ひゅうどんこ

茶飲友達のひゅうどんこのレビュー・感想・評価

茶飲友達(2022年製作の映画)
4.2
 作品のメインは、管理売春と高齢者の性だと思うが、サイドメニューにならぶ身の回りから社会全体に至るまで燻ぶる問題も、意外と繋がりながら同時進行している。

日本を支え動かしている世代は登場しない。
もう自分は必要とされない、
これまでの自分を否定され希望が見えない、
そんな端と端の老いと若き世代を、出口はともかく努めて明るく綺麗に撮っている。

ワークショップをもとに集められた34人の出演者、スタッフ、クラウドファンディングに参加したティーフレンドの人達、、ファミリーで作った一体感が映像から伝わる。


 見ていて痛い。他人事に憐れに思うという痛いじゃなく、自分が通ってきたことや今の現状、この先同じことになりそうな、、、そんなエピソードがたくさん出てきて、古疵をカミソリで裂かれて塩を塗られる気分にもなった。

本当に現実的な映像ならかなりダメージをうけてしまったかもしれない。
どこかしら物語だと引きで見ることが出来る画で助かった。


 ルールは社会全体を守るためのもの、個人にはしばしば冷酷になる。

だからといってルール無用を決め込めば、手痛い仕打ちが待っている。
一人だけはじき出されたと感じる孤独や疎外感を温め直せるものは何だろう?

今その時々の眼を、唇を、言葉を、思いを、肌を、人を感じ取り愉しみ、出来る限りのコミュニケーションを尽くす、どこにいても何をしていても、それが大切だってことは多分変わらない。

最近全然出来てないよなあ。
孤独には慣れているつもりだけど、やっぱり淋しいのはイヤだもの。

生まれたときから煎茶は水代わりに飲んできた。
茶飲友達には、心を込めて美味しいお茶を淹れて差し上げよう。
玉露を所望とあらば、喜んでしずく茶をご一緒しよう。
あの甘美さを味わうひとときを誰かと分かち合えるなら最高だよ。
それが今の相方ではないことだけがはっきりしてるのは返す返すも残念である。


参考資料
◎映画『茶飲友達』公式サイト
http://teafriend.net/

◎映画『茶飲友達』制作応援サポーター大募集!ENBU×外山文治監督!若手×シニア俳優の競演! - クラウドファンディングのMotionGallery
https://motion-gallery.net/projects/tea-friend





──── 最近鑑賞した映像作品 ────
【音楽】
12月15日(金)EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR 2023「Welcome to Rock'n'Roll」
2023年12月14日/東京 日本武道館 2:01:57 WOWOWオンデマンド
 こんな74歳おらんで((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
永ちゃん元気なうちに、またタオル投げしに行きたい。

【映画】
12月17日(日)『幼な子われらに生まれ』🇯🇵2017 2:07:12  3.8
 幼な子は、生まれてくる家庭も親の再婚相手も確かに選べないのツラいなぁ。親って努力しないとなれないもんだって分かってなかったかも。