iroiroさんの映画レビュー・感想・評価

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ベルリン・天使の詩 4K レストア版(1987年製作の映画)

3.8

ずいぶん前に観た映画、でも天使がじっと地上の人を見ていたモノクロの場面しか覚えていなかった。午前10時で上映で、再チャレンジ。今回もセリフに含まれているだろう深いところは、やはりわからなかったけど、街>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

恥ずかしいけれど、オッペンハイマーって良く知らなかった。ユダヤ人の名前ということも…。アカデミー賞で話題になっていて、ちょっとわかりにくいかも…日本における原爆の悲惨さを描いていないなどの前評判も知り>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

3.7

「異人たちの夏」とても懐かしい。片岡鶴太郎、秋吉久美子の夫婦と風間杜夫の息子、一緒にすき焼き食べる場面をよく覚えている。山田太一の本も持っている。リメイクかぁとちょっと見るのをためらったけど、評判が良>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー脚本賞で話題になっていて、観に行った。夫は何故亡くなったのか?何故、妻とのやり取りを録音していたのか?妻は、夫のことをどう思っていたのか?殺したのか?そして、視覚に障害がある息子は、何を見た>>続きを読む

海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版(1998年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

少し前に「モリコーネ」の映画を観たので、本当に映画にとって音楽は大切だし、音楽とともに画面が心に残る。やはり劇場で観ておきたいと思った。確かずっと船で暮らした男の人の話だったなぁというくらいの予備知識>>続きを読む

愛と哀しみのボレロ・完全版(1981年製作の映画)

3.8

ボレロの曲とダンサーが踊っている場面を予告で知っていた。それだけで、なんだか興味深い作品。でも3時間…、観ていなかった。ようやく、午前10時の映画祭で鑑賞。夫婦も親子も時代や、運命に振り回され生きてい>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

この監督の「女王陛下のお気に入り」がとても好きだったし、エマ・ストーンも魅力的だった。わくわくしながら、観に行った。期待通り今回も独特のカメラワークとまっすぐ前を向くベラの美しさに釘付けになった。この>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.7

和歌山市にミニシアターができた。一度、行ってみたいと思っていたら、枯れ葉が上映されていることを知り、観に行った。本当に小さな部屋だったけど、きっと映画好きなんだろうっていう感じの人が平日にもかかわらず>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

役所広司、ヴェンダース監督だから成立したんだろう。「平山」は、朝起きて、布団をたたんで…ひたすらトイレを磨く。ところどころで人との関わりが描かれるが、人との関係は深くは掘り下げられないまま東京の景色と>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

3.7

やはり、ちょっと難しかったというのが正直な感想だが、町山さんの解説付きだったので、何とか理解できたようだ。
映像の光と影、色彩、女優さんの美しさ、色っぽさ、全体的な退廃的印象。主人公のどちらにも行けな
>>続きを読む

ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

3.9

コメディなのに、めちゃくちゃ面白かったのに、最後のつづくの文字を見ながら、泣きそうになった。自分でも何故だろうって不思議だったのだけど、後から振り返ると、確かに面白かったのだけど、ワンオペ育児、多様性>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.8

この映画を観に行っていいのかとずいぶん迷った。出演している役者さんは、みんな好きで石井監督の作品も好きだ。でも、三十年障害児たちと関わっていた私にとって、やまゆり園の事件は、自分の足元がぐらぐら揺れて>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

関東大震災から100年、朝鮮人虐殺。大災害が起こった時、私はどうなるのだろう。人として生きていくことができるのだろうか?人種、性別、部落の差別を人間の集団心理の怖さを真正面から描いた力作。権力をバック>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

名作というのは、こういう映画の事をいうのかもしれない。アナを演じた少女は、今はどうしているのだろう。スペインの映画を観たという記憶はほとんどなかったが、この映画の題名は知っていた。分かりにくいのかもと>>続きを読む

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

4.0

午前十時の映画祭、4時間だけど思い切って鑑賞。さすが名作。砂漠の景色、人、ラクダ、馬、なにもかも想像を超える迫力。自分も砂漠にいるかのようにカラカラになった。もうこんな映画、二度と作れないだろう。ロレ>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

筒井真理子さん劇場、なるほどでした。夫、息子、更年期、ご近所トラブル、パート、介護、新興宗教、障害者差別…そして震災!色々なものをぶち込んでそれでも水の音と妖しい手拍子で物語は進んでいく。出ている役者>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

大好きな坂元さんの脚本、たった一人のために書いたとのコメントがあり、是枝監督、坂本龍一さんとのコラボ、ずっと楽しみにしていた。瑛太さん、田中裕子さん、高畑充希さん、角田さんなど今まで坂元作品で活躍して>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

