阪本嘉一好子

Brighton 4th(原題)の阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

Brighton 4th(原題)(2021年製作の映画)
5.0
ジョージア(グルジア)の首都トビリシのスポーツバーの賭け事の言い争いからこの物語は始まる。主人公Kakhiは寛大で争いを避けるタイプだが、彼はバーを追い出されてしまう。
チーズを50ラリ(日本円で?)、山ほと買ってどこに持っていくのかと思っていたら、これをスーツケースにつめて、アメリカに。息子、Soso が住んでいるニューヨーク州ブルックリンのブリトン・ビーチBrighton 4thのロシアや東欧の移民の集まっている場所にいく。ブリトンにはロシア・東ヨーロッパの住民が多く住んでいるらしい。息子は2段ベットがある小部屋を借りている。このアパートの住民はグルジア語を話しているようで主人公は言葉に困らず、持って行ったチーズとウオッカのような酒で祝杯をあげている。ある人はジョージアからキューバに出て、フロリダ、ニューヨークと一万五千ドルもかけて米国に侵入した。主人公、父親Kakhiはレスリングで、名声を高めたようでグルジアの首都の繁華街にアパートを持っている。息子がいるのでグルジアで米国入国のビザが簡単に取得できたようだ。息子は医者になるために試験を受けたいようだが、実はそれにはほど遠いようだ。試験を受けるにはグリーンカードが必要らしい。母親の心配が的中していて、あまり勉学に熱を入れているようには見えず、引っ越し屋をしている。父親にギャンブルで一万4千ドルの借金をしていると伝える。その他、偽装結婚をするために一万5千ドルいるともいう。この話を直接息子から聞いても、父親は人間ができているらしく、怒ることもせず、息子を見つめている。賭け事は父親譲りのようだ。

息子の住んでいる安アパートでは 父が持ってきたチーズを魚に宴会。飲むやら、歌やらで、生活苦を鬱憤ばらししているようにも見えるし、人生を楽しんでいるようにも見える。住民は永住権を持って、定職があり安定した生活をしているようには思えないし、日雇い生活をしているように感じられる。引っ越し業は外国人の仕事のようだ。人々の楽しみは飲むことと歌うことで、皮はイタリア製だとまだ(?)思っているせいか、中国製の皮の靴の存在をを簡単に受け入れられない人もいるようだ。父親は仕事をしようとするが、生真面目な性格で人の不浄さを嫌う。

息子が父親に、『賭け事をやめようと思った』といえば、『やめられるよ!』と。
カザフスタンの経営者のところで騙された人々を助ける片棒を担ぐが、この捕まえた経営者を逆に逃してあげる。『責任は私が取るから、逃げろ!』と。
息子の借金を賭け事に。負けたら、ジョージアの首都​​Marjanishviliあるアパートと自宅をやると。でも、勝ったら、息子の借金を棒にしてと。
父親は息子のために。
『Many years』グルジア語で仲間が歌う。
主人公は言葉少ないが、生き方に一貫性があり、人を助けてきた人。最後の、人助けが、自己犠牲。息子は父親の命が引き換えになったから、もう絶対に真っ当な道を進むだろう。

査証もなく、永住権もなさそうに見えるロシア系が多く集まるコミュニティー。それぞれ米国にきた目的は違うと思うが、主人公と息子を除いて、一切、それを語らず。その気持ちが、歌になっているようだが、歌に字幕がないのでわからない。

https://www.youtube.com/watch?v=agQLf4lB5_I