止めどなく彼の半生が観客に叩き込まれていく。そうか、僕たちをこの止めどなく、途方なき核のある世界に叩き込んだのは彼なんだと。
オッペンハイマー、煩悶に煩悶を重ねた先に希望はあるのか。今を生きる人類に託>>続きを読む
記録映画っぽい感が拭えない。もう少し物語が欲しいところ。
よくある日本悪、勧善懲悪な展開はなく、日米軍人双方への敬意を感じることができたところは好感。
もはや日常と化してしまったコロナ渦における人生の速度は早い。二人の自然体、等身大の日常の映し出し方が秀逸。
淡々と過ごすしかない日々の中で、ふと、あの頃が愛おしく思う瞬間がある。
どうして、大切な、愛>>続きを読む
空想、人間が生み出す最も崇高なもの。空想とは全ての出発点であり、それに人間の叡智と技術を結集し物語として仕立て上げる。空想が見る見ると形になっていく様に没入するではないか。
特撮に懸けた先人たちへのオ>>続きを読む
これは驚き、怪作であり王道。
庵野秀明という特有のフィロソフィー、イズムの原点を目の当たりにした。すごいよ!
文明の荒廃と人心の乱れ、ゾンビは無いにしても絵空事と言い切れるのだろうか。
21世紀もまだまだ序盤、またまだやり直せると信じたい。
抑揚が効かないというか救いようのない感じが見ていて辛い。
他人と分かち合えるって高尚なことなんだなと。
沢口靖子(新人)。
もう、これだけでこの映画は際立っとるというかお宝なんやろうね。
相変わらずの狂烈さ。やっぱり全員狂っとる。今回は全員バランス感覚失っとった。
これでは最後に何も残らない。
漂う昭和の薫り。ちょうど自分が生まれた頃の雰囲気はこの様なものかと。
津軽の山並みが美しい。男は強くあれか、最近聞かないな。武田鉄矢の趣味全開の物語ではあるが、人情物、やっぱりいいね。
一風変わった最恐刑事の物語。男の価値が情の深さで決まる時代。隔世の感とはこのことか。汽笛の音で劇終、もう取り戻せない哀愁がある。
平成を生きた人々をしっとりと丁寧に描いた佳作。同時代を生きた身としては、あぁこうだったなぁと思える。
「背負う」という言葉が似合う時代、個々に背負うものは違えども、みんなそれぞれに結ばれてほしい。織り>>続きを読む
天才数学者と称される主人公、最後は数理でなく情理に突き動かされていく様が印象的だった。
数理的な戦術無き先の大戦。条理的な楽観論、精神論で展開される戦争の先には破滅しかなかった。
不沈戦艦と呼ばれた大>>続きを読む
昭和の邦画は標題からは想像のつかないところに行ってしまう。この『結婚相談』もそのひとつ。
時代背景に潜む生きづらさ、結婚という価値観をベースに物語が進んでいく。
キュートな印象が強い芦原いづみの深淵な>>続きを読む
「殺しはいけないこと」という言葉が抽象化してしまう不思議、これをロマンスに仕上げて良いものなのか。
テーマの是非を考え込むと、カッターの刃のようにスパッとはいけないようである。なんで爽やかな映画なんだ>>続きを読む
映画っぽくないというか、どこかNHKスペシャルのような趣き。それほどリアルな描写を追求しているんだろう。
瀬戸際の日本。国ひとつが存亡の危機に追い込まれる事態はそうそう無い。
瀬戸際に立たされた英雄た>>続きを読む
コロナが浮き彫りにしたデジタル後進国日本。
今後遅れを取り戻すかの如く急速に社会のデジタル化が進んでいくのだろうか。
人間の全部を「何か」に委ねる恐ろしさ。
肝の部分にアナログ、すなわち人間の主体性、>>続きを読む
自治を本懐とする大学が合意形成を放棄することが嘆かわしい。
温床の無い世の中に人間の幸福は存在し得るのか。
学生と大学当局との対立から問題が提起されることが悲しくて仕方ない。
エンディングで大学のジ>>続きを読む
なまはげは鬼ではなく神様とのことだ。
人間は間違いを犯す、間違いを起こさない人間なんていない。いたとすれば人間ではなく神様になってしまう。
