Kachiさんの映画レビュー・感想・評価

Kachi

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恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

3.8

レトロなラブコメの王道と思いきや、結婚式は同性婚ということに時代を感じる。

それはさておき、本作はビーとベンの二人の掛け合いがどこまでも面白い。そもそも、映画作品の中なので二人は一芝居打っているわけ
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.7

勧善懲悪モノが観たいなら本作はその王道

草彅剛と清原果耶が親子役ということに惹かれて鑑賞。草彅の朴訥とした、内に秘めた正義感で動く武士の端くれ役は妙にハマっていたように思う。そして、そんな不器用な父
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.5

異なる規範の中で葛藤する砂田(中村倫也)の立場を追体験することが本作の一番の収穫かもしれない…

石原さとみ主演とあって話題作の本作。失踪した娘の行方を一心不乱に探す様子は、画面越しに切実に伝わる。感
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

3.8

誰しも原風景を持っている

舞台は2005年夏。清原果耶演ずるつばめが、一夏をかけて自分の中にあるわだかまりを一つずつ解きほぐしていくような、そんな作品。

早速ネタバレ有りで振り返ると、見るからに死
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デイアンドナイト(2019年製作の映画)

3.8

倫理観を揺さぶる一作

道徳と倫理のせめぎ合い。簡単に私の整理を示すと道徳は、社会における規範。疑いなく守ることが善しとされるもの。それに対して倫理は、価値判断の総意が取れておらず、判断する際に行動す
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.5

本作も清原果耶さん目当てで鑑賞

台湾原作との比較が必要だと観終わってから思った。と言うのも、私とどうしても波長が合わないことが多い宮藤官九郎脚本だったため(ドラマ「不適切にもほどがある」は素晴らしか
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パレード(2024年製作の映画)

3.8

優しさに包まれた作品

東日本大地震から12年以上(干支が一回り)経ったからこそ撮れた作品だと思った。震災からしばらくの間は、震災に関する作品の大半が、死者を悼む残された人々の話や予期せぬ出来事を前に
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

3.8

タイトルが秀逸な作品

作品の中身を知らない人は、何のことか分からないのに、一度作品世界に触れれば、このタイトルだけでどんな作品か思い出せる。色々な解釈はできると思うが、素直に見ればこれは主人公の恒夫
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.5

怪獣達の大プロレス大会

コングとゴジラがプロレスをしながら街や自然を破壊する映像が大半を占める。

ローマのコロシアムでゴジラが休憩していたり、助けを求めているコングがゴジラにやられそうになったり、
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.7

創作活動における逆説を作品化

「線は、僕を描く」は、主客が逆転しているような印象を与える。ただ、小説家が小説を書きながらものを考えたり、ビジネスパーソンが会話をしながらアイデアを膨らませたりするよう
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ラストレター(2020年製作の映画)

3.8

【岩井俊二なりのLove Letterの更新】

脚本・監督を岩井俊二氏が手掛けていることもあり、本作は同じく手紙を扱ったLove Letterをどのように昇華させていくかを思案したものだと思った。で
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一分間タイムマシン(2014年製作の映画)

3.8

映画「恋はデジャブ」を極限まで削ったら本作に行き着く。

タイムマシーン×マルチバースをこんなに短時間でサラッと理解させてくれる作品は、YouTube動画でもなかなかないのではないか?

マルチバース
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Love Letter(1995年製作の映画)

4.0

応答しないはずの手紙を巡る物語

「青春18×2 君へと続く道」の作品理解に欠かせないと判断して再鑑賞。(多分、前に見たのはかなり昔でほとんど何も覚えていなかった)

スマートフォンでやり取りができる
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異人たち(2023年製作の映画)

3.8

退屈だが感慨深い、そんな作品

脚本家のアダムは、2人しか居住者のいないロンドンのマンションに住みながら、いわゆる中年の危機に苛まれている。もう1人の居住者であるハリーも同様に、アルコールで孤独を紛ら
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バジーノイズ(2023年製作の映画)

3.6

原作未読。

孤高の作曲家清澄と同じマンションに住む潮との邂逅から物語は始まる。マンガ原作であるが故に、一部展開を端折った可能性が高く、惜しいと思うところがあった。

清澄の過去は、それとなくあるバン
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ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.5

※スコアはカラー版と同じ。
ちょうどFilmarks 555本目のクリップのため急遽予定変更。

他の映画を優先してしまったため、マイナスカラー版の方を劇場では観られずPrime Vidéoにて。モノ
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.5

とても誠実な日本×台湾合作映画

「おかえりモネ」の時から注目していた清原果耶主演とあって公開日に映画館へ

現在と過去の記憶を往復しながら展開されるジミーとアミの物語は、一つ一つのセリフが現在のジミ
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陰陽師0(2024年製作の映画)

3.4

奈緒さんファンとして鑑賞

昔の陰陽師シリーズを踏襲しつつも、当時は実現できなかったCGや音楽を使い、いわゆる陰陽道の呪いもどこかにタネや仕掛けがあるマジックの一種であるような見せ方を心がけていた。(
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

