しおのさんの映画レビュー・感想・評価

しおの

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バービー(2023年製作の映画)

2.4

グレタ・ガーウィグのフェミニズムについてのバランス感覚は信頼できるものがあり参照すべきものもあるとは思うしこの映画でもそれは発揮できていたと思うのだが、本作のコメディ部分がわたしには全く刺さらず、バー>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

2.8

メルヘンチックな大人のお伽噺という体の映画で父権を風刺した風のお話だったか。設定自体がけっこう面白くて引きも良かったがシナリオ的にはなにか常に違和感を覚えるものがあった。あえて不快な描写を突き付けるこ>>続きを読む

透明人間(1933年製作の映画)

3.1

同じユニバーサルの怪人映画フランケンシュタインと同じ監督で異端者の悲哀を裏テーマとして描いているのも似ている。それを表すような豪雪のなかを謎の男が歩いているという冒頭から雰囲気がいい。ただストーリー的>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

2.3

冒頭から潜入捜査官が潜入捜査中であることを大声で叫んでピンチに陥るふざけたシナリオにエンタメ映画としての期待が高まった。が、結局中盤辺りが面白かったくらいでいまいち盛り上がりきらなかった。前半は設定説>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.3

思ってたよりも村社会スリラーだった。キャラも多く、連続殺人あり、原作の補完も、水木しげるの戦争体験もあり盛りだくさんでこの尺のなかでよく詰め込んだなという気もするし見終わっての充実感もあった。なかでは>>続きを読む

ザ・フライ(1986年製作の映画)

3.2

気持ち悪いと思わせたら勝ちみたいな映画で視覚的にも心理的にもしっかり気持ち悪かったのでそこは充分よくできていたと思う。ストーリー的にはジェフ・ゴールドブラムを陰キャよりの変人にしたことが効いてあとあと>>続きを読む

アウトフィット(2022年製作の映画)

3.4

マフィア物、時代物、シチュエーション物、会話劇物といくつかの形式ジャンルの横断自体がこの映画の独創になっていてそれぞれのジャンルで突き抜けたところはないがなかなか面白かった。心理劇風であるが緊迫感より>>続きを読む

イカボード先生のこわい森の夜/イカボードとトード氏(1949年製作の映画)

2.8

「たのしい川べ」「スリーピーホロウの伝説」という別の話2編で構成。どちらもナレーションで話を進めるのが特徴だが、最後トードに寄り添ってしまったたのしい川べは少し陳腐な結論を提供された感あり。比べてより>>続きを読む

五福星(1984年製作の映画)

3.0

ジャッキー映画かと思ってみたらサモハンが監督のサモハン映画だったか。メイン5人並んだときの絵面の面白さがこれぞ香港クンフー映画。口髭キャラが被ってるのもちょっと面白い。紅一点のチェリー・チェンもかわい>>続きを読む

ビバリーヒルズ・コップ2(1987年製作の映画)

3.0

前作と比べて話の進め方がいまいち。口八丁の使いどころが単調で規模の大きさのわりに事件が淡白にうつる。捜査自体に面白みがなく新味もなかったので同じようなものを繰り返し見せられてるだけという印象。最初のク>>続きを読む

ビバリーヒルズ・コップ(1984年製作の映画)

3.7

アメリカ映画の本領を感じられて見ていて楽しい明るく元気なエンタメ映画。冒頭のカーチェイスシーンから引き良く、外連味のない映像作りも演出も迫真で好み。そしてなによりこの映画のエディ・マーフィーはスターそ>>続きを読む

ミスト(2007年製作の映画)

3.0

胸糞系として有名すぎて構えて見たせいで、なるほどこういう話でしたか、という方が先行してしまった。なにも知らずにみればもっとうわーっと虚脱できたか。有名な映画はさっさと見ておいた方がよい。基本状況作りの>>続きを読む

アナコンダ2(2004年製作の映画)

2.8

アナコンダもう少し明るいところで見たかった。あと中盤のどうでもいいシーンくらいまでの編集が無駄に忙しくて見辛い。前作は見てないので関連性があるのかは知らないが特に問題なかった。止めはみてて声がでたし普>>続きを読む

霊幻道士(1985年製作の映画)

3.3

これが元祖キョンシー映画か。wikiみてみたらわたしが子供の頃にみてたのは幽幻導士シリーズでこれではなかったようだが、見たことなくてもなんか懐かしい。子供が見る映画としてはただ楽しめる良いできだからで>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

3.1

撮りたいものを撮ってる感がよかった。編集も演出もほどよく面白いし俳優もキャラクターもほどよかった。顰蹙かうようなところもあるけど、なぜかだかそんなに悪趣味な気もしない。たぶん全体的にどこをとっても話の>>続きを読む

グリーンマイル(1999年製作の映画)

3.0

話の構成は良い奴悪い奴との対立の話で分かりやすく片付くし、そこに世の中のシステムのせいでグッドメンがグッドマンを処さねばならぬ葛藤のはなしが加わるくらいはまだわかるが、さらにそれら全部を昔語りのスタイ>>続きを読む

RUN/ラン(2020年製作の映画)

2.9

静かだけどさくさく進んで見やすかった。結構露骨に映画シナリオ的なすすめかたをするしママのモチベーションもこれは代理ミュンヒハウゼンとは少し違うような気がして映画キャラクター的。見ているときは少しそれが>>続きを読む

オキシジェン(2021年製作の映画)

