ぐるぐるさんの映画レビュー・感想・評価

ぐるぐる

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野獣死すべし(1980年製作の映画)

4.4

特集上映にて初めて鑑賞
前半は冷酷な強盗殺人犯が出てくるサスペンスものだなあというぐらいで、特にこれといって目新しいという感覚はなかった
でも気付いたら徐々に全然違う物語が浮かび上がってきて、特集上映
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.8

邦画というか字幕のない作品を観るのが久しぶりだったこともあり、日本語のリスニング能力が低下していたプラス聞き取れても何言ってるか分からないときもあるというカルチャーの壁を感じてしまった
描かれる物語の
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ファーゴ(1996年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

実話じゃないのか!
でもこれは良い裏切りだと思う、全然がっかりしないので
冒頭にあのメッセージが流れることで、構えて観ていたのでそれなりに私の中のハードルは上がっていた
それでも現実は小説より奇なりで
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バービー(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

楽しい!でもそれだけではない映画
久しぶりにアメリカンピザ食べたらガツンときた感じに似ている
しかもなんかトマトベースが酸味効いてて、チーズも何種類かこだわって使ってて深みがあるたみたいな

多少窮屈
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ベルリン・天使の詩 4K レストア版(1987年製作の映画)

4.0

何かの小説で天使は映画館に集まるという…という一説を読んだことがあり、これがきっとその元ネタだったのだと思う

言葉に溢れた人間たちの心を描くシーンがとてもよかった
詩人のように整然とした言葉で語られ
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関心領域(2023年製作の映画)

4.0

満席の映画館、座席がフラットすぎて前の人の頭が邪魔でほぼ字幕が読めないという地獄…
幸いなことにあらすじは知ってたのと断片的に見える字幕から内容を予測し、全力で感覚を研ぎ澄まして観た
ある意味これまで
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デカローグ デジタル・リマスター版(1989年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

一話ずつ日を分けて鑑賞。
かなり好きな類の作品、出会えて嬉しい限り。

第一話 ある運命に関する物語
2024.5.20
映画館で鑑賞した話だった。
インクのシーンと見るからに知的好奇心旺盛な男の子が
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ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

4.1

それぞれの登場人物に起きるイベントが大小を問わずささやかに描かれていくのが心地よい
歯磨きのシーン、口を濯ぐシーンって生活感があるからそれをどんな風に映し出すのかでなんとなく映画全体の雰囲気も伝わる気
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

怖いよ…上質な遊星からの物体Xみたいな、造形のグロさに指越しに画面見る感じになり、ちゃんとホラーな演出の音や明暗でびびり倒し…
そういうのの中で女から見える男性像的なものをやる
言動の配慮にややかける
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

サクサクと楽しめる作品
歌がうまくなりたい若頭補佐のヤクザと合唱部部長の中学生男子
コメディな組み合わせだけど、学校内の人間描写が思いの外丁寧で、笑えるんだけれど妙なリアルさが好みだった
和田くんの熱
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

どんどん面白くなってきた…

大領家連合、皇帝、フレメン、ベネ・ゲセリットと、各組織との対立構造と思惑が1作目より更に深掘りされて見えてきた
こういう組織の構造はSWに影響与えていそうだし、土着の民と
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

part2鑑賞に向けての復習。

これまでの過去作は未鑑賞かつ原作未読なのでかなり設定等理解するのが大変だった
専門用語が多く、ネットで調べて腑に落ちること多々あり
原作小説がナウシカなどにも影響を与
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ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)

3.9

アマプラのレンタルで鑑賞。

以前鑑賞した『西部戦線異常なし』では、恐ろしい数の若いドイツ兵たちが犬死にしていった
こんなこともう二度と…と思いたかったけど、この戦いではさらにその数を上回る死者を出し
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

IMAXで鑑賞
映画体験として、マーベル映画がジェットコースターならこの映画はお化け屋敷とでも言おうか…
緊迫した空気に、あくまで現実を追求した爆発の表現
ただただ圧倒され畏怖の念が湧き上がり、鳥肌と
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

長いかなと思ってたけど全然だった
裁判でのシーンが特にあっという間に過ぎ去ったのは、様々な立場の人々の証言を夢中で聞けたからかな
裁判が真実を暴くものではない
事実や状況やから限りなく近く人々の納得が
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

辛すぎる
これが現実に起きたという事実を突きつけるために効果的なあらゆる手を尽くされている感じ
ずぶりと突き刺さる
今作の監督はドイツ人
インタビューで彼はアメリカやイギリスといった戦勝国は戦争を勝利
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.3

鑑賞は2回目
たぶんこの作品を初めて観たときに、ああ親も人間なんだなって気付けた
親とちゃんと話をしようと思うきっかけになったとも言える
何故かこうやってふとみなおしたくなる

そばかす(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

かなり好きな作品
三浦透子さんが好きだし、自然体な彼女の演技を観ているのが心地よかった
彼女の生き方を否定も肯定もせず、彼女のように感じる人もいるということを知ってほしいだけという押し付けがましくない
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.2

