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パワー・オブ・ザ・ドッグのkuuのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.0
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
原題The Power of the Dog.
映倫区分G.
製作年2021年。上映時間128分。

女性監督として初のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したジェーン・カンピオン監督が、ベネディクト・カンバーバッチを主演に迎え、1920年代のアメリカ・モンタナ州を舞台に、無慈悲な牧場主と彼を取り巻く人々との緊迫した関係を描いたイギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・アメリカ合作人間ドラマ。

カンバーバッチがフィル、実生活でもカップルのキルステン・ダンストとジェシー・プレモンスがローズとジョージをそれぞれ演じ、ピーター役はコディ・スミット=マクフィーが務めた。
今作品は、西部劇小説で知られるアメリカの作家、トーマス・サベージが1967年に書いた本が原作だそうっす。

大牧場主のフィル・バーバンクと弟ジョージの兄弟は、地元の未亡人ローズと出会う。
ジョージはローズの心を慰め、やがて彼女と結婚して家に迎え入れる。
そのことをよく思わないフィルは、2人やローズの連れ子のピーターに対して冷酷な仕打ちをする。
しかし、そんなフィルの態度にも次第に変化が生じる。。。

色んな意味で古典的な映画ってみるのもアリとは思うけど、今作品を愛と憎しみ、過去と性生活について描かれた面でみると非常に印象的で興味深い映画かな。
監督は、『ピアノ・レッスン』(The Piano)でアカデミー賞脚本賞を受賞し、アカデミー賞監督賞にノミネートされたことのあるジェーン・カンピオン。
パッと見は男性監督を思わせる作風だけど、作中内容の様に秘めたる何かを描くように、女子ならではの細かなとこの演出スタイルには、言葉もないほど感心させられました。
彼女はとても良い雰囲気を作り上げていて、それは最初ではなく後からジワジワきたかな。
このジワジワ感が合わなければ多分なんじゃこりゃでドロップアウトしちゃうんちゃうかな。
なぜなら、ここでは雰囲気がゆっくりと構築されていくからっす。
ほんで、最後にはつながる系の作品でした。
個人的にではありますが、ジェーン・カンピオン監督は非常に良い仕事してたんちゃうかな。
脚本もジェーン・カンピオン自身が書き、ここでも非常に印象的な仕事をしてるんちゃうかな。
映画のシークエンスは非常にうまく展開されてたし、脚本は、すべての主人公の過去をゆっくりと紹介し、ゆっくりと緊張感を高めてました。
今作品のすべてのプロットは、非常に巧妙で予測不可能な方法で行われていたし、脚本が過去を明らかにする以外は、すべての主人公の暗黒面を直接的、間接的に見せてくれます。 この全体が予測不可能で、5分後、10分後に何が起こるか分からないのが、これまた良かった。
また、どの俳優も役にぴったり合ってたし、キャスティングは非常にうまくいってるんちゃうかな。
コディ・スミット=マクフィー(『X-MEN-アポカリプス』やとナイトクローラー役やったかなの俳優さん)は、都会的で変人のような風貌で、この役に合致してたし、彼の顔立ち、キャラの特徴、振る舞いとの組み合わせはエエ選択やったんちゃうかな。
ベネディクト・カンバーバッチも、キルスティン・ダンストやジェシー・プレモンスと同様に、巧いこと選ばれてんなぁと思ったし、どの俳優もとても善き演技をしていました。
見た目も自然やったし、カメラも巧みで、撮影監督に対して素人映画好きとしては、何も云うことはnothing。
今作品のために選ばれたスタイルは、テーマによく合ってたし好きやなぁホンマ。
生まれちゃいないけど、小説や映画で知る限り1925年の時代の現実をよく表現してんのとちゃうかな。
加えて、音楽はメチャ支配的で、この映画のスタイルによくマッチしてメロディーも曲もとても良く、印象に残りますし、映画のスタイルに曲のスタイルがとても良く合ってた。
今作品は、多くの月日を経て、Netflixが公開したアタリ映画でした。繰り返しになりますが、今作品とても印象的で、監督と脚本家の間違いがないように、非常にプロフェッショナルな方法で作られてるし、個人的には脱帽しました。
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