SKuriさんの映画レビュー・感想・評価

SKuri

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ALI アリ(2001年製作の映画)

4.0

◆アリ
「俺の名前は?言ってみろよ。」


"蝶のように舞い、蜂のように刺す"
カシアス・クレイは闘い続けた。屈強なヘビー級ボクサー達、我儘な女達、宗教、ベトコン徴兵、国、そして信念と。

王座奪還を
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.5

◆きみの鳥は
「3人でいた時の匂いが、どうしても思い出せないよ。」


今を生きる若者達の生産性のない日々。
先の事なんて考えないし悩まない。今この瞬間の空気を楽しんでいるかのよう。彼らを観て、1ミリ
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恋は光(2022年製作の映画)

5.0

「恋というものは素晴らしい...と思いたかったから。」


"先生"こと西条には恋の光が目に見える。
北代、東雲、宿木嬢と関わりながら、西条は恋の定義について実直かつ真摯に付き合い、思考と実証を繰り返
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

2.5

「、、、」


何だ。これは。
久々に出会った駄作。寝た。ヤバいな。

のっぺやりした展開と、全員立ったまま話すから動きもなくなる。眠くなる。

東野圭吾の小説は話がストレートで万人ウケする反面、抑揚
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くれなずめ(2021年製作の映画)

4.5

「ハッキリさせんなよ。引きずる事から逃げんじゃねえよ。」


"ヨシオさん。成仏まだっすか?"
5年前。仲間のヨシオが死んだ。
そして今。まだ横にいる。結婚式の席はないけど。

設定から何から面白い。
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金の国 水の国(2023年製作の映画)

4.0

◆金の国
「今さら責任を感じないで。国はもう動いた。あなたの覚悟が足りないと、大事な人は守れません。」


長年に渡り国交が断絶した2国を繋ぐため、国で一番賢いナランバエルは隣国で奮闘する。そして、誰
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僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

4.5

◆テンダーバー
「何があっても女は殴るな。ハサミに刺されてもだ。」


"男の土曜の朝は、これが普通だ"
グラスの置き方、酒の飲み方、タバコと金のしまい方、女の誘い方に扱い方...伯父が営むThe D
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そばかす(2022年製作の映画)

4.0

「同じ様に考える人がどっかで生きてるなら、それでいいやって。」


蘇畑佳純。30代女性。実家暮らし。恋愛感情未経験。世界中で、紀元前から、人類は恋愛をしてきた。でもその頃からきっと、興味無い人も同じ
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トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.0

「目と耳を開いていれば、人生から全てを学べる。」


"あの"ビーストウォーズが好き過ぎて、今作への過度な期待を持ってしまった。ごめんなさい。非常に残念...

あのOPとか、徐々に過激になる大物声優
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.5


「心の傷があるから、今の我々がある。」


"過去に使命はない"
妻殺しの容疑をかけられた父を救うため、バリーは時空操作の能力で過去の分岐を修正する。まさかトマト缶一つで...

あっちもこっちもマ
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ハングリー・ハーツ(2014年製作の映画)

4.0

「一緒に育てよう。でも、今は僕に任せて。」


出会いから、何処かしっくりしない2人。恋愛や結婚ならまだしも、3人目の家族ができた時、その歪みは大きな代償になる。

人生の教訓の様だと感じた。
息子が
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雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

2.0

「わざとらしい。泣いてたじゃんかよ。」


そんな小学男子いるか!イケメンすぎだろ。その頃はずっと下品な言葉を連呼した記憶しかない。自分も周りも。

航介は一生懸命で、子どもなりに他人を想う良い子。個
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

4.5

「恐いけど、生きてるね。」


"私達には、世界の片面しか見えてないと思うんだ"
あの子との出会いは、大学の新歓コンパ。
綺麗で頼りがいがあって、芯が強いのに、ふいにどこか遠くへ消えてしまいそうな。あ
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市子(2023年製作の映画)

4.5

「うち、花火好き。皆が上見てる時、何か安心すんねん。」


"市子"が失踪した。
幼少期から現在まで、市子と関わりのあった人物達との思い出を辿り、彼女の足跡と真相を、一つずつ繋いでいく。

前半に散ら
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ある男(2022年製作の映画)

4.0

◆ある男
「父さんは、まだ誰か分からないから、お墓も作れないの。」


"写真置いてやらないんですね。だから、遺影"あの男の真の素顔は、誰も知らなかった。

風光明媚で爽やかな片田舎に、滑っとジトっと
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正欲(2023年製作の映画)

4.0

「誰にもバレないように、無事に死ぬ為に生きてるって感じ。」


"命の形が違うんよ。地球に留学しとるみたいな感覚"
どうしても、人の世に馴染めない人は一定数いる。でも、いつか無事に死ぬ為に、とりあえず
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

「それとも何か。爆発したら、世界を燃やし尽くすとでも言うのか?」


量子物理学を基に、オッペンハイマーはWW IIにより"原爆の父"と称えられた。11万人の亡骸を踏み越えて。

日本人として、この視
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.5

「異質さは人を恐れる。犠牲者でいるか否か、判断しろ。」


高機能自閉症の男。こだわりが強く、始めた仕事は中断できない。それが会計士でも、殺し屋でも。

古典的なアメリカンダークヒーロー。
スナイパー
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素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

4.0

「見逃さないで。"幸せのオマケ"があるから。」


"彼のリアルに合わせて抽象概念を登場させたら?"
広告の天才と呼ばれた男が娘を失い、空っぽになってしまった。終いには愛と時間と死に手紙を送る始末..
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劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

4.0

「待ってるだけじゃ、救えない命があります。」


東京都直轄の東京MER。厚労省直轄の政令市モデルとして発足した横浜MER。熾烈な競争の裏で動く、大規模災害の陰...