5.0

1人でも多くの人が本作を観て、ウクライナ・マリウポリの惨状を直視すべき。

命懸けでドキュメンタリー映像を撮り続けたジャーナリスト自身が、この映像を撮り続けることや現地の人の声を聴き続けることへの葛藤
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.2

「人生の煌めき」とは何か?を問う作品

重篤な障がいを持った人々の尊厳を考える作品。当然ながら、1990年の作品であり、題材にしたのは1969年の実話であるため、当時の倫理観に照らして、セイヤー医師が
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

善悪の二項対立に逃げない作品

タイトルの主張が強い分、つい何かを読み取ってしまいたくなるような作品。もちろん、タイトルの意味を考えながらの読み解きをする鑑賞態度をとっても良いが、際限なく判断を留保し
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メメント(2000年製作の映画)

3.9

学生時代に一度観て、こういう編集方法があるのかと驚いた作品。

妻殺しの犯人に対する復讐を誓うが、結果的に悪徳警察官であるテディを殺害することで物語が閉じられる。(冒頭にこのシーンがあるが、そこに至る
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海がきこえる(1993年製作の映画)

3.5

タイムカプセルのように昭和を閉じ込めた作品。音楽も絵のタッチも、私は懐かしく思えないものの、レトロな雰囲気が全体を包み込む。

親の不倫と離婚、田舎の学校のスクールカーストやその閉鎖性、酒・タバコ、東
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.5

映画館を後にしながら既視感がある、とふと思った。

記憶を辿ると市川拓司原作『恋愛寫眞』を玉木宏と宮崎あおいで映像化した「ただ君を愛してる」に重なる設定が多かったからだと気がついた。

初見であの作品
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.8

2000年代前半の何処となく掴みどころのない日本と2人の異邦人の話

本作が上映されたのは2004年。私は当時中学生だったが、映像で改めて見ると当時の日本は全体的にダサい。そのダサさがどこから来ている
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

4.2

ネタバレにならない程度に…

名探偵コナン版のゴールデンカムイを2時間で凝縮したような作劇。怪盗キッド・服部平次がメインということで、昨年の「黒鉄のサブマリン」との比較では、コナン作品の展開の核となる
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.8

ノーラン監督長編デビュー作

時系列を意識せずに鑑賞していたら、いつの間にか「これはノーラン作品だった」と思い返し、スクリーンを追いながら自分で時系列を再構成して答え合わせをした、という鑑賞体験だった
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.9

米国プロレス界にその名を刻んだ家族の実話に基づく作品。全くの門外漢だったが、プロレス云々はあまりメインではなく、呪われた家族と言われる所以を追って行くヒューマンドラマの要素が強かった。

ザックエフロ
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名探偵コナン vs. 怪盗キッド(2024年製作の映画)

3.5

来週末に向けた最後の予習に

第76話「名探偵コナンvs怪盗キッド」
第356話「怪盗キッド驚異空中歩行」

を中心にアニメ版を再編集したもの。
Amazonプライムで観るなら、毎度恒例のオープニング
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.7

【LA LA LANDへのアンサー作品】

アジア的と括りたくないものの、NYを舞台にしたアジア的な人間ドラマだった。恋愛ドラマと見做してしまうと、何かを毀損してしまうような繊細な描写で彩られた作品。
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

壮大な伏線を散りばめた前編
※後半まで観て初めて評価確定

圧倒的な違和感を押し付けてくる作品。
これまで日本が貯めてきた文化資本をこれでもかと詰め込んで、きっとこれから何か真実が明かされる…!と予感
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.8

※詳細は時間を置いて…

クリストファー・ノーラン監督が本作を撮る上で参考にした"American Prometheus"を読んでから鑑賞。率直な感想としては、本作ないしはロバート・オッペンハイマーの
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フード・インク(2008年製作の映画)

3.5

アメリカの「食」に関する不都合な事実を取り上げた作品。

Super size me 2 Holley Chickenと扱っている主題や暴きたい問題は共通している。そのため既視感はあったが、逆に両作品
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特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

3.8

演奏シーンの尺を延ばせば標準的な映画の長さになりそうだったが、敢えてしなかったのは見せたいストーリーの骨格が明確だったからだろう。

ずばり、久美子の部長としての成長と最後の大会に向けた一抹の不安。自
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劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~(2019年製作の映画)

3.8

久美子の2年生編。

よくある学園部活モノの中でも、部活に新入生が入ってくることで生じるドタバタ劇を駆け足で描きながら、劇場としては前作の「リズと青い鳥」がどう仕上がったかを示すアンサー作品という位置
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.5

「響け!ユーフォニアム」のサイドストーリーとのことだが、今のところ最も好きな作品。

いわゆるアニメ版の再編集ではなく、映画用に作られていたこともあり、映画的な脚本と作品独自がもつ世界観の両方に魅了さ
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