はんそく負けさんの映画レビュー・感想・評価

はんそく負け

はんそく負け

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

2.0

なげーなげー旅の果てに明かされる事の発端がしょーもなくて落胆。こんなことに付き合ってたのかと。それまで良かったところも全て帳消しである。あんな問答と安易な長回しで感傷的になれと言われても無理。

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

4.3

永野芽郁と高橋文哉がイヤホンを分け合って音楽を聴くショットで一気に引き込まれる。25歳という設定でこんなにプラトニックな空間を作り上げることができるのは、「あ〜、見たことあるような…」という青春映画の>>続きを読む

告白 コンフェッション(2024年製作の映画)

3.0

韓国映画趣味。襲う/襲われるの関係がちょくちょく入れ替わったり、それが目撃する/されるの関係ともリンクしていたり。狭い山小屋をぐるぐる回ってるだけな割には手数は多かったと思う。曲がってる首をゴキッと戻>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.0

どうにもアニャ・テイラー=ジョイは映画向きの俳優とは思えないが、少なくともこの映画が勢いづくのは彼女が登場してからだし、欠損が様になるから起用されたのだろうなと思う。でもお話も配信ドラマ向きな気がする>>続きを読む

喝采(1929年製作の映画)

3.0

マムーリアン、脚フェチでしょ。他の映画でもやってたが、今回はショービジネスの話なのでここぞとばかりに脚ばっか映してる。
フラー・メリッシュ・Jrがビジネスのために結婚するちょ〜嫌な役で画面ぶん殴りたく
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馬鹿が戦車(タンク)でやって来る(1964年製作の映画)

4.3

ムラ社会の陰湿さにじむシナリオだが、ハナ肇主演なら陰湿になりすぎない。前作では田舎娘に見えなかった岩下志麻も今回はバッチリ。すごいなぁ。白痴役の犬塚弘も抜群の存在感で、役者の采配に唸る秀作。

いいかげん馬鹿(1964年製作の映画)

2.8

前作より喜劇成分は控えめで郷愁に重きを置いている。悪くはないが、ハナ肇のダイナミックな動きというのが少なくなった気がする。ラスト、露天商として売り文句を謳うハナの前から立ち去る人々。都会の冷淡さを後味>>続きを読む

ジキル博士とハイド氏(1932年製作の映画)

2.8

ジキル博士の前ではヴァンプとして、ハイド氏の前では抑圧された妻として振る舞うミリアム・ホプキンスを堪能する映画。脚を振り子のように動かすオーバーラップ長いし怖すぎ!

馬鹿まるだし(1964年製作の映画)

3.2

もうこれは誰が見たって笑ってしまうであろうというシーンの連続だが、命の恩人であるハナ肇のことをすっかり忘れて大人になった少女、というラストに「戦後」というものへの批評的な眼差しがある。

デスノート Light up the NEW world(2016年製作の映画)

2.5

珍しくこれは微妙なのだけれど、「人間と神」「記憶喪失」って要素が使えるなら「三人の男の群像劇」という要素を加えて『仮面ライダーアギト』を想起させるあたりライダーフリークすぎる佐藤信介。

L change the WorLd(2008年製作の映画)

3.0

『デスノート』の世界観を期待していると、全く違うハリウッド志向の映画がお出しされるので好みは分かれると思う。L以外にFとかKとか出てくるのはサムいスパイ映画という感じだが、たぶん電子レンジ的な仕組みで>>続きを読む

DEATH NOTE デスノート the Last name(2006年製作の映画)

3.8

再見。前作に比べ映画的な気迫はなくなったように思えるものの、コミカルさ含めバランスはこちらの方が良い。戸田恵梨香もかなり身体を張って監禁されているが、片瀬那奈の腕や太腿の肉感はそれよりエロチック。捜査>>続きを読む

DEATH NOTE デスノート(2006年製作の映画)

3.3

再見。ポテチの仕込みはカッコいいけど理屈がわからないとずっと思っていたけどたぶんリュークにやらせたのだな。リュークが物体を通過できることだけ度々映して説明を終えている、というのが非常にクールだと思った>>続きを読む

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

4.0

タイトルの出方がむっちゃカッコいい。その後も庵野映画よろしく場所や年月日が表示されるのだけどいちいちかっちょいい。子どもを窓から落とそうとする(逃すために)際にキャメラが外に出て引きの画に切り替わると>>続きを読む

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

3.8

やっぱり湿っぽくなってしまうのが惜しいところだが、鏡を用いた空間の捉え方等密室劇にもかかわらずしっかり面白い。飯塚健は丁寧に丁寧に紡いでいくんですよ。あとはキャスティングが絶妙にいい線ついている。重岡>>続きを読む

街のあかり(2006年製作の映画)

3.8

再見。こんなに暗かったっけか。上向きこそすれ結構苦い結末に面食らう。ユーモアも少ない。そういう点でブレッソンに最も接近した作品なのかもしれない。また『めまい』でもあると思った。2ヶ月で仮釈放できるはず>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.8

