監督ケネス・ブラナーの幼少期体験を元に作られた日常生活のドラマ。
ベルファストって、なんかガンダムで馴染みがあるんだけど、1969年からカトリックとプロテスタントの衝突「北アイルランド紛争」を本作観るまで全く知りませんでした。
こないだまで良き隣人だった人が宗派の違いで攻撃され、暴力を振るわれる。
まさに自分の世界が分断された瞬間だったのでしょう。成程今作られる作品な訳だ。
映画的には派手なシーンが売りではないが、分断されてしまった世界でも、クサることなく、家族の幸せを考え、行動する普遍的な物語であった。だからこそ世界中で評価されてるんだと思う。
個人的には幼少期に育った環境から引っ越した経験が、主人公バディくんの心情と重なる部分があった。あんな理由ではなかったけど、住み慣れた環境を変えるって心の負担は結構重い。
意図して無かったんでしょうが、見方によっては北の超大国が自国の閉塞感を隣の国へ侵略する事で目眩しせんとする状況に重ねることも出来るでしょう。
肝っ玉美人母ちゃんを演じたカトリーナ・バルフが光ってましたね。
故郷を1番離れたくなかったのは彼女だったけど、離れる決断をしたのはとても辛かったでしょう。