ねぎ地獄

プロセッション -救済への行進-のねぎ地獄のレビュー・感想・評価

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新聞記者たちがカトリック司祭による性的虐待を暴いた実話をもとにした映画、『スポットライト 世紀のスクープ』を昨年鑑賞。
まさにこの虐待についてをドキュメンタリー化している作品が本作というのを発見し、精神状態が良いタイミングで観てみました。

内容が性的虐待ですし、辛いシーンもたくさんあるので誰にでもすすめられる作品ではありませんが、私は観て良かったです。

冒頭の目から緑の光線が発射されるシーンで「ぇ…なにこれ…大丈夫か?」と、不安を覚えましたが、被害者の被害体験をドラマセラピーの一環として映像化する過程、そして完成した作品をみせていくのが本作の趣旨。
目から緑の光線は実際に被害者が制作した映像でした。

最近アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』を鑑賞した際、高所恐怖症の主人公に対して彼の友人が「もう一度高所で恐怖体験を味わい、克服することが恐怖症を治す唯一の方法よ!」と豪語していて…さすが50年代の荒技!と思っていましたが、結構これって今回のドキュメンタリーと考えが近いのでは?と、びっくり。

心理士の友人によると、ドラマセラピーは日本ではまだあまり広まっていないものの、ドラマ(演劇)を用いたセラピーはアメリカではよくあるのだそうです。
ちょっとドキドキする方法でしたが、被害者の方々が取り組む課程を観ることでとても考えさせられる作品でした。

追記:
作中でキリスト教や性被害についての説明が特にないので、特に日本では伝わりにくい内容。『スポットライト』を鑑賞後だとかなり主旨が理解しやすくなる。
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