あなたの顔の前にの爽のネタバレレビュー・内容・結末

余命モノだけど、前向きで、その設定を振り翳すこともなく、非常に好感を持てる作品だった！
このタイトルがどういう意味だろうって、主人公のモノローグからも想像を掻き立てられてたけれど、あぁそういうことなのかってダイアローグの中で気付いて。
とてもリアルな、きっと何処かで起こっているだろう物語で、目の前を大切にしようっていう心掛けも新鮮なものではないけれど、芝居に説得力があったから心に響いた。
ホン・サンスの作品ってほんとに繊細な芝居が命だから、現場を覗いてみたいなと。
是枝さんが去年のTIFFのトークで彼の演出術について話していたくだりがあって、あまり設定を役者に伝えずその場でリアクションを引き出していく、みたいな話だったような...。
是枝さんの口伝えにも近い感じで演出されているって話だったんじゃなかったっけ。

ロメールの場合はビターな終わり方をすることもしばしばあったけど、彼の作品は大体みんな前向きで後味がサッパリしてるのがいい。
短尺だしキャラクターも概してみんな親近感が湧く設定になっている。

面白かった！鑑賞疲れも感じなかった。