だーじりんほらー

オッペンハイマーのだーじりんほらーのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

考察
 オッペンハイマーが意識を昇華させていく話(だと思った)

 この映画では重要な3つの視座があり、かつそれぞれを代表する登場人物がいる。
①階層としては最も下の、個人レベルの視座(ストローズ)
②その上にある国家レベルの視座(クローヴス大佐)
③人類ひいては地球レベル(アインシュタイン)

 オッペンハイマーはこの映画を通して①→②→③と意識を上の次元へと移行していったと思う。
①教授を殺そうとしていた院生時代
②ロスアラモスで原爆の国家プロジェクトに協力
③終戦後のアインシュタインとの会話
実験の名前も三位一体だし(考えすぎ?)

こういう個人の利益と全体の利益の対立ってノーランっぽい気がする。インターステラーなんてまさにそうだったし。

感想
 前半は結構嫌だったな。院生時代のダイジェストはカットの多い『軽さ』のせいであんまり入り込めなかった。バラバラの時系列と言及される名前の多さで頭が全然追いつかんかった。

 あとアインシュタインがガッツリ出てきたのはびっくりした。
アインシュタインぐらい有名でキャラクター化されてる人を出すとコスプレみたいになってリアリティーが下がっちゃわないか心配だったけど耐えてたと思う。

 やっぱりロスアラモス作るとこからかな、面白くなっていったの。「ヒトラーに追い付かな!」みたいな緊迫感が出てきて、この映画に自分の足がついた気がした。

 実験のシーンは期待してた通り最高でした。音がいいね。

 気になったのシーンは『審査会でのセックス』と『不倫相手の自殺』かな。
・『審査会のセックスシーン』は単純に「ノーランドってこんなエグいシーン作るんだ!!?」ってびっくりした。
・『不倫相手の自殺』は一瞬森の中で落ち込んで寝てるシーンが入るだけで、その後もずっと触れてないのが違和感あったな。

でもまあそれもオッペンハイマーなのかな。そういう人間として足りない部分も。

おっぴー
だーじりんほらー

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