このレビューはネタバレを含みます
観る機会を逸していてやっと鑑賞。
えっ、いま何か音がしたよね…?しゃりしゃり…いや違う、どんなだったっけ、たった今なのに思い出せない…!
はっ、ここ都市の住宅街だよね?波の音がした?
あまりにさりげなく、変な音がどこからか聞こえるたびに、頭が考えるより先に鳥肌でサ…と体の表面が寒くなった。
そして西山さんの、冷血ではないのだが人として何かがずれてる、ような、忘れがたい顔、表情、舌!。いや対面してるカウンセラーのほうが身体的に不安要素を抱えてる?と思うと、えっ、そうだったのか、やはり。えっ、はっ?じゃないの?と、
音とともに、細やかに細やかに、私の胸のあたりの何かを逆転させては侵食してくる、乾いたイヤな感じ。
上から来るぞ…と身構え、画面上もそれを待つかのようにとどまっていながら…しかしおどかすような演出ではまったくなく、さも当たり前のようにさらっと視線を外してたほうから来る。そんな感じが物理的にも心理的にもじわじわと。恐怖!とも違う。うまく言葉にできぬ。
最後、急に生温かく、現実に戻った気になって終わるが、いや待てよ…と、またざわざわして、そのまま劇場を去ることになった。
そもそも家の間取りはどうなってたんだろう。一軒家、それなりの大きさがあるはずなのだが、上下への細長い運動のイメージ、息苦しいってほどじゃないんだけど、もしかして狭い?あれ?みたいな。
とにかく。不思議な感覚の映画…。
ちゃんと最初から最後まで観てたのに、「何か見落としてないか?」という不安感にも襲われる。
篠崎誠監督作でシナリオ共作しておられる酒井監督、なるほどこの感覚は篠崎監督と合わさったら最強だ…。今後もいろいろと観ていきたい、酒井監督。
【追記】
テレ東、木曜深夜1時から全6回の予定で放送していた「SIX HACK」が、3回でいきなり放送中止になり、4回、5回が他番組に差し替えになり、TVer、YouTubeのアーカイブも削除!
と思ったら、その2つを合わせて10分欠けるくらいの長さで、なぜこのような番組をつくったか、という、再現ドラマ入りのモキュメンタリーが、配信のみで公開されました。
過程がもう謎なんだけども、エンドロール見たら、そのモキュメンタリー内の再現ドラマの監督が酒井善三監督!
なるほど、の不気味さです。
もし観てない方は、最初の3回のTVer、YouTubeも復活したので、ぜひ最初から順に観てほしいです。相当高度なことやってる感じで、テーマは壮大そう…。ゼイリブ感あり。『SIX HACK』です。