2.9

文章にすれば50文字くらいで済むストーリーとそれなりによくある設定をこのシチュエーションにうまく落としこめていたとおもう。リミットににているがそれなりにスペースもありAIの話し相手もいるのでそんなに隔>>続きを読む

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

2.6

原作付きのいかにも原作付きっぽい地味で暗い時代ミステリー映画だった。主人公の過去はただのキャラ付けかと思ったらしっかりミステリーにも関連しているので、全体的に見ればよく出来ていたようにも見えるし、意地>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.0

前作のことあんまり覚えてないし今作でやってることも早すぎて細かいことは結構わけわからなかった。すごい映像もやはり早すぎてちょっとな面もある。視聴体験としてはついていくのに頭がかなり疲れたが不思議と目は>>続きを読む

八つ墓村(1977年製作の映画)

2.9

村の陰湿で閉鎖的な感じがよくでているし過去を紐解いてゆく雰囲気もいいがよくも悪くもどこまでいっても雰囲気映画という感じだった。渥美清金田一のなんの抑止にもならないあたりなんか時代もあるしミステリー面を>>続きを読む

M(1931年製作の映画)

3.0

もう少し娯楽よりかと思ってみたがこれはなんと言ったらいいのか、連続殺人犯物のサスペンスが意外なところに着地しておわったという感じ。捜査物だがサスペンスというほどでもないかな。全体的に各々のシーンを一本>>続きを読む

悪魔スヴェンガリ(1931年製作の映画)

2.3

本旨ではないにせよ人の根本を凌辱するような部分があり受け付けなかった。前半の欲情まみれのスヴェンガリの所作、表情、喋り方どれも悪い意味で気持ち悪くて、ジョン・バリモアの演技がとか富豪の哀しみの暗喩だと>>続きを読む

ロボコップ(1987年製作の映画)

3.6

手は吹っ飛ぶ人は蜂の巣になるというまさかのバイオレンスっぷりでロボコップの名前は知っていたがこんな映画だったとはと驚いた。しかしその荒々しさが近未来の退廃とも合っていて生温いヒーロー物にはだせない哀切>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

2.5

おせわになったキャラクターに死に水をとらせるみたいな映画でこれは微妙なのだけれどなんか良い終わりかただったと思えた。まあ本当に個人的な思い入れに頼った風なのでなんじゃこら?というのと相半ばか。もう無理>>続きを読む

シャークネード(2013年製作の映画)

2.2

何の気なしに見終えてしまった。最初からB級を狙った映画はほとんど見ないのだがこんな感じなのか、編集が雑でやたら見づらかった。誤魔化すためなのかただ下手なのかもよくわからないがこれはこれで笑いどころと言>>続きを読む

悲鳴を上げる頭蓋骨/叫ぶ頭蓋骨(1959年製作の映画)

2.0

ヒッチコックやガス燈になり損ねという感じの低品質サスペンスでいろいろ残念。ホラー映像はともかく脚本でも演出でもどれか他のところでもっと不穏にできたのではないか。キャラクターの配置も設定も小道具も結構い>>続きを読む

アビス(1989年製作の映画)

3.7

エイリアン的なのと水中で闘う話だと思ってたらちがった。あの水のうねうねのやつが出てくる紹介動画を何度か見てきたせいで勘違いしていた。映像技術的にはターミネーター2の準備段階というところか。しかしそれを>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

2.3

バカな映画だからリアリティなしの突っ込ませイミテーションゴージャス映像でもかまわないのだがそれだったらもう少し面白い映像が見たかったし、コメディ部分もあまり嵌まらなかった。アクションもギャグも手数ばか>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.0

予想を超えて凄かった。 良くないと思ったところもあったが良いところがそれをだいぶ上回った。前半の勢いとその持続力は特に物凄くてデミアン・チャゼル凄いなと。ハリウッドが舞台で夢と代償の話である点といい総>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

2.9

クレオには映画の登場人物としてではない女としての魅力を感じる。ヴァルダの映画はそんなに見たことないが記録としてのおもしろさに溢れている。この映画では町並みや雑踏のみならない人の人っぽさについてもその映>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.3

とにかくコメディの力を見せつけられたのだと思う。ストーリーのことを考えると親子の確執だとか中年の危機だとか言えるのだろうがそういう所の感想を言葉にしようとするとどこかこの映画の魅力を表すには外れている>>続きを読む

わたしは金正男を殺してない(2020年製作の映画)

3.4

事件の概要がわかりやすく且つ興味がひかれるように押さえられており最後まで面白くみられた。シティとドアンのSNSや監視カメラ映像を追うごとにおぼろ気な事件の輪郭が少しずつ明かされる過程は迫力がありドキュ>>続きを読む

ピラニア(1978年製作の映画)

3.5

途中からちょっと飽きがきたがオープニングからイカダの辺りまでは特にとても良かった。ピラニアの造形がよくわからないのはすかされた感もあるが、それはそれでピラニアのちまちました感じが心理的にくるし見せ方の>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.6

序盤からハイスピードに情報がながれてゆくので最初はついて行くがやっとだったが、そのスピード自体が今のデジタルネイティブ世代の時間の使い方の象徴のようでもありこの映画はそんな時代感覚を体験させてくれる映>>続きを読む

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

3.4

くどいと嫌だなと思っていたのだがそんなこともなく、それなりの金がかかってる感じなのに下手にメッセージを前に出しすぎることもなし、説明が少ないのもみやすくて良かった。バカっぽさも楽しむ余地として提供され>>続きを読む

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