仮にもし本作が小津安二郎『晩春』の続篇だと仮定してみたら急に面白みが湧いてきた。
細部を見ると台詞の掛け合い一つ一つにかなり神経が使われているが、全体は大味にならないように小気味よくまとまっている。>>続きを読む
キリスト教っぽさを感じたが、あくまでも脚本は小津安二郎らによるものとのこと。実験的な匂いを感じる。
それより岡田喜子の人生、かなり壮絶っぽい
中村登監督作品でいえば『暖春』『河口』『惜春』は個人的ベストであるが、本作は総括して好まなかった。
演技、撮影の面で大袈裟すぎる素振りがあり、冗長に感じてしまった。
変なスローモーションが使われてる>>続きを読む
決して格調の高い作風ではないが、この映画でしか見られないものが随所に見受けられ、個人的には良作だった。
時代劇のドラマで使われる合戦の撮影シーンや、活気ある富士吉田市の商店街、画面一杯の富士など、ロ>>続きを読む
破茶滅茶によい。よいが、時間を巻き戻した時のいやいやちょっと待て感。どうにかならなかったのか考えたが、流石に無理か。あれならば回想しない方が、とも思ったが、こころにおいては無理か。
しかし野心作だ。
苛立ちの方が目立ってしまった印象だった。
迫真に迫る演技が少なく(所々、お、という場面はあったにせよ)、映し方もどこかチープで、途中弛れてしまった。
とはいえ、原作が原作なので物語としては完成度・>>続きを読む
奥行&平面フェチの方にはオヌヌメの映画で御坐います
「写真が真実なら、映画は1秒に24回の真実だ」
アンナ・カリーナは美しい。髪をかきあげるシーンなんてバチコーンとキマリすぎていて怖いくらい。
最後の方の長回し独白シーンさいこー
冒頭、手漕ぎの舟を上から撮影したシーンで水面の光り方が異様に美しかったり、歩く女性の脚とそれに追いついた自転車の車輪が静かに前後で重なり合うシーンなど、見所が多い。
主人公(ニキータ・ミハルコフ)は>>続きを読む
シネマヴェーラ“日常と戦争そして旅 ウクライナ・ジョージア・ソ連映画”5本目の鑑賞だが、今のところ最高傑作です。
開け放ちの窓から流れてくる朝の風、森の奥の川の香り、樹々のざわめき、草いきれ、夏の終>>続きを読む
冒頭、明らかにどす黒い海が画面一杯に映され、高い波がこれでもかとうねる。観ようと思っていた映画か、一瞬判らなくなる。現実が波で攫われるかのような感覚に陥り、開演わずか数十秒で全部持っていかれる。
始>>続きを読む
これ検閲免れたのか、その事実自体に感謝せざるを得ないくらい痛烈な皮肉で溢れていた。
解説に拠ると、最後の共産主義礼賛で巧みに当局を掻い潜ったとあるが、90%アイロニーで最後だけ共産主義万歳!ということ>>続きを読む
Filmarks特有の、レビュー件数が少ないと謎に評点が低くなる事態が発生していますが、これは好い映画です。
言うまでもなくロシア(ソ連)っぽさは存分に出ていたし、登場人物を極限まで切り詰めて4人+>>続きを読む
拗れすぎていて好みではなかった。
そんなはずないだろの連発で、観ているのが辛くなった。
まあ、好みの問題なので仕方ないとは思いつつ、井上和男『熱愛者』や中村登『女の橋』、エリックロメール『夏物語』『>>続きを読む
あまりハマらず。二元論的な枠組みに嵌め込もうという構図が内容的に先立ってしまい、味わいが薄れた。
佐田啓二はもっと喋っていいし、岡田茉莉子は絶望に至るまでの過程をもっと演じていい。
清水瑶志郎氏とも話したが、ギリの作品。
特にそれは発話言語に感じ取ることができ、50-60’sの技術的なものはこのときすでに失われてしまったのかと感慨深い。
小栗監督は自分と同郷出身で、群馬県立前橋>>続きを読む