なだ

燃えあがる女性記者たちのなだのレビュー・感想・評価

燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)
3.7
不可触民
最近よく聞く言葉だ。
カースト制度から外れ、さらに底辺にいる人々。

その不可触民〈ダリット〉の女性達が立上げた新聞社
「カバル・ラハリヤ」のドキュメンタリー。

華やかなインド映画の銀幕から一転した世界だが、実際にその土地で生活している様子が分かるインド作品にも触れてみたい。

カースト差別の禁止や不可触民の廃絶、違反者の取締があるも無くならない差別。
こう云う無くならない差別の話は日本の部落差別の事も考えてしまう。

彼女達の取材はメディアの力で不条理を強いられる生活を何とかしたい気持に溢れている。

家に何度も男性達が押込みレイプされる妻と殴られる夫。
警察は口を濁し被害届を受理しない。
彼女達の記事によって医者が初めて来る村。
冒頭からこんな話でびっくりする。

ニュース紙面は紙媒体から動画によるネットニュースへと形を変える
その転換に戸惑う記者や夫から妻は「家に居て家事を」と協力的ではない。周囲に悩みながらも取材を続ける。

ヒンドゥー民族主義のモディ首相時下「雌牛1頭には3億強の神が宿る」とヒンドゥー教の素晴らしさを主張する自警団の青年への取材

もっともっと斬り込んだ取材を頑張って欲しいと思う反面、自分たちの身も守って欲しいと心配したり。

ドキュメンタリーとして各国で映画賞を受賞している今作。
機会があったら観てほしい。
なだ

なだ