もう何もかもめちゃくちゃだけど、笑っちゃうことはたしかだろう。
頭を空っぽにして観るには最適だった。
とはいえ、まだ現役でキレキレのアクションを繰り出すジャッキー・チェンには驚かされる。彼の出番は少>>続きを読む
逃避行というと、駆け落ちとか大犯罪とかそういっただいそれた出来事ゆえのものだと思っていた。
でも、そんな大がかりな理由がなくたって、
何もかも捨てて逃げ出したっていい。
むしろ、日常生活の倦怠から抜け>>続きを読む
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信じることがどれほど難しいことか。それは特に、対象が人の場合さらに難しいのではないか。
中世の時代と比べて様々な事象の原因が解明された現代においても、そのことは変わらない。
奇跡を起こし、街を伝染病>>続きを読む
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信頼関係が無駄な関係性に陥ることが、場合によっては稀にある。その一つは強盗の共犯者同士の場合なのではないか。
強盗失敗によって危ういバランスを保っていた共犯関係がもつれていくなかで、男たちの信念のぶつ>>続きを読む
腐敗したブルジョア…だけではなく、社会そのものにメスを入れるような視線。
パリから田舎にやって来た小間使のセレスティーヌは、仕えている屋敷の住人たちやその周囲の人間をまじまじと観察する。
さらにある事>>続きを読む
田舎から母親と一緒に上京してきた少年。
都会といった環境からだけではない少年の孤独が、少年の視点から物悲しくかつ残酷に描かれている。
少年は期待と失望を繰り返すのだが、それは渡ること、乗ることといった>>続きを読む
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周りに他の家がないような山奥に住むある家族。何の変哲もない家族に一見見えるが、かなり危ういバランスを保っていた。
お互いに踏み込んではならない領域に踏み込み、普段は抑え込んでいた理性が外れた瞬間、家族>>続きを読む
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サスペンス映画であるが、それ以上に人間ドラマの色が強い作品であると感じた。
盗みをはたらいて逃走中の男が、無関係の家族を人質にとる。そこで、全く異なる2つの家庭の背景が浮き彫りになるのだ。
それから愛>>続きを読む
ある夜、夫に嫌気のさした妻がバイクに乗って隣の国まで愛人に会いに行く、ただそれだけの話。
若妻のレベッカ(マリアンヌ・フェイスフル)の、見ているこっちが恥ずかしくなるほどの妄想がさらけ出された珍作であ>>続きを読む
色んな意味で「大逆転」な映画である。
派手で単純明快で大笑いできる。
80年代のアメリカンコメディらしい痛快で楽しい作品だった。
原題の''Trading Places''のとおり、立場を逆転させ>>続きを読む
ビルが乱立している街。広告やネオンがうるさい街。それが東京である。
言葉も文化も全くわからない東京に、観光目的ではなく訪れた若い女性と中年男性の、友情とも恋愛とも言いがたい絆が芽生える。
日本人とし>>続きを読む
ロシア革命の「最初の日」を題材にした作品。
怒りに満ちた民衆、逃げ隠れする支配階級の者たち。そんな彼らの思いがストレートかつ力強く表出されると同時に、アートとして昇華もされている。
切り絵のような>>続きを読む
娘の視点から語られるおかあさん。
おかあさんのすべてを知っているわけではないけれど、夫や子どもを思い、自らを犠牲にして家族にすべてを捧げてきたことは事実である。
田中絹代演じるおかあさんは、厳しく>>続きを読む
大型犬が偶然、犬を欲しがっていた子どもたちのいる家に迷い込んできた!
彼をベートーベンと名付け、愛情を注いでかわいがるが、彼の世話をするのはほとんど父親。家族のために稼いで、さらに犬の世話もしているの>>続きを読む
もはや可愛ささえ感じられる、おじさんの妄想暴走映画。
妻との変わり映えしない結婚生活にマンネリを感じていた中年の男の目の前に突然美少女が現れたら…?
