ラストの首つり最高。何度見ても笑ってしまう。これとか『プロムナイト』とか学生が集まっている場に死体が飛び込んでくるショックシーンって結構あると思う。
ビニー・パジェンサのウィキペディアに書かれているような出来事を今風の映像にのせてなぞっているだけ。たんなる退屈なダイジェストにしか見えないのは「映画」が寄り道をしない、中心のマイルズ・テラーの物語しか>>続きを読む
ますますオリヴェイラに、もしくは小島信夫の晩年に近づいているイーストウッド。漫☆画太郎な雰囲気さえある。名もなき庶民が主役になる物語(運命論ありきで)は正しくイーストウッド映画。オランダでの激安クラブ>>続きを読む
根っからの金持ちがハイソな視点から通俗的な映画を(題材を)撮り続ける。貧乏人が粋がった表現で一旗揚げたいなどという卑しい野心が欠片もないのが清い。ソフィア・コッポラの淡泊で余韻を与えない(おそらく飽き>>続きを読む
終盤の廃墟でまぐわり続ける男女が圧巻。崩れかかった屋根の隙間から砂山で絡まる二人に射し込む光。しょんべんを掛け合い、愛というより微かな生を手繰り寄せる瞬間に引き込まれる。菅野隆がどのような作家なのか知>>続きを読む
『マンハント』を見て、そういえば國村隼が出ていたよなあと思ってわざわざツタヤで借りてきて再見。誰も責任をとらなくても許されていた過剰で雑な90年代、ついに爆破と銃撃と死体だけしかなくなった(「暴力」が>>続きを読む
『君よ憤怒の河を渉れ』はもちろん、その元ネタでもある『逃亡者』の冒頭、それに健さんからの『網走番外地』、國村隼繋がりで『新・男たちの挽歌』あたりもデタラメに混ぜ込んでの懐かしきVシネマの匂い(竹中直人>>続きを読む
荒井晴彦のくっだらないオッサン夢物語(白痴のような若い女性がオッサンを盲目的に愛し抱かれていくいつもの感じ)を森崎東がズタズタにしているのが痛快。受け身のキャラクターを柔らかく演じている渡瀬恒彦が場末>>続きを読む
生きていても死んだとしてもどちらでも構わないような空っぽな人たちしかでてこない。自殺に失敗して昼間からパチンコをする男、俯きながらポルノショップを出入りする男、中年女性に絡まる他の男の臭いに興奮する老>>続きを読む
逃亡者と人妻の不倫、頭の悪そうなキャラクターたちが本能ダダ漏れで頭が悪そうに生きている。2000年代前後のピンク映画(国映)の匂いはあるけど、どこか飄々とアッケラカンとしていて、作り手はごちゃごちゃ考>>続きを読む
無駄にでかい音と共に映し出されるタイトルクレジットとか、わざわざショッキングな場面を見せつけていくスタイルが今さらの90年代ギャスパー・ノエ。流行のハネケやヨルゴス・ランティモスのグロテスクさも適当に>>続きを読む
魂を揺さぶられるような、胸の奥が熱くなる瞬間が幾度もあった。どこで死ぬのか、どのように死ぬのかを突き詰めていく先に幻の都市があり、死を追い求めている者が正しく死に導かれていくラストはグッときた。朦朧と>>続きを読む
甘えきっていた駄目な医学生が周りに助けられながら成長して、最終的には親に認められる王道のアメリカンコメディ。死体を使った不道徳なくだり(死体をタクシーに乗せたり)は笑った。死体ギャグって定番だけど外れ>>続きを読む
マイケル・キートンがドタバタするサスペンス風ラブコメ。謎の箱とか間違えられて追われる男とか、ヒッチコック的だけど全然そうでもなく、ただひたすら80年代のバカ騒ぎと悪ふざけが続いていく感じでがっかり。大>>続きを読む
エロスは溢れているのに濡れ場はえらくあっさりして、その淡白さが映画を遠ざけているような気がした。ロマンポルノがどこまでも映画なのは、そのねっとりとしたしつこさにあるのではないかとか考えながら。
非暴力を訴えている女性が暴力で決着つけざるを得ない展開とか、シャワーカーテンを挟んで加害者と被害者が逆転するとか、まあ色々と考えられている映画だし、それなりによく出来ていると思う。マイケル・アイアンサ>>続きを読む
原作の西村寿行が真似したのか製作の永田雅一がパクったのか知らないけどテレビ版『逃亡者』が元にあるんだろうなあ。健さんと原田芳雄で『網走番外地』をやりそうでやらない。終盤のキチガイ病院に潜入するくだりは>>続きを読む
