くろねこヤマ子

世界で一番美しい少年のくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)
4.0
タジオがタジオになる前と
なる直前と(面接)
なってからと(撮影)
なった後と(カンヌそれから日本)
タジオが父になった時と
(えっ?!子ども居たんだ?!)
そして更にその後のことを、
今の姿(これが大半)で
記憶を交錯させながら
彼の半生を追うドキュメンタリー。

その姿は哀しくて深い闇に
ずっと包まれていて、
たまに見せるあの時と変わらない
はにかんだような笑顔に泣きそうになる。

多分彼にはすごく遠くに
小さな光の点が見えていて、
その点には
たくさんの意味が込められていて、
多分それが彼の救い。
生きるって言ってる。嬉しい。

ミッドサマーで久しぶりにお見かけした時、
正直ココロがときめきました。
タジオがまだご存命である事が嬉しくて。

そりゃまぁ傷ついたでしょう。
その後ロクな人生じゃなかったでしょう。

当時のフィーバーを知らない私でも
容易に想像はできます。
もがいたよね。苦しかったよね。
そして今、この時代に語ってくれて
ありがとう。

けれど。
悪いけど私はヴィスコンティも
それからジャニーさんも
否定しないからなって思う。
(突然のヒロム擁護)
だからといって
犠牲にしてしまってごめんね。

美しき芸術をありがとう。
貴方は見た目だけじゃなく
心までもがピュアで美しかったから
スクリーンの中で多くの人を虜にしたんだと
改めて思いました。

今も変わらず世間に疎く
儚くいてくれてありがとう。
出来れば今の貴方が映る作品を
また少しで良いから観たいです。

今度は傷つかない方法で。
もし貴方が傷つかないのであるのならば。