痕跡の映画。鹿の足跡、食べ跡、死骸もすべてそこに居たことの証明。車の背面視点のキャメラも通ってきた道を映すわけで、終盤、痕跡を探すことになるのも道理であるのだと思う。さて、「手負い」の渋谷采郁の闘いや>>続きを読む

脱出(1944年製作の映画)

4.0

船乗りボギーとドロレス・モランとの切り返しに見惚れているとバコールが登場して上品に嫉妬する。ツンデレ、、。

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.0

今度はロードームーヴィーキャンセルにはならないけどずっと終わらないというパターン。白人の案内人と原住民、どちらを信用すべきかという話になっていく。疲れ果てて半狂乱に陥るゾーイ・カザンの絶妙にムカつく顔>>続きを読む

バグダッドの盗賊(1924年製作の映画)

2.5

前半、ダグラス・フェアバンクスの運動神経を活かすための巨大なセットと縦構図が、むしろセットであることを際立たせて空間を狭く感じさせる。要するに演劇をそのまま撮ったように見えてしまう。
後半は合成マシマ
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三つ数えろ(1946年製作の映画)

3.0

46年版。ホークスの映画は切れ目がなくてヌルヌルしてるので、単にモテ仕草だなというシーンも、それと認識するのにちょっと間ができる。

大いなる幻影 Barren Illusion(1999年製作の映画)

4.0

フィックス長回しかと思えば人物の移動に呼応してキャメラがパンしたりする。物音・飛び降り等全てフレーム外への意識。

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.0

実は同じ時間を共有したオムニバスなのだと判明する2話からが面白かった。最初から最後までトラブルに巻き込まれるニコレッタ・ブラスキ(飛行機には間に合ったのか?)だが、エルヴィスの亡霊に出会ったからチャラ>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

2.5

この映画のユーモアセンスは簡単に真似できなさそうというか、ずっと陽気な雰囲気が漂っているのは天性のものではないかと思う。小猿を掴んだままの敵のボス猿を躊躇なくブン殴るコングも、ゴジラが「寝床」に戻って>>続きを読む

キングオージャーVSキョウリュウジャー(2024年製作の映画)

2.4

併映同様爆速で進むのに中盤ダレるので演出力の差が見えてしまう。アクションは面白いから別にいいのだけれど。あとはやっぱしまりえが帰ってきてくれて嬉しいよ。他のみんなもたまには帰ってきてよね。

キングオージャーVSドンブラザーズ(2024年製作の映画)

2.2

もうヤケクソになって爆速で進行する序盤はかなり好感触で、加藤演出の堅実さが光る。メタ的に思える言及以降失速。

喜劇 にっぽんのお婆あちゃん(1962年製作の映画)

2.5

ぶつかってきたチンピラにブチギレる北林谷栄の顔。鬼気迫る顔とはこのことだと思う。浦部粂子・東山千栄子の丁寧な皮肉屋コンビもマジサイコー。
画面がネガに転換し回想に入る。老人ホームでの社交ダンス。当人た
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異人たち(2023年製作の映画)

3.0

夢なのか意識なのかあの世なのか、ハッキリとはしないが「そちら」へ行く手段としての列車。ゲイであるゆえにいじめられていたアンドリュー・スコットが、父に問いかけるクロース・アップ。からの切り返しで二人が同>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.5

たとえば犯罪映画で牢屋に囚われた人間が「出してくれ〜」と鉄格子から手を伸ばしてくるようなシーンを犬で変奏してみせる。フェンス越しの別れもやはり刑務所映画的。あ、ロードームービーはもちろんキャンセルされ>>続きを読む

月の輝く夜に(1987年製作の映画)

3.8

粧し込んだシェールとニコラス・ケイジがオペラ劇場の前で互いを探し、ようやく顔を合わせる。この焦らし方!観劇後、ケイジ宅前で話す二人。徐々にボルテージが上がっていく。ここの切り返しもたまらなく良い。

リトルショップ・オブ・ホラーズ(1986年製作の映画)

2.6

サディストで痛みを与えるのが得意だからーーー歯医者になったのさ!と歌い踊るスティーブ・マーティンが一番面白い。

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

2.5

再見。海、石油、大雨と濡れる場面の多さ。しかしネズミやヘビでは虫の気持ち悪さには遠く及ばない気はする。そしてやっぱしショーン・コネリーのベストかも。

2022.8.26
ショーン・コネリーがかわいい
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.2

再見。横たわる身体とコンテナ住居。暴漢はマルック・ペルトラに凶器を振り下ろすが、友人のユハニ・ニユミラは板っぺらを横に大振りする。やはり横の流れがある。
帰宅して、ラジオをつけるとロックンロールが流れ
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プリシラ(2023年製作の映画)

2.4

もう手癖で撮っているような円熟みは感じられる。大体わかるでしょ?って感じで主に感情の部分をバシバシ端折ってくし、ロケーションもわりかし少ない。

我輩はカモである(1933年製作の映画)

2.5

ごく当たり前のように戦争が始まるのはまだ分かるけれど、開戦に際して歌い踊るのにはちょっと恐怖を感じた。援軍が来るとなっていろんな乗り物や人、果ては動物が走ってくる映像を繋いでしまうヤケクソ編集にはさす>>続きを読む