マイルズさんの映画レビュー・感想・評価

マイルズ

マイルズ

関心領域(2023年製作の映画)

-

細部まで作り込まれている。林檎を置いていく少女の映像表現が特に印象深い。劇的なことがほぼ起こらないため娯楽性もほぼないが、これを観せられちゃうと虐殺を扱っている作品に娯楽性のこと考えちゃうのなんなんだ>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

-

芸能事務所の2人が車の中で話すシーンはかなり良かったが、それ以外は咀嚼しきれなかった。

ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.5

序盤からずっと心拍数上がりっぱなしだった。現実の社会問題を学校に押し込めて描いた寓話でありながらリアリティも備えている。

生きる(1952年製作の映画)

4.0

志村喬の表情が良い。後半いきなり主人公の葬式シーンになるのが巧みな構成。人間讃歌と組織への批判的視点がいい塩梅で組み合わせられていて、感動作ながら地に足がついている。

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

3.5

かなりシュールに閉塞感を描いている。まあまあ人が死ぬがそんなに緊迫感はない。テンポよく過程をとばす編集が印象的。坊主が逃げるシーンが良い。

羅生門(1950年製作の映画)

4.0

最後に語られる真相(これも必ずしも正しいとは言えないが)の3人のみっともなさがむしろ清々しい。京マチ子の喋りが圧巻。捉え方によっては陳腐にも感じられそうな終わり方だが、人間讃歌として成立していると思っ>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

着ぐるみでのアクションがシュールすぎる。アクションはスタイリッシュさと泥臭さがうまい具合に組み合わせられていて相変わらずカッコいい。登場人物の過去エピソードとかをほぼ入れることなく脇役の人物像を掘り下>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.0

アクションがかなりカッコいい。日本でこんなのできるんだと思った。緩い日常シーンとアクションのメリハリがちょうど良い。主人公の台詞がかなり現代的で、ちょっと時間が経ったら何の話をしてるのか通じなくなりそ>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.0

現実に存在する差別を利用した伏線の張り方が巧み。ジャンプスケアみたいなものはそんなになくホラーとしての演出も好みだった。

オールド(2021年製作の映画)

3.5

意味不明なことが立て続けに起こる前半は結構怖いが尻すぼみ感は否めない。終盤はそれなりに綺麗にまとめてはいるけどそれがかえってこぢんまりさせちゃったかも。

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

1.5

見せ場なのに画面が暗くてよく分からない場面がたくさんあった。怪獣映画の興奮も特にない。

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

2.5

アンドリュー・ヘイ監督の『異人たち』と比べると説明的すぎる。原作を読んだときに感じた人情譚と怪奇譚の乖離具合がより濃く感じられ厳しい。

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

-

詩のような台詞がひたすら続く。人間になった後のブルーノ・ガンツの静かなはしゃぎ具合が素敵。

蛇の道(1998年製作の映画)

4.5

香川照之がひたすらスカされるのに合わせて観てるこっちもスカされた気分になってくる。なのになぜかストレスはなく面白い。不気味なのに笑っちゃう。観終わった後も意味わからない描写のことを考え続けてしまう。哀>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.0

アニメーションはかなりカクカクな場面がある一方、実写以上に効果的だと感じられる描写も多々ある。アフガニスタンから亡命したゲイ男性の回想に何度も胸を締め付けられる。家族や恋人の愛情に支えられて生きるアミ>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

-

計算された映像美だけで観る価値はあると思うが、話の内容は味わえなかった。

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.5

ザック・エフロンの静かな演技が圧巻。家族、特に父親の呪縛によって悲劇が加速していく様を淡々と描くが、結末には爽やかさが感じられる。基本的に男たちをメインにした物語だが、フリッツの妻ドリスの物語としての>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

3.5

原作小説はあまり刺さらなかったが、主人公をクィアにした脚色が秀逸で楽しめた。あの手この手で主人公の孤独感を表現した映像が美しい。不気味・怖い場面はしっかり怖いが、総合的には非常に温かみのある作品になっ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

とにかく情報密度がすごすぎるので飽きる暇がない。テンポが速いので気を抜くと振り落とされてしまうかもしれないが、おそらく振り落とされてもある程度は楽しめそうなエンタメ度の高さ。キリアン・マーフィーとロバ>>続きを読む

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

4.5

主人公が言葉を話さないという設定が想像の余地を生じさせていて何度観ても違う感じ方ができそうな作品。ピアノと海という取り合わせをはじめ、幻想的な情景ばかりの中で描かれる人間関係のままならなさが鮮烈だった>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

真相がきっちり判明するタイプのミステリーではなく、法廷劇の迫力や人間ドラマを楽しむ作品。話がシンプルな分、ザンドラ・ヒュラーらの演技に引き込まれる。犬のメッシくんはどうしたらあんな演技ができるんだろう>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

ユーモアに関してはあまりハマる部分がなかったこともあり、原作と比べて間延びしちゃってるかもと感じたが、ヤクザの恐ろしさや変声期という題材をよりはっきり描くために必要な脚色がなされていて総合的には良い脚>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

-

ほぼ写真だけでも世界観がしっかり表現されていて引き込まれる。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

脚色が悪いわけではなくむしろ良い脚色だと思うけど、原作の企みに満ちた構成やテーマの縦横無尽さと比べるとどうしてもこぢんまりしてしまったなという印象。ある女性の成長を描いた幻想譚としては申し分なく満足。

女の賭場(1966年製作の映画)

3.5

かなりシンプルな筋書きだが江波杏子のパワーで奥深く感じる。

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.0

やりすぎかなと思わなくはないけど社会風刺ならこのくらいで丁度いいのかもとも。老人のひどい扱いを表現するのに遊園地という場所を選ぶのが面白い。

ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

4.0

あり得なすぎるのに前半のテンポの良さと面白さで押し流されてどうでもよくなる。身体的にも精神的にも痛々しいが清々しくもある。マーショーン・リンチのダメだけど憎めない顧問とハバナ・ローズ・リウの一軍女子が>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

繰り返しみたいと思うほどの深みはないが面白い。短い尺の中でそれぞれのキャラクターの心境変化がきっちり描かれていて群像劇として秀逸。

ロブスター(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

独り身を選んだら愛する人ができてしまうというままならなさが良い。荒唐無稽な設定だがコリン・ファレルの説得力が凄くて受け入れちゃう。パートナーがいるのに利己的になってしまう人間の醜さが独り身たちによって>>続きを読む

アタック・オブ・ザ・キラートマト(1978年製作の映画)

2.0

話は特に面白くないが、後々まで印象に残るシーンは結構あった気がする。ギャグも特にウケるとかはないが、潜入が得意な捜査官がトマトの着ぐるみを着て潜入するも、ある失言をしてしまうシーンがちょっと愉快だった>>続きを読む

アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~(2022年製作の映画)

4.0

副検事の母親から電話がかかってくるシーンで涙。そこまでエンタメ的な脚色はないながら緊迫感の中にちょっとユーモアも交えていて飽きない。ある程度前提知識があった方が入りやすいかも。

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.0

綿矢りさの原作のパワフルさを映像で再現しようとするとこんな感じになるよなと思ったが、原作を読まずにこの映画単体で観ると面食らう人も結構いるかもという突飛さ。妄想癖のある女性の話なのでミュージカルシーン>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.0

映像がずっとカッコいい。演者だと死にかけのミスター・オレンジが特にカッコいい。特に中身のない会話ばかりだけどミスター・ホワイトのアップと唸りによる締めくくりは余韻が残る。

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.5

自分と同じ年頃の母と会って友達になるというベタめな設定に余計なものを盛り込まず淡白に描いている。二人がドラマごっこで赤ん坊の人形を抱っこするシーンでにっこり。

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.0

音楽は良かったけど全体的になんか変だなあと思っていたら終わってしまった。最初画面が斜めで始まるのでそんな尖った撮り方なんだと面食らったが最初だけだったので安心した。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.0

馴染みのあるゲームキャラたちがゲームではできないような動きをするのはテンションが上がるが、それだけだなと感じてしまった。話の内容は特に惹かれる部分がない。