ずっと議論しているだけなのにずっと目が離せない
最後に名前を聞くシーンがあって初めてそうか名前も知らないんだ、と気づくぐらいこの映画では色んなものが削ぎ落とされてる
突き抜け方が潔い
一人一人の主義主
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.9

冴えない汚職中年刑事の岡田准一
アクションになるとキレキレなのでかっこよさが漏れ出てしまってる
金のためならなんのそのサイコパス綾野剛
イライラマックスからの泣き顔で「感動した」は余りにも自然で…慣れ
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.3

映像へのこだわり方が尋常じゃない…
ワンショットワンショットがポスターになりそうな完璧な配置になっているし、光と影の使い方が上手すぎる
家のTVで観るには惜しい作品だったなあ…黒がはっきり見えるという
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モーターサイクル・ダイアリーズ(2004年製作の映画)

4.2

すごくよかった
若き日のチェ・ゲバラの話ということで政治思想の話に踏み込んでいく感じかと思ったけど、あくまでゲバラの成長物語に重点が置かれていてバランスよくみやすい映画に仕上がっていた
ロバートレッド
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

初めて観たけど、何度か観直して味が深まる作品ぽい
聖書のくだりの字幕が脳内で咀嚼しきれずに流れ去ってしまった
とはいえ色んな登場人物各々の人生模様を覗き見れる感じが浅すぎず深すぎず本当に丁度いい
会話
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

多くを語らぬトラヴィス
長い間会っていなかった元妻とマジックミラー越しに対面して凸凸と語り出すシーン
遥かに厳しい道を歩んできたトラヴィス
それでも自分が子どもを育てるという道はなく、また何かから逃げ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

自然の美しさが生々しい生活と隣り合わせで映し出される
すべてが相まって美しいと思う
物語もまた、男たちの友情について最後まで見守りたくなる
優しい心遣いを見ていると癒される
冒頭のシーンをラストまで観
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田園に死す(1974年製作の映画)

3.6

頭がおかしくなってしまいそうで、あまり好みではなかった
親子に作り手と作品の関係も重ね合わせていたような
文脈を追いきれた自信がない
字幕が欲しかった
物語より映像が頭を占拠していく感覚がちょっと恐ろ
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

よくわからなかったというのが正直なところ
聖書をよく知ってたら物語も追いかけられたんだろうか
家族が1人の青年によって狂わされていくわけだけど、狂うというか一種の解放のような感じもする
その解放が一体
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スケアクロウ(1973年製作の映画)

4.2

午前十時の映画祭で鑑賞
オープニングからよかった
先の見えない道でヒッチハイクする2人
プレゼント箱を持った愉快な青年と重たげな旅行鞄を持った不機嫌そうな中年男
最初は警戒心MAXの中年男だったけどマ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

めちゃくちゃよかったな…
性描写はR18納得。という感じではあるから一緒に観る人を選ぶものの、観終わった後に語り合いたくなる
予告編やポスターから感じ取れるダークファンタジー感はたしかに前面に出ている
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.2

35年間母親に軟禁されて外へ出ることなく大人になったバビー
蒸発した夫の帰りを待ち続ける母親も忍耐の尾が切れたようで、愛する息子に夫の役割も持たせながら歪み切った愛情を注ぎ続ける
そんな2人の元に蒸発
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.7

世間で生きるなら独身でいることは異常で、独身社会で生きるなら恋に落ちることは罪
しかもパートナーとなるのは嘘偽りのない共通点を持つ者同士であるべきみたいな思想がある
互いに違うことを尊重しあうのではな
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街のあかり(2006年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなに惨めでも逞しい
そして美しい
悪い奴らに食い物にされても希望の光が宿った瞳が印象的
まっすぐで夢見がちな彼をそっと見守る屋台の彼女の眼差しもまたよきかな
黒人の男の子の心配そうな目も浮かんでく
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インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

キルステン・ダンストって子役のときからすごかったんだ…
「老いない」ヴァンパイアも子どものままだと「成長できない」ということになる
複雑な役柄だけど本当に中身大人みたいに見えてくるからすごい

人の感
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

カウリスマキ監督作品の中でも『マッチ工場の少女』に次いで好きな作品かもしれない
大人の恋模様と生活の厳しさの描写がリアルで、、ごみ収集人なんて一緒にいるの恥ずかしいの境地だったからこそ、若くて金持ちの
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

観たことないシーンの繋ぎ方が1番印象に残った
たぶん私の気づかないところで細かくモチーフや色の小ネタを仕込んでいそうな感じがするのでもっかい観たらもっと楽しめそう

ラストの「海の深いところに捨ててく
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いつものメンツ、ではないけどいつもの空気が漂っていた
状況だけ拾っていくととことん絶望的なのになあ、不思議
カウリスマキマジック
夜は明けるし、また人を信じて笑えるようになるさ
チャップリンと名付けら
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