創り手や出演者の熱が伝わってくる。そして、返還前の沖縄の熱も伝わってくる。沖縄の人にしか創れない沖縄の映画。素晴らしい。
ブラジル発のホラーを創ろうとして、自分の想いや趣味嗜好を入れ込みすぎて低予算で創ったら、ホラーコメディになってしまいました映画。とても良い。
とてもとても可哀想なドラキュラ伯爵の話。とにかく、ドラキュラが酷い目にあいまくり。最後は涙なしには観れない。
車とエロスは親和性が高い。そのため、やたらめったらモザイクがかかる映画になってしまった。
個人的な大好物のウディアレンとクリスティーナリッチの組み合わせなので、出来云々の前に全面的に肯定してしまう。大好きな作品たが、映画の出来としては中の上くらいか。
チャウシンチー監督と言えば、少林サッカーやカンフーハッスルが有名だが、個人的にはこの食神のギャグの畳み掛けかたや細部までこだわったB級感がいとおしくてたまらない。
可哀想な邦題をつけられた傑作ゾンビ恋愛映画。ゾンビ映画と言いつつ、グロ要素はほぼなく恋愛要素が強い。そして死者を愛した顛末は、ひたすら哀しく美しい。
クスタリッツァ式の恋愛映画。ありとあらゆるジャンルを含有していて、映画そのものが人生になっており、ミラクルになっている。
記憶を失った男の物語を、アキカウリスマキが、遠くから優しく見守っているような演出で、淡々と描いている。主人公にゴリゴリ寄り添うばかりが演出ではない。
伝えたいこと表現したいことは素晴らしいのだが、作品として伝えられているかと言うと、伝えられていない。
ケンローチ監督による善人がとった行動が、悪循環を呼び不幸に突き落とされる様を描いた作品。
メルブルックス監督の、ヒッチコックに捧げたパロディ映画の名作。パロディの常として元ネタを知らないと面白さが半減するので、ある程度ヒッチコック作品を観ている人向け。
九月の冗談クラブバンドの長崎監督が創ったとは思えない程酷い出来のホラー。夏川結衣と栗山千明が美しいということしか印象に残らない。
デビットリンチが、自分の頭のなかをさらけ出し、リンチイズバックと称えられたロストハイウェイとマルホランドドライブの間に撮った、ハートフルなロードムービー。
反戦映画の傑作。戦闘や戦場をあまり描かなくても戦争の愚かさや人間の尊厳や強さや脆さは描けるという教科書。
まあまあ練られた話を、自己満足的表現とおしゃれ風撮り方とシュールな装飾でまとめあげた、観る人を選ぶ映画。
C級ホラーの迷作。基本観客は置いてけぼり。
設定がぶっ飛んだシリアスコメディ。観る人によっては、シリアスのみを受け取ってしまうので、客を選ぶタイプの映画なのかも。
テリーギリアムらしいかっとんだ寓話の実写化。振り切っているところも笑いどころになっている。
片岡鶴太郎と秋吉久美子と風間杜夫のパートは名作、名取裕子と風間杜夫のパートは駄作。
ラースフォントリアー監督によるロックで薄めたけど濃すぎる鬱映画。ベスのことを想うと心が落ち着かなくなる。
クリントイーストウッドに頭をぶん殴られた映画。見終わったあと虚しさと悲しみに包まれる。
ドイツの伝承実話の映画化。とても興味深い話を、ヘルツォークが美しい映画に仕上げている。
ブニュエル節全開の不条理喜劇。理論立てて理解することは不可能なところはロストハイウェイと同じだが、作品に知性が感じられるのは、ブニュエルの老練さ故か。
エロサスペンスの怪作。丁寧に伏線を張っているわけではないので、ラストに向かうどんでん返しの連続は、理解しようとするとおいていかれる。
たぶん映画全体の半分も理解できてないと思うが、リンチの頭の中をそのまま具現化したような、難解だけれども心地よい作品。
人間が壊れていくってこういうことなんだと震える。カサヴェテスの荒いけど人間に寄り添った演出とジーナローランズの神がかった演技が凄みを感じさせる。
昔、映画館で観て腰が抜けるほど衝撃を受けた。ビリーワイルダーの手練れの演出とマレーネデードリッヒの演技力に圧倒された。