『チェリー2000』『ミラクル・マイル』、二本の独創的な傑作を残してあっさり消えた(テレビしか撮れなくなった)スティーヴ・ジャーナットのような監督こそ真のカルト作家だと思う。クレーンに吊された車での一>>続きを読む
撃たれたゴリラ(アル・レッティエリ)が積み上げられた木箱をわざわざ倒しながら息絶えるの何度見ても最高。始まりから終わりまで血なまぐさい話を低い温度で淡々と撮っていく。銃撃戦も爆発も起こるべくして起こる>>続きを読む
展開も構成もほぼ同じ。『恋はデジャ・ブ』をネタにした同人誌(二次創作)って感じ。90年代のコミケで売ってそうな出来。ホラーと言うより学園コメディ、中心の女子大生がすげえ口が悪いのは良かった。まあ退屈は>>続きを読む
今さら見せられる『セブン』的な展開。笑みを浮かべてサイコ感を演出する藤原竜也。どうしようもない。
場面(設定)を決めてそこに役者を配置してドラマを広げていく演劇的な作り。いまだに物語や人物を中心に映画を撮っている(だからこそ受けが良い)。すでに関係性のみで映画を構成している世界中の先鋭的な作家の対>>続きを読む
古田新太&堤真一の演劇的な芝居と映画をやりたがっている生田斗真とのバランスがガタガタで全体的に雑に見える、ただ一番の悪は娯楽作を内輪受けの笑いとベタなイイ話(古くさい決め台詞)で継ぎ接ぎしているだけの>>続きを読む
ストーカーのキチガイがいかにも変人ではなく、古いタイプのイケメンなのが気持ち悪くて良い。嫌がらせの電話に怯えながら出た高橋恵子に対してストーカーの第一声が「お待たせしました、私です」。最高に狂った台詞>>続きを読む
長すぎる拷問のくだり(ジャック・ケッチャムの臭いがする不穏さ)が最高なのは言うまでもないが、そのあとの生活まできっちり撮りきり、安易なカタルシスに逃げず「映画」と向き合い続けるキャスリン・ビグローの豪>>続きを読む
バカバカしいギャグみたいなカンフー映画だと思って見ていると、足を切断したり耳を切り落としたりと残酷テイストも適当にまぶされていて気が抜けない。誰よりも動きが抜群な真田広之、このポテンシャルでどうして世>>続きを読む
ヘイリー・スタインフェルドがウディ・ハレルソンに愚痴りまくるオープニングの面構えと、ラストカットで見せる憑きものが取れたような清らかな表情の変化にグッときた。ラストは彼氏が出来てハッピーエンドというよ>>続きを読む
定期的に作られるスパイコメディ、引っ越してきたスマートな夫婦が実は…平凡な夫婦が国際的な犯罪に巻き込まれて…とかベタな設定と見飽きた展開。グレッグ・モットーラって基本はキャラクターを繊細に描いてドラマ>>続きを読む
孤独な刑事と娼婦。暴力とセックス。空っぽな80年代にノワールを撮るアラン・コルノー、メルヴィルに肉薄した瞬間はたしかにあった。車内から微動だにせず銃を構えるくだり。ナンパされてすぐにヤッてしまう娼婦を>>続きを読む
戦争と映画の相性の良さ。男も女も大人も子供も軍人も県民もみな死ぬ。血みどろになり手足がもげてこその戦争映画。天皇陛下万歳!
映画のなか(世界)にしか洒落た人生賛歌などないのだと逆に教えられる。映画を見ている私たちの現実は醜くて苦痛で、妬みや貧しさでみな疲弊しているのに。
これがマイク・ミルズの自伝的な内容だとするならば、表現(作品)になっても未だ甘えた息子のために引っ張り出される母親が気の毒。どれだけ進歩的な思想を述べても、大人になりきれない男性にとって女性は都合のい>>続きを読む
製作当初(2006)に見ていたら時代を掴みすぎる雰囲気(ドキュメンタリー風のキャメラとかも)に決まりの悪さを感じていたかもしれないが、10年寝かせてからだと当時の雑が許されたうえでの誠実さ(いまほど神>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
生と死の曖昧さが映画をふらつかせている。向かう場所さえ定まらない中年男性の浮遊した物語(人生)は母の飛び降り自殺によって(自殺を受けいれて)ようやく「着地」する。どれだけ映画が散らばろうともエモーショ>>続きを読む
音楽が誰よりもうるさい。漠然としたゴール(安易なメッセージ)だけが見えていて、明確な物語をあやふやにしている弱さを(終始鳴り響いている)劇的な音楽で取り返そうとしているしょうもなさ。かつてあった「戦争>>続きを読む