白波

オッペンハイマーの白波のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.3
劇場鑑賞
物理学者オッペンハイマーの半生を描いた伝記作品。
そしてその背景に米の汚点とも言える赤狩りをも深く絡めた、大変見応えのある作品でした。
その構成が見事で複数の視点や時系列を散らし、そこにモノクロとカラーの切り替えも差し込んでいました。
そして迫るような映像もですが、何より音楽が見事。
「TENET 」で一緒だったルドウィグ・ゴランソンなのですが、その映像や物語に実にピッタリでした。
この音がなければ、こんなにもオッペンハイマーの視点に入り込めかったと思います。
キャストも常連キリアン・マーフィをはじめ錚々たる豪華な顔ぶれ。
フローレンス・ピューだけ何故かサービスショット付きです。
後半からはジワジワとダウニーjrがその存在をたっぷりと見せつけてくるのも、良いアクセントになっていたと思います。
その波乱に満ちたその半生は、自分で体験したことのようで上映後は結構疲労感を感じるほどでした。
それでも、その生み出したものの重さは計り知れない程です。
とても密度の高い時間でした。

ただ、やはりしこりのような物は残ってしまいますね。
これは日本人だからしょうがないです。
逆にアカデミー7冠は納得の出来、本当見事でした。
白波

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