もんたさんの映画レビュー・感想・評価

もんた

もんた

わんわん物語(1955年製作の映画)

3.7

擬人化されつつもちゃんと犬々しい犬の動き方と質感、まさにディズニーアニメ精神の真髄。犬好きにはたまらない。
今となっては保守的な価値観とも取れる展開も、ある意味ではまだまだ現実的なのかもな〜とか思った
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

視線のやり取りや画面の切り取り方(人物の物理的な配置がすごく効いてる)で全て物語ってしまっていて凄い。実は何も起きてないのに。
素晴らしい演技に素晴らしい演出と編集が加われば素晴らしい映画になる。すげ
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モンスターズ・インク(2001年製作の映画)

3.9

街&会社&モンスターのデザインがハチャメチャに良い。スタイリッシュでちょっとレトロ感もあり、アクセント的な気持ち悪さもある。ジャジーなサントラとの相性も抜群。
複数のテーマを違和感なく同時進行で処理し
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グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

3.6

ゆるいユーモアと手作りアート感に包まれた切実青春ロードムービー。
ダニエルさん、そなたはあまりにも美しすぎやあしませんか!?!?人間の上限?

ある男(2022年製作の映画)

3.8

ミステリーとしての面白さもある程度担保されつつ、「あ、"そっち"の話だったのか」と思わず膝を打ちたくなる見事な脚本(締め方が素晴らしい!)。
手練れ揃いの演技も完璧。特に窪田正孝が良い。笑顔でいてくれ
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.8

「行って帰ってくるだけ」フォーマットの金字塔。タイトに纏められてて良い。
50年代の豊かさと60年代の仄暗さを併せ持った人物像&舞台設定がジュブナイルストーリーと有機的に噛み合ってる。
リヴァー・フェ
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エルム街の悪夢(1984年製作の映画)

3.6

逃げられない(非)日常空間という意味では一番怖くてトラウマになりやすいかもしれない舞台設定と、丁度良い悪趣味特殊効果による思いがけないマリアージュ。
80年代感たっぷりのSEやらポンコツなジョニー・デ
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サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

3.7

自分の小学生時代の記憶を否応なく引き起こさせられる。普遍的な細かい"あるある"描写へ妙に力を入れた演出と、それらを自然に体現する子役の力。対照的に大人(実際には大人ではないであろう人たち含め)が若干誇>>続きを読む

奇跡(2011年製作の映画)

3.7

愚かとも取れる無邪気さと異様な察し能力。是枝監督の"子供視点解像度の高さ"をより身近な距離感の中で感じ取れる。それを見守る大人たちの優しさも、随所で不意に出てくる"大人"の事情がピリッと際立って良い塩>>続きを読む

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.9

気の抜けたSFコメディと思って楽しんでたらとんでもないところまで連れて行かれてしまった。
ちょっと脱力感のある異常な日常風景ってめちゃくちゃスパイク・ジョーンズっぽい題材だな〜と改めて思ったり。
"考
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

脇に至るまで豪華キャストの目白押し。まずはその贅沢っぷりで満腹。
どこでIMAX必要やねん!と観る前は思っていたけど、押し潰されそうな圧と重厚さはある種スペクタクル的な方向性とはまた違ったIMAXの用
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グーニーズ(1985年製作の映画)

3.7

ワクワクに満ちたセットたち、ワクワクしない方がおかしい。
全体を通して爽やかで眩しい娯楽仕立てだけど、随所に垣間見える"成長/現実/大人の物悲しさ"が何とも言えない後味。
ワクワクよ、遠くへ行かないで
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.8

薄汚れたニューヨークの何と美しいこと。もう街のセットを見ているだけで「うわぁ…映画だぁ…」と唸ってしまう謎の力。
ダンスと物語を雄弁に見せてみせるカメラワークも無駄がなく気持ち良い。
時代の世相をしっ
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バイス(2018年製作の映画)

4.0

重厚(ともすれば地味で退屈になっちゃう)な政治劇も、芸達者らによる絶品手練れ演技(もはやモノマネ芸の域)&マッケイ節炸裂の情報量たっぷりスライドショー的編集にかかればエンタメ度満点上質ブラックコメディ>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.8

杉咲花がとにかく凄い。
居住空間の使い方やハッとさせられる撮影、掴めそうで掴めない(想像の余地がたっぷりあるとも言える)陰を滲み出させる演出、その演出に対して完璧な回答を叩き出す役者陣の演技、どれもこ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.9

一生カッケェ画と音しか出てこなくて疲労困憊。
原作忠実よりも映像作品としての強度に重きを置いてて最適解すぎる。ちょっと不穏さも滲み出てきていて、"2作目"としての役割を完璧こなしてる。
そして映画史上
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テリファー(2016年製作の映画)

3.6

変に勿体ぶったり冗長にさせたりせず、スラッシャー映画の面白さに特化させてるので安心して見ていられる。いや〜な雰囲気の醸し方も絶妙。
ホラーアイコンとしてのキャラ立ちもしつつ、ある種の没個性さも実現して
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家をめぐる3つの物語(2022年製作の映画)