生きるということは修行なんだと。神様が与えてくれた試練なのだ>>続きを読む
図書館の自由、それを守るための図書隊、検閲抗争、原作を含めこのシリーズを観ていてつくづく思うことは空想の世界で描かれた設定の勝利であること。
思想の自由という人類にとっての崇高な理念、何かを守ることの>>続きを読む
家を売るとき、買うとき、想起される思い出たち。
どれも生きてきた証なんだと。
夫婦の絆の描かれ方が素晴らしい。
実は今、家を探している。
かけがえない新たな暮らしの始まり。
二人のように真剣に、優し>>続きを読む
一度死んでみないと気づかないことがあるらしい。言葉にしないとわからないこと、本当の気持ち、死んでから後悔しないように、生きている間にちゃんと伝えておきたい。
やたらと出てくるチョイ役が豪華 笑
ノリ>>続きを読む
産む側、育てる側、二つの人間模様をしっとりと朝靄のように混交させていく。
人生の悲喜交々を深く感じる様に、
終始、光りが印象に残る作品。
オープニングから和泉雅子と山内賢が歌う『二人の銀座』に心を鷲掴みにされた。
モノクロの中で躍動し歌うジャッキー吉川とブルーコメッツや尾藤イサオの姿に熱狂しリズムする若者たち。当時の若者たちの生き生きと>>続きを読む
この国のトップは、自助、共助、公助という。どうやら公助は最後の最後らしい。
まずは自助というが、自助能力が剥ぎ取られている人々は自助はもちろん、共助、公助へと繋がる知恵と術を失っている。
支え合いがで>>続きを読む
「どうしても」という時や選択が誰にだってある。どうしても気になる、どうしてもしてしまう、どうしても駄目だった…
その都度、人間は正しくもないし、間違ってもいない。
障がい者と健常者の情愛を通じた嘘偽り>>続きを読む
痛快!小粋!最高!小気味よい!!
ムリ、ムラ、ムダのないストーリー展開、ジャンルの枠に収まらない、全キャストが繰り広げる小気味よさ全開の丁々発止のやりとり。いやぁ、とんでもない快作に巡り逢いましたよ>>続きを読む
子どもが欲しい。
この神様しか差配できない授かりものを賜るためにひたむきな努力を繰り返す夫婦のお話。
不妊はどちらかの性の問題ではありません。両性に関わる大事な問題。
共に乗り越えていく姿、美しい桜>>続きを読む
女も男も、堅気もそうじゃない人も、皆たくましい。こうしたたくましく生きた無数の人生が戦後の日本を築き上げてきたんだと。
東京に勤めていた頃、職場が東陽町にあった。
昔、洲崎と呼ばれた地である。
洲崎>>続きを読む
前半はロマンスの最高潮を魅せて、後半では人間の業の深さを顕にする。
この対比が実に物悲しく、まさに哀愁という邦題を物語っている。
劇中随所に流れ続ける「白鳥の湖 情景」と「別れのワルツ(蛍の光)」、>>続きを読む
夫婦という関係は信用、信頼、実績、何でも話せるようになりたいというのは理想なのか。
関係が壊れそうになる時のスーッと引いていくような感じが嫌だ。
夫婦の話とラブドールの件りとが若干とっ散らかっている感>>続きを読む
脳内に矛盾を抱えながら生きていくことは辛い。過去の事が無性に情けなくなり、未来の事が怖くて仕方がない。
誰しもが私をくいとめてほしいと思っている。
私だけじゃない、そう思うことで少しは楽になるけど、そ>>続きを読む
まさかこれを映像化する阿呆がおったとは…
トンデモ設定にも関わらず京都に集いし学生たちのメタファーであり、既視感すら感じてしまう摩訶不思議のファンタジー。
本作では栗山千明のキレのある所作を刮目して見>>続きを読む
お葬式でこれまでの家族のあり様が剥き出しになるところとか、大切な人が亡くなった時に正しく在りたいというか妙な罪悪感を憶えてしまうところに納得。
家族ってこんなもんというか、どうしようもないところで留ま>>続きを読む