父と母と兄と弟と犬がドライブしている。
弟と犬と観客は行き先を知らない。
途中に伏線がいくつか張られている。
・道の途中に携帯電話を置いておく
・「旅人」という隠語を使う
・覆面を被った怪しいバイク男が現れる
行き先は、こうした伏線や、イランの宗教、政治情勢を併せて考えると、なんとなくはわかるけど、スッキリした感じには、私は最後までならなかった。
この映画は、結局は、車内での別れ行く家族の会話劇になるのだけど、
イランと日本の文化の違いなのか、
脚本のセンスが悪いのか、
翻訳が下手なのか、
終始、私には響かない会話だった。
終盤、大事なところで、急にカメラが動かなくなって、
「小津安二郎をマネた駄作か!」
と思ったら、
あとから解説を読んだら、この監督は本当に小津安二郎監督に影響を受けていたらしい。
日本の居間なら情緒があるけど、イランの砂漠で絵が止まっても、観ている側が不安になるだけだから…
あと『2001年宇宙の旅』をパクったようなシーンも、素人監督っぽくて私は嫌だった。
私には響かなかったけど、良い映画なのかもしれませんね。
私は響かなかったけど。