3.7

これを観た人ほぼ全員が言及してるけど、どうしても2話目に食らってしまう。ここ最近で一倍怖い映像だった。
それ以外の作品も含め、常に穏便な不穏さ(フェルトのどこか頼りない質感も良い)が通底していて、それ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.8

画面の端、もしくは外に垣間見える登場人物の優しさに毎回グッと来てしまう。
主演二人の歪さ込みで現実味のある自然な佇まいと、それを支える役者陣の安心感。
あったかいけど、あっさりしてる。本当の理想郷はこ
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14歳の栞(2021年製作の映画)

3.8

自分もそこにいた気がしてしまう不思議。
謎の力で個々の話を引き出し違和感なく普遍へと昇華させてしまう巧みさ。すげ〜。
出てくる生徒全員が映画みたいな人生を送ってる(もちろん編集や脚色の力もあるだろうけ
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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

4.0

最早新時代の古典的様式美と化した黄金トリオの織りなす心地良いテンポと熱血脱力感のあるやり取り(a.k.a.じゃれあい)。
若干の過激さ(ある意味真剣さ)をベースにしつつ、各要素のバランスとクオリティが
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.8

観ていて思わず「キツい…」と口から出てしまうくらいには結構食らうシーンもあった。あみ子から生じる引力と重力がすごい(主演の大沢一菜さんが素晴らしい証!)
日常を撮影しているようで急に計算されたシュール
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.5

丁度良い。2時間弱をスルッと分かりやすく楽しめる。それだけで満足じゃあないですか。前情報無しで観てもワクワク出来るエピソード0。それって十分すごいじゃあないですか。
ティーン達から徐々に醸し出されてい
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.6

あっさり楽しめてしまった。もう少し毒っ気が欲しくもあるけど、そもそもの実話が面白いからそりゃあ面白い訳でありまして。
各キャラクターを愛おしく見せる辺りは流石のワイティティ作品。勿論アメリカ領サモア観
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

何もかもがグレーで靄がかかってる。
そのグレーを何とか白黒付けようとする裁判のスリリングさと滑稽さ。
登場人物に実在感を与える役者陣の佇まいが素晴らしい。その中でもMVPをあげたいメッシくん、納得のパ
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.5

楽しい楽しいジャンルシフト。
のほほんとした物騒さに満ちた阪本監督ユニバース、今後にも期待。

マイスモールランド(2022年製作の映画)

3.7

いわゆる"社会派"なテーマを作品ではあるけど、それ以上に青春映画、家族映画としての強度が目を引く。ドキュメンタリックな魅力を携えた主演の嵐莉菜を中心に役者陣の仕事がどれも素晴らしい。
勿論テーマに対す
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

3.7

人生に潜むほんの一時の煌めきが100分間に凝縮されている。二人のやり取り、丁度良い距離感をすぐ側で眺めることで我々も彼らの幸福と寂寥感を追体験させられる。それらを象徴するかのような終盤の夜明けシークエ>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.0

人生で起こってほしくないことは大体この映画で体験できるし、何なら考えてみたこともなかったシチュエーションまで見せてくれる。
そして相変わらず最初から周到に"詰み"へと仕組まれていた脚本と演出。計算され
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コンジアム(2018年製作の映画)

3.6

セットと小道具、空間の使い方が秀逸。POVとの相性もバッチリ。再現したお化け屋敷があったら絶対に行きたいし行きたくない。
世にも珍しい化け物自撮り視点。鑑賞者だけが特権的に得られる恐怖体験で最悪だった
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.9

名も無き民衆たちの逆襲(実話)、アツすぎる。めちゃくちゃ鼓舞されてしまった。
ともすれば小難しくなってしまう経済モノの過程をストレートにしたことでエンタメ性もカタルシスも増してる。鑑賞後にどこかビター
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

懐かし新し生々しい独特の映像を観るだけで十分に楽しめるけど、本作の真髄は軽やか且つ上品に(悪趣味的な方向でないという意味で)行われる倫理違反の思考実験的な面白さにある。
意地悪なオチも逆に真摯。
倫理
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.6

中学生(及びその周りにいる大人)の解像度が高すぎる。"リアル"というよりかはめちゃくちゃ想像を広げやすく出来てる。脚本の妙。
主演の齋藤潤は勿論、持ち前の"儚さ"をある種のコミカルさで包み緊張感と尊み
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.9

音ハメに本気すぎて引く。好きな曲を聴きながら作業やら移動やらをしている時の脳内が映像化されてて気持ち良い。
カラッとしすぎてないムード、UKとUSの良いとこ取りみたいな温度感。

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.7

大枠は突拍子も無いのにその内部は緻密に構成されている感じや独特のカメラワークのおかげで比較的地味目な内容(内容は全然地味ではない)でも監督の個性が十分滲み出てる。本当にこの監督はサイコパスだと思う。悪>>続きを読む

ハロウィン(1978年製作の映画)

3.7

古典の風格。"人間がコチラを見ている"だけ(スンとしてるけど異様な佇まいの効果もあるけど)で恐怖心を静かに煽る見せ方と俗っぽさの中に何故か品もある音の使い方は今見ても感心してしまう完成度。
一発でホラ
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