なんとか彼女とお近づきになれないかと、彼はありとあ>>続きを読む
ピエール・エテックス版『トラフィック』といったところだろうか。
とはいえ、ジャック・タチの『トラフィック』との共通点は、作品のテーマが交通渋滞という点くらいではある気がする。
タチが車や車の並びなどと>>続きを読む
とてもロマンチックだけど、辛口で現実的。
そんなピエール・エテックスの情熱と冷静という二面性を発見できる。
主人公の男は女性から好かれても逃げてしまう。でも、テレビで偶然観ていた歌手の女性に一目惚れ>>続きを読む
タイトルから想像するような悲しい作品では全くなく、むしろずっとクスクス笑ってしまう短編コメディ作品だった。
愛する恋人からの別れの手紙に悲しむ間もなく、手紙を書くのに手こずってしまうからだ。
万年筆>>続きを読む
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自然界や宗教などが絡んだ、もっと複雑な背景のある作品だと期待して観始めたが、正直わりと単純なストーリーなんだなとある意味呆気にとられた。
羊から生まれた半分羊で半分人間の不思議な生き物を、羊飼いの夫婦>>続きを読む
ブルース・リーの華麗かつ野生的なアクション技を堪能できる。
次々と敵を軽々となぎ倒していくさまは、観ていて爽快な気分になる。
この作品は、彼のそんな神業と言っても過言ではないアクションの魅力が、余す>>続きを読む
フランソワ・トリュフォーが絶賛していたことで知った、『ヨーヨー』。
卒論を書いたときにこの作品をトリュフォー経由で知り、ずっと観てみたいと思っていた。そんな思いのある作品を劇場で鑑賞できるなんて、感無>>続きを読む
言葉なんてなくても通じる、サイレント映画時代のコメディのようである。
そんなピエール・エテックスの魔法にやはり吸い込まれた。
ジャック・タチのようなマヌケさが貫かれているが、エテックスの場合、自分自>>続きを読む
初ピエール・エテックスにお目にかかったのが、タイミングなどもあってこの作品となった。(『健康でさえあれば』と同時上映)
ジャック・タチの助監督を務めていただけあり、タチ要素を随所に感じられる。
エテッ>>続きを読む
この作品は、主演のマコーレー・カルキンの代表作『ホーム・アローン』シリーズのように、子供たちが中心となって悪い大人たちをとっちめるストーリーである。
そのため、この作品も安心して楽しく観られる作品だっ>>続きを読む
「目を澄ませて」というタイトルの一部の通り、観ていると自ずと感覚が研ぎ澄まされてくる作品である。
なぜならこの作品において、我々が映画を「見ること」「聞くこと」が無理することなく最大限まですることが促>>続きを読む
若者たちの孤独と刹那が渦巻く夜の台湾。
少女シャオヤンの孤独と不安、そして青春の一部が切り取られた作品である。
街を人生を彷徨う若者たちの思いが、夜に浮かぶ頼りない光とともに表出されているのだ。>>続きを読む
またまた寅さんは突然帰ってきて、それも思いもよらぬ「お土産」と一緒に帰ってくるものだから、とらやの皆は当然パニックになる。
今回は佐賀を旅する寅さん。
オープニングで綺麗な川の流れるショットがいく>>続きを読む
約5年ぶりに再鑑賞。
子どもの頃にクリスマス・イブの夜にワクワクしていた気持ちを思い出す。
少年少女たちの、クリスマス・イブの一夜の冒険物語。
次々と目まぐるしくハプニングが起こる。
ジェットコース>>続きを読む
クリスマス映画といえば…というか、クリスマスの物語といえばこの『クリスマス・キャロル』ではないだろうか。
何度も映画化されているこの名作に、さまざまなディズニーキャラクターたちが登場する。それぞれの役>>続きを読む
日本および武士道に傾倒する殺し屋の男。彼はどこかの組織に属することはないが、イタリア系のマフィアの幹部のひとりから殺しを依頼されている。
彼とはまさに「御恩と奉公」の関係で結ばれているのだ。
武士道>>続きを読む
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息着く間もないサイコサスペンス。
約2時間半という長尺にもかかわらず、あっという間に時間が過ぎたように感じた。
この作品が紹介される際に、エイミーという人物がたびたび「悪女」だと言及されているのを目に>>続きを読む
何が悪なのか。そんな単純な話ではない。
皆が体裁やプライドなど気にして自分だけを守ろうとする。何かを悪と決めつけることが、自己を守り抜こうとするのに最も簡単ではあるが、正義を見失ってしまい人としての道>>続きを読む
美しい北アイルランドの街並みが鮮やかなカラーで映し出される。現代の街並みだろう、まるで観光案内映像のように、街の景色や数々の観光名所らしき場所が次々と提示される。
その映像の延長線上にある、どこかの塀>>続きを読む
ボロボロの格好をしているにもかかわらず、絵画のように美しい死に顔。
朝発見されたこの人物は、この村でひとり旅をしていた女性だった。
彼女がこのような結末に至った過程が、彼女と道中で出会った人たちの証言>>続きを読む
いい意味でTVドラマ版とノリや内容に大きな違いがなく、またシロさんとケンジ、おなじみの仲間たちに会えて嬉しくなった。
価値観の相違やお互いを思い合うがゆえのすれ違いなど、二人の関係性に少しぐらつきは>>続きを読む
悲壮感が漂っても仕方ないような主人公の境遇であるはずなのに、コミカルであっけらかんとした明るさが常にある。
それは主人公の逞しさと前向きな姿勢ならず、作品のコメディタッチの演出にもある。
純粋無垢な>>続きを読む