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ブラック・フォンのkuuのレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
3.8
『ブラック・フォン』
原題 The Black Phone.
映倫区分 PG12
製作年 2022年。上映時間 104分。
スコット・デリクソンが監督、『透明人間』『ゲット・アウト』などスリラー作品の話題作を多数送り出しているジェイソン・ブラムが製作を手がけたサイコスリラー。
原作はジョー・ヒルの短編小説『黒電話』。
出演はイーサン・ホークほか。

コロラド州デンバー北部のとある町で、子どもの連続失踪事件が起きていた。
気が小さい少年フィニーは、ある日の学校の帰り道、マジシャンだという男に『手品を見せてあげる』と声をかけられ、そのまま誘拐されてしまう。
気が付くと地下室に閉じ込められており、そこには鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして断線した黒電話があった。
すると突然、フィニーの前で断線しているはずの黒電話が鳴り響く。
一方、行方不明になった兄フィニーを捜す妹グウェンは、兄の失踪に関する不思議な夢を見る。

演技も非常に評価が高い怖いもの知らずのイーサン・ホークと若手スターがこのスリラー作品をベスト作品にしていました。
今作品は、より多くの人アピールする実に効果的にしたいためかホラー映画として謳われてる。
また、ポスターには恐ろしいマスクと角の生えたイーサン・ホークが登場している。
しかし、この1970年代後半を舞台にした映画の本当の内容は、子供時代から青年へと移る若者のトラウマであり、マーケティングが示すような通常のホラーよりもサスペンススリラーのカテゴリーに入るのがふさわしいと個人的には思います。
今作品は2014年のジョー・ヒルの短編小説を基にしてるが、原作は彼のお父さんスティーブン・キング、特に『IT イット』との比較は避けられないが、実写は独自のビートに乗って行進する。
どのようなジャンルであれ、善き映画には沢山の要因があるとは思うが、その一つにはキャラを重視し、彼らを応援したくなるような理由を与えてくれるモンがあると思う。
今作品の製作陣は、スリルや、またそのスリルを二の次にして、暗い世界で子供時代の純粋さを失い、成長していくことの恐ろしさを寓話化した物語を進めている。
この世界には、グラバーだけでなく、恐怖に満ちた同級生を無慈悲に打ちのめすいじめっ子や心を病んだ親、その他の人生の現実も混在している。
テムズとマックグローは、不器用ながらも生き延びようとする子供を完璧に演じており、賢くて可愛いくて存在感がすごかった。
素晴らしい演技、テンポ、キャラクターで、楽しく、時に面白く、興味深く、感情移入できるスリラー作品でした。
続編に頼るのではなく、それを目指したことに拍手を送りたい。
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