まくないと

スワロー:闇にのまれてのまくないとのネタバレレビュー・内容・結末

スワロー:闇にのまれて(2021年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

銀行に勤める地方出身の女2人が、男尊女卑、父権主義でのセクハラ、パワハラに悩まされる中で半ば自暴自棄となり麻薬の密輸に関わっていく。

この題材では一般的に、陰鬱で胸糞悪い展開からバッドエンドという流れだろうが、本作はどこか温かさやむしろ爽やかさを感じるのが独特。

これをノリウッドならでは、と括ってしまうのは大雑把過ぎるかも知れないが、それでも他国の作品では見られない独自の筆致だと感じる。

’85年という時代や、経済のみならず、宗教まで含めた地方と都会の関係性という設定が充分に活かされていて良い。

ラストで、恋人からルームメイトの消息を聞かれた主人公は、「故郷に帰ったの…」と噓をつく。
悲しみや苦しみを他人に打ち明け余計な心配を掛けない、また、不幸な最期を遂げた彼女の名誉を守るという、優しく強いナイジェリア人気質を見た気がした。