有名作品ですよね、ジャック・ニコルソンさんですよね、なんだかすごい作品ですよね、なかなか見る機会がなかったので初鑑賞になったんですよねという作品です。
うん、ジャック・ニコルソンさん力でぐいぐいと作品を牽引していき、まさに原動機の如し、という感じです。
彼の醸し出す影響力が周囲に対しどう作用するのか、その影響の広がりは、それに対して周囲はどう思うのか、そもそも彼は何を思うのか。
普通に"面白い"作品だと思います。
でもその"面白い"を先に超えたものを感じ取ることができるのか否かが本作だと感じたのです。
だからこその"影響力"です。
結果は、そこに掠った感じ。
掠ったんだけど、手応え感をまだ私は感じ取ることができませんでした。
登場してくる人物たちは、それはそれはとても魅力的であるし、演じる役者さんたちの熱量はすごいものがあり、醸し出すバランス感がとても心地良かったんです。
物語も収容所ではなく、精神病院ではあるが、そこは完全に外界と遮断された閉鎖空間。
一見すると自由を感じるし、権利か認められているようにも感じるが、だんだんとその真実がわかってくる過程は鳥肌モノでした。
1人の異物が放たれたとき、その瞬間、そこから、それから、そして、、といった具合に異物が何に変わるのかを感じとることができるかと思います。
彼は異物であると自覚をしていた→
彼は異物を受け入れることができた→
彼は異物であろうとした
といった感じで物語は進んでいったのかなと感じました。
もちろん感じ方は人それぞれでありますし、各自の捉え方があるのが、映画の醍醐味だと思います。
本作は鑑賞後にその醍醐味を楽しむことができる作品であると思いますし、その醍醐味を共有するもよし、ひとり大切にとっておくもよし、そもそも自分はここでしか映画のことを語れない(これが”ことば”と捉えられればですが)からこのようにして好きに表現しているわけで、なんだか生きていることに希望が持てる、そのように感じた作品でした。
ずいぶんと飛躍しまいましたな。