あまのうずめ

METライブビューイング2021-22 ブレット・ディーン「ハムレット」のあまのうずめのレビュー・感想・評価

3.9
デンマーク王の死を受け王の弟クローディアスは残された王妃ガートルードと結婚し王位に就く。王子ハムレットは父の不審な急死と突然の叔父と母の再婚に悲しみと憤りを感じていた。


▶︎今まで誰も手をつけなかったシェークスピアの大作をブレッド・ディーンが作曲、マシュー・ジョゼリンが原作の構成を大胆に変えた台本を書き、ニール・アームフィールドが演出したハムレットはサイコスリラーの様に仕上がっている。

旋律が無さそうでしっかり残る音楽が斬新で、耳馴染みのある今までの様なアリアは無い。ハムレット役のアラン・クレイトンのコミカルな動きが緊張感のあるサスペンスタッチの舞台を緩やかにする場面も多かった。
ハムレット同様狂気を見せたのがブレンダ・レイ演じるオフィーリアで狂乱の場は見事。
壁を移動しその場で行われたセットチェンジやネオクラッシックを思わせる衣装とヘアメイクも見事にマッチしていた。

今後この「ハムレット」がメトの定番になるだろう予感がした。