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四畳半タイムマシンブルースのiiのレビュー・感想・評価

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森見登美彦とヨーロッパ企画と中村佑介とアジカンと。好きなワールド詰め合わせでした。学生らが住む下鴨幽水荘の二階には一室クーラーがついてあり、真夏の映画撮影をしているある日リモコンに誰かが肘打ちしたコーラかかって阿鼻叫喚ときやがった!
ベースのサマータイムマシーン同様、タイムスリップする動機はやはりどうしようもないものなのであるが当の本人たちは誰よりも熱くその物事に対して腐心するからしてサマータイムマシーンブルースなのである。
途中、タイムマシーンを作った未来人が登場するわけだがそれがまた、一クセあって浮いていて良い。
一夏の最大100年ほどのミニマムタイムスリップなのだが、四畳半は増幅の一途を辿り様様なパラレルワールドの出現による自己の消失を防ぐために真剣に取り組もうとする面々がてんやわんやで結局はほとんど、何もなくって、でも確実に成果はあった。出町柳パラレルユニーバース、京都には異界が存在するぞ。夏の風鈴、ラムネ、送り火、納涼古本市、銭湯、、そしてリモコンとコーラ。

膨れ続ける四畳半と私が彼女に想う気持ちは止められなかったが、意図していないところで気持ちは伝わるもので結局ごっつぁんなんじゃない、憎い、小津の気持ちがよく分かる。叶った恋路ほど語るに値しないものはないとの最後の台詞が憎いね。
どうせうだるなら夏に見るのがオススメかもです!

蛇足

この映画を見た日、映画館でいつも働いているスーパーで見る常連さんの人がいて、その日スーパーに出勤したらそのお客さんが来たから会計終わりに「あ、あの、映画、、」って声かけようとしたら映画、、くらいでもう自動ドアから出ようとしてた。私はタイムマシーンがあったならあの「あ、あの、映画、、」と声を発する5秒前に戻って厚顔無恥の私を大いに諌めるであろう。それでは読者諸賢の皆様方さらばだ!ごきげんよう!
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