくるのすごく良いし、そもそも場に適応する能力が高くてびっくりした。でも夫と別れる最初の場面を見ると、人には自分に合>>続きを読む

ラルジャン(1983年製作の映画)

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原作未読。ブレッソンの映画やっぱ好きだ〜〜!物事の原因はある程度映像として映っているけど登場人物がその行動に至った心情や理由は完全にはわからない、事実や結果だけがどんどん映されていって、主人公に共感を>>続きを読む

パディントン 2(2017年製作の映画)

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悪役のヒュー・グラント、若い頃の写真が出るまで誰か分からなかった。(『モーリス』好きです) 前作に引き続き、子ども向け作品のポップな悪役でかなり良い。刑務所と囚人のノリもめちゃくちゃだった。
ブラウン
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パディントン(2014年製作の映画)

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原作を知らないけど、こんな話なの!? 想像力があって動物を受け入れる、絵が得意な女性(妻)と、現実的でなかなか動物を受け入れられない、でも女性のことが大好きな男性(夫)の組み合わせに『ピーター・ラビッ>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

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仕事が無かっただけなのに… 主人公は社会的にどんどん転落していくんだけど、不思議と悲壮感はあまりない。不思議。やはりあまり豊かでない男女の恋愛に加え、それに巻き込まれる、ニコリともしない子どもが出てく>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

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あらすじからして気になるし観るっきゃないな〜と思って観た まさに“今“の映画で良かったと思います… この映画で表されているアメリカ社会について、自分はその中で生活している訳ではないので知識的にも感覚的>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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主人公が若い男女だけど恋愛ものじゃないらしいし、評判がいいので観に行っとくか(腕組み)って感じで観たんだけど、最初からつらくて泣いたし、途中からはあったかくて泣いた。
人と人との“コミュニケーション”
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ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

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大好きな映画が映画館でやってるぞ!と思い観に行ったのだが、久々に観たらどうして自分はこの映画が好きなのか…と考え込む羽目になった(もちろん、好きという感情が先に来ているのは確か)。
タルコフスキーの、
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

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本日二本目ということもあり、二回ほど寝てしまった。観ていて長い…と思ってしまったし、そのゆったりした長さが終盤まで結構辛かったので、この映画は(今の)私に合ってないのかもしれない…。『ミツバチのささや>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

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なんだかんだスペヒロから毎年かかさずドラえもんの映画を観に行ってるけど、オリジナル作品の中ではカチコチ大冒険が好きな私には刺さる構造の話だった。
異星人の持つ文明が地球の歴史とつながるところや、のび太
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ぼくのデコ 23歳のヴァンパイア兄貴(2021年製作の映画)

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ジャンキーで家を追い出された兄が吸血鬼になってしまい、弟に助けを求めにくる話。当たり前のように人も吸血鬼も死ぬしグロいシーンがあるんだけど、ゆるいノリでチープな感じなのでそこまで怖くなかった。母と兄の>>続きを読む

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

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ローマ教皇の話題はニュースでたまに聞いたことあるな〜くらいだったが、この映画は二人の人間の<対話>を描いていて、とても良かった。保守派の現教皇が改革派(?)のアルゼンチンの枢機卿(後のローマ教皇)と話>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

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恋愛描写に関しては、そうなるんだ…って薄い感想しか抱けないのだが、台詞や演出が淡々としてて良い。特に友人関係のさっぱりさが好き。曲だけ結構ロマンチック。途中ヒリ…としたけど、あの状態からだと、現実的に>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

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配信がもうすぐ終わるので観た。女女映画として有名だしシスターフッドものかな〜くらいの感覚で観て実際そうだったんだけど、女性差別や女性への性的被害が蔓延り、軽んじられている社会に対してこんなに真っ向から>>続きを読む

白痴(1945年製作の映画)

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ジェラール・フィリップのムイシュキン公爵が見たくて観た。目が綺麗。ドストエフスキーの長編小説『白痴』の内容を一時間半くらいで収めているので、展開や台詞や演出が原作と異なる場面が多いが、大筋は同じ。でも>>続きを読む

彼方のうた(2023年製作の映画)

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何も分からなかった、って言っていいですか……。語られない過去、映されない人物、一つの動作や一つの反応が起こるのをじっと見ている時間が続いて、何でそうなったの?何があったの?何が起こっているの?、この人>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版(1980年製作の映画)

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意外とストーリーがわかる(わかってない)な〜と思ったら原案が内田百閒の小説なのか!こういう感じの邦画にうっすら苦手意識あったけど性的シーンが思ったより少なく、直接的じゃなくて助かった。ホラー寄りなのか>>続きを読む

黄金の腕(1955年製作の映画)

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麻薬中毒の主人公フランキーは出所し、ドラマーとして再出発しようとするが、賭博場は“黄金の腕”を持つ彼を離したくない。賭博場には戻りたくないフランキーはまた、自分のせいで車椅子生活をしているザッシュの存>>続きを読む

スミス都へ行く(1939年製作の映画)

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先が読める話だし、そんないかにもな展開に自分は心動かされないぞ…!と捻くれた気持ちで途中まで観ていたが、ラストにしっかり感動してしまった。1939年の映画か〜 すごいな。
政治の世界に明るくない、田舎
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M(1931年製作の映画)

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少女連続殺人犯の(“M”と刻印づけられた)男を、地元の警察と犯罪者集団が追うという内容で、途中まではなかなかノれずにうーん微妙かも…って思ってたけど、警察より一歩先に犯罪者集団が殺人犯を捕え、市民たち>>続きを読む

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