あなたが欲しいのはわたしだけのsuのレビュー・感想・評価

『インディア・ソング』をはじめて観た時、フィクションでありながらその場所の残留思念を写し取った記録映画のようだと思ったのだけれどマルグリット・デュラス自身がそうやって人の魂が留まる場所を現実世界に創り出してしまうひとだったんだな。
過去も未来も存在しないというデュラスへの愛を語るヤンの窓辺で静かに差し込んでいる暮光の切なさ。

それにしても『インディア・ソング』を劇場で10回鑑賞とは羨ましすぎるし、たしかに「他の映画はいらない」と思ってしまうだけの衝撃だろうな……と自然に納得してしまう。