ちょっとホラー?みたいな思い込みもあって、ずっとドキドキしながら、突然聞こえてくる音にも気持ちをわしづかみにされながら最後まで目が離せない。なんと言ってもケイト・ブランシェット!演技なんだけど、もはや>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.7

いよいよ、自分の人生が終わる時、何を考えるのだろう。どうして、あんなことになってしまったのだろう。自分で自分の身体がままならない。あんなになるまで、なんとかできなかったのかと言うのは私が他人事だからか>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.9

イギリスの風景がとてもきれい。登場人物もみんなイギリス!っぽくって、日本の映画のリメイクなのに、どっぷり英国の世界観に浸れた。それでも黒澤をリスペクトして制作したのだろうということもなんだか伝わってき>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

3.8

新聞は良く読むので、世の中の出来事もある程度知っていると思っていたが、Winnyの事件は正直ほとんど記憶になかった。当時、忙しかったというのは言い訳だ。ITに関心がなく、ついていけていないのだ。金子さ>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.5

主人公は、もちろん良かったし、見守る両親、映画技師、友だちもいい感じ。ただ、ストーリーは、なんとなく先が読めてしまったのは、残念。今さらだけどインド映画は初めてで、映画がフィルムで上映されていた頃のこ>>続きを読む

ヘアー(1979年製作の映画)

3.8

ミュージカルは、食わず嫌いでほとんど観ていなかったのだけど、監督はミロス・フォアマンだし、反戦みたいだし、今見逃したらもう観る機会もないかもと思った。上映最終日に駆け込んだ。
アメリカにおいてベトナム
>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.2

ドキュメンタリー、正直モリコーネの名前も知らなかった。でも、予告を見たら好きな映画の映像もあるし、評判もいいみたいだしと観に行った。すごい。映画の歴史みたい。懐かしい映画と共に甦るメロディ。音や楽器、>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

話題になっていたので、出かけた機会に思いきって観た。岸井ゆきのは、ろう者の役なのでほとんど台詞はないのだけど、表情で魅せてくれた。ボクシングも全くわからないけど、ずいぶん練習したように私には思われた。>>続きを読む

蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

4.0

画面の美しさに圧倒された。三船敏郎もあまり好きではないタイブなのだけど黒澤明の映画には欠かせなくて、凄い存在感。彼でなければならなかった。
すべての画面の細部までこだわったのだろうと思われた。人、馬、
>>続きを読む

宮松と山下(2022年製作の映画)

3.9

和歌山では、今のところ封切り予定はない。たまたま出かけた大阪で鑑賞。大阪は、観たい映画がいっぱい。テレビから香川の姿を見なくなったが、映画が公開されたことを嬉しく思う。最近の香川は、半沢以来ちょっとや>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

登場人物は、みんな複雑な人生を抱えていて、生きにくい。全体的に深いテーマを押さえた演出で描いていて、好感が持てた。中でも殺人犯の息子としての人生は想像できないけど、窪田さん、やりきれなさ、切なさをうま>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

4.0

昔、確か観たはずなのにロシアンルーレットの場面しか覚えていなかった。結婚式や鹿の場面さへすっかり抜け落ちて、メリル・ストリープが出ていたのだとびっくりしたくらい。戦場の場面になり、ロシアンルーレットの>>続きを読む

アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)

3.8

わりと、軽く観れる映画かなと思って行ったのだけど、思っていたよりずっと重いテーマ。安倍さんの上手さは相変わらずで、女優さんも宮沢りえさん、満島ひかりさんと登場して贅沢な映画。松下洸平もいい感じだった。>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

フェリーニの81/2、有名な作品だけど、観ていなかった。若かった頃リバイバルで観た「道」「カリビアの夜」は、とても好きだった。比べると、今回はやはり分かりにくかったし、途中寝落ちしてしまいそうになった>>続きを読む

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

3.9

男同士の友情、恋愛?と思いつつ観に行ったのだけど、なかなか切ない、記憶に残る映画になった。映像もきれいだし、車の中で流れる音楽も、いろんな場面で見せられるカクテルも効いてる。
白血病も決してお涙ちょー
>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

これが是枝の映画、という感じでした。どこでこんな子役探してきたんだろうと思われる、役に溶け込んだ少年、誰も泣き叫んだりしないのに、台詞と表情に観ている方が胸が痛くなるような画面の連続、そして、後はあな>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.9

75歳になったら、自分で生死を選べる政府のプラン75 、近未来の話だけどもしかしたらそんな世の中がやってくるのではないかと思える高齢化社会、少子化…。倍賞千恵子って寅さんのさくらのイメージガ強すぎて>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

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殺人犯、阿部サダヲ…、小説を読んですごく怖いけど、観てみたいという気持ちが強くなった。観るに耐えない場面も多かったが、ラストの描き方は秀逸。冒頭と最後の繋がりも不気味さが増幅して観た後も気持ちがざわざ>>続きを読む

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