トールキン

イノセンツのトールキンのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.9
端的な感想で言うとゾッとする怖さ。ホラーではなくサイコスリルな怖さ。

冒頭からすでに不穏な空気が漂い、これから何が起こるのか、途中途中何が起こっているのか、一見理解し難い予想不能で目を覆いたくなるような、それでも