レオン

BLUE GIANTのレオンのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.1
見逃し高評価アニメ (★平均4.3 WOWOW録画)
2時間引っ張りまくりでした♪  出会い、プレイ、間接的な登場人物等も、必然的シーンばかりで、抽象的無駄台詞もなくラストまで魅せ続ける。

原作はコミックらしいが、音のない紙面でもプレイシーンを見応えある物にしているから、ヒットしたんだろうと考えるとスゴイ事だ。

そして人物の顔も自然でよい! 昨今どのアニメも、目がやたら大きくツンと尖った鼻に薄い唇と、全部同じか!と感じるぐらいだが、本作は人物の性格もほぼ人相で表現している。

ガッツがありそうな 宮本 大、ややズル賢いシュッとっしたハンサム 沢辺 雪祈、素直そうな 玉田 俊二。
ジャズバーの女主人、So Blueのマネージャーらも、顔と性格や声が一致している。
これは実写映画のキャスティングに相当する事で、これに違和感があると、作品に没頭出来ない。

本作のプレイシーンは実際のプロ演奏を録音してから、
映像での表現が作成されたらしい。
特にピアノは現在、世界的名声を得ている「上原ひろみ」(かなり革新的なプレイをする方)が担当(作曲も)していて、恐らくかなりのジャズファンでもその曲・プレイには満足しているのではと。

残念ながら私は、ロック、ポップ、クラシックでさえ気に入ったフレーズがあればCDを聞くリスナーだが、ジャズのみ、自分的に深く気に入るフレーズが見つけられないジャンル。 お洒落な飲食店でBGMとして流れている音楽はJAZZが一番と感じるが、その曲と面と向かって聞いて、ガッと入れ込む抑揚が湧くかといえば、そうならない場合がほとんど・・。

が、今作ではピアノのシンプルなリフ等がやや耳に残った曲があったので、後にサントラ盤を聞いてみようと思う。

今作はプレイシーンで奏者の熱量や、聞いてる者の反応、さらに音を空間的映像でも描写している。 それはおそらく、劇中曲の生演奏をライブハウスなどで普通に見る以上に、より感動的に表現出来ていると感じる。
それが、他の方レビューで全くジャズを聴いた事等ない方でも、深く引き込んでいる由縁と思う。

今年に入り劇場鑑賞作が自分的には9作連続ハズレだった。 (自身★3.8以上が当たり♪)
今作は所詮アニメだろっと劇場鑑賞を見送ったのを後悔。
「すずめに戸締まり」「東京MER・・」「キングダム」等、邦画の話題作の方が、ハズレが少ない♪ 
まだ未見の「スラムダンク」も恐らく当たりだろう。
日本映画興行収益の邦画VS洋画が68:32なのを素直に受け止めて、今後はもっと邦画やアニメの劇場鑑賞を増やそうかと♪


↓ エンディングネタバレ


賛辞ばかり記したが、終盤、雪祈が交通整理のバイト中、いやな予感が・・。
そして事故・。
ああ、やはり今作も "逃げの脚本"か・・・。

逃げの脚本というのは、作品終盤で主人公らの不慮な事故や死亡で、見る者にシンパシーを煽り、心の揺さぶりを増して終焉を迎えるという、他にアイデアが浮かばなかった
"2流脚本家の仕事" とみる、私的な批判。

が、がっ、今作はそれで終わらなかった!
なんと二人だけでライブを・・。
普通、サックスとドラムだけという、プレイスタイルは滅多にないと思う。
ましてや日本一のジャズスポットで。

さらには再起不能かと思っていた雪祈が、なんと片手でプレイ参加という、予想だにしない展開に、目が潤まずにはいられない・・。

このプロットはコミックにないらしく、比較してあそこが違う、あれはおかしい等と批判している方がいる様だが、
私的には批判している方こそ、残念な方!と。

今作は長いコミック作の東京編に当たるらしいが、単品作品として金を取るなら、完結してこそ感動が増すはず。 
ましてやこれほどヒットして高評価を得ているのは、ドラマティックなエンディングがあったからこそと、変更した脚本を褒めるべき。

「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」や「沈黙の艦隊」、
の様に途中ブツ切れエンドは、ドラマのエンディングであって、単品作には非ずと思う。 
(「キングダム」等大きな山場を解決した、後の一旦終了ならまだ許容範囲だが)

今作の続編が出来れば、次回こそ劇場で鑑賞する事に♪
レオン

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