あの『ベニスに死す』の美少年の人生がこんなにも過酷な人生を歩んでいようとは知りませんでした。まだ世の中を知らず、頼る者が必要な子供時代に彼のような経験をしたら何を指針に生きていけば良いのか分からなくなってしまうのではないでしょうか。大人になったらその後の人生は自分の責任、と簡単に言えますが必ずしもそうではないようです。自分の父親が誰かもわからず、母親も失踪(その後森で死体となってみつかります)。祖母に金のなる木とみなされ、大人の餌食にされたビョルン。結婚はしたけれど息子が死んで鬱とアルコール依存症になってしまいます。運命だから仕方ない、と気安く言っていいのかしら。人気があったとはいえ日本での彼の扱いもなんだかなです。その当時関わった方のインタビューを見てなんか腹立たしくなりました。何トボケたこと言ってるんだとイラッとします。『子供は子供を育てられない。』とビョルンが言ってましたがその言葉が悲しかった。母親の残した手紙(？遺書？)も胸が締め付けられるようでした。今後の彼が穏やかで少しでも幸せに暮らせますように…。