横浜のランドマークタワーが災害
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.5

「心の準備なんていらないでしょ。風呂は沸いてるんだから。」


誰も知らない、絶望からの始まり。
トマト、胡瓜、湯船、米研ぎ、蝉時雨に鐘の音まで、何でも至高のAMSR。静かな邦画だからこそ聴ける音の数
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.5

「安心させて欲しいのに、君を起こさなかった。それが最初だ。」


"コミックは歴史を伝える最後の手段だ"
列車脱線の大事故。乗客は全員死亡。
ある一人の男を除いて。

絶対に死なない男と、触れるだけで
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アムステルダム(2022年製作の映画)

4.0

◆アムステルダム
「いいか?ここは君達の国なんだ。権力者に奪わせるな。」


1933年NY。将軍が死んだ。死因は毒殺。しかし妙にきな臭い。陰には米独で暗躍する組織と謎の"五人委員会"。

アムステル
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博士の愛した数式(2005年製作の映画)

3.5

「24cm。実に潔い数字だ。四の階乗だよ。」


博士の時は10年前で止まっている。
事故の影響で記憶が80分しか持たず、蓄積もできないため昨日が1975年のまま。でも博士は気にせず、ひたすらに数学を
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

2.5

「俺には...それが宿命です。」



見世物サーカスでは様々な人生が行き交う。それは超人、成金、読心術による成り上がりであり、そして獣人(ギーク)である。

1940〜50年代のキャラバン式サーカス
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ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.0

「事実は幸せの敵だから。」


"家族はデマの温床である"
大学教授とセラピストの家庭に子供は4人。
少しクセと裏のある家族は仲睦まじく暮らしている。平穏な日々に突如、"空媒有毒事象"が降り注いだ。
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.5

「危ない時は、ザリガニの鳴くところまで逃げろ。」


"ここから出なきゃ。無罪でも死刑でもいい"
街の人気者が湿地で突然死。疑いをかけられたのは誰も存在をよく知らない"湿地の娘"。不透明な真相を偏見の
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

「大事なのは、俺が神の存在を感じたって事だ。」


1分1秒に薄っぺらい言葉と浅はかな思惑が凝縮されていく。2時間を超える映画でこんなに長く惹き込まれ続けるとは。回りくどいが、賛辞です。

面白い。何
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

「全く同じ言葉を使っているのに、全然違う物語を紡ぐもの。」


"この世にはたくさんの世界がある。姉の世界と俺の世界は別のものなんだ"

トイレ清掃員平山の日々を綴った作品。
同じ事の繰り返しの様で、
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ポエトリーエンジェル(2017年製作の映画)

4.5

「大丈夫。俺の方が緊張してるから。」


その瞬間から、カッコよかったぞタマキ。

高校を卒業して数年。
友達は東京で就職が決まり、両親は日々働く。自分は何となく仕事もせず、小説を練っている。

岡山
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

「タイミングとは、得てして悪いものだ。」


冒頭からWA世界観が雪崩のように押し寄せる。無表情で淡々と話す役者、淡い色使い、遠目と近目の固定アングル、陽気なBGM...これらを楽しむのがWA作品鑑賞
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ほつれる(2023年製作の映画)

4.0

「黙ってるのは返事じゃない。考えてるの。」


大好きな彼が死んだ。理詰めしてくる旦那との窒息しそうな生活は続く。彼の事、今後の生活を考えるたびに、気がつくといつも、あの思い出の山梨に足が向いてしまう
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世界から猫が消えたなら(2015年製作の映画)

3.0

「どうしても見つからないんだ。あいつに映画を渡すのはこれが最後なのに。」


寿命を1日延ばす代わりに、何かを一つ。世界から消す。

当たり前に存在したものが、この世から無くなると、関わる大切な何かも
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シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

3.5

「ゲータレードとは何だ!武器だな?」


生命の杖を取り戻し、復活した神々の国。
元素、カオス、軸の力の三姉妹を倒すため、ドタバタ6人集が奮闘する。

全体通してくだらないギャグのオンパレードだが、手
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.0

「部下を失う度に自分に言い聞かす。その10倍の命を助ける為だと。」


ノルマンディー上陸作戦後、中隊長に下された指令は、1人の二等兵を救い出し、帰国させるという内容だった。

どこまで忠実かは分から
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

4.0

「横顔がね。似てたんだ。」


"少しは、好きでいてくれた?"
夜明けを歩く若者達は、迫り来る"明日"から走って逃げる。いつまでも色褪せない青春に縋りつくように。

俺もあんな青春過ごしてみたかった。
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