とらちゃん

ベルファストのとらちゃんのレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.2
ケネス・ブラナーさん!アカデミー脚本賞おめでとうございます!
ケネス・ブラナーを初めて知ったのはたぶん5歳とかそこら辺の時にハリーポッターと秘密の部屋で初めてケネス・ブラナーを見ました。当時はギルデロイ・ロックハートという役の印象もあってハンサムなおバカというイメージしかありませんでしたがアカデミー賞取るくらい凄い人なんですね!
個人的には監督よりも俳優としてのケネス・ブラナーの方が好きですが、アカデミー監督賞にノミネートされるくらいですから監督としても優秀!すごい!
そういえば、劇中でバディがマイティ・ソーの漫画を読んでいたの笑った!彼がマイティ・ソーの監督をしていたからメタ的に出てきたのはクスッとした笑

この映画はケネス・ブラナーの子供時代のストーリーとなっています。彼はイギリス国籍ですが、生まれは北アイルランドのベルファストでそこで起きた問題を幼少期の彼の目線から描いたものになっています。
子供の目線からっていうのがタイカ・ワイティティ監督のジョジョラビットぽくて好みでした。

僕は無宗教ですし、洋画ではよく題材にされるような紛争や戦争に詳しくありません。
実際、子供であったバディもなぜ紛争になっているのかよく分かってなかったと思います。なので、逆に詳しくないということがこの映画ではバディに共感しやすくなっているのではないかと思いました。もちろん、よく分かっている人とか当事者だった人の方が共感や感情移入できると思いますけど。
観た後にパンフレットを読んだのですが、パンフレットに当時の時代背景が分かりやすく書かれていて良かった!

この映画はほとんどのシーンがモノクロですが、それにも理由があるそうです。パンフレットには、子供の頃、当時のベルファストは白黒に見えたそうです。そして映画はカラフルな想像の世界への逃避だったそうです。つまり、子供の頃見たものを出来るだけ映画に再現したかったみたいですね。
それに、映画内でも現実はモノクロで映画だけカラーっていう演出がありましたしね。

最近、パンフレットが制作されない映画も増えてきましたが、時代背景や監督や俳優のインタビューを知れるというのは作品への理解度も上がりさらに好きになるという役割も果たしていると思うのでできれば制作してほしいな〜。
最近の映画で制作されて無くて残念だったのは最後の決闘裁判だね。時代背景とか知りたかったのに残念(自分で調べろよ笑)。

この映画のおじいちゃんとおばあちゃんがすごく好きでした。
優しさもあり、伝えるべき事をしっかり伝えているのもいいですよね。
おじいちゃんがよく聞けって言ってたっけ?あそこのセリフ好きだった。
ラストらへんの子供や孫がベルファストから出て行く時のおばあちゃんのあの雰囲気が寂しくもあるけど家族の幸せを願っているっていうのが伝わってちょっと悲しくなった。流石は、ジュディ・デンチ。最高の演技でした。

てか、お父さんベルファストからロンドンに出稼ぎってクソ大変だね。

僕は高校から地元を出ているのですが、家族が地元にいるので地元を離れることに全く抵抗はありませんでした。いつでも帰れます。でも、バディたちはそんな簡単に故郷に帰ることはできない。9歳にしてこの経験はかなり辛かったでしょうね。

もう一回観たい。

2022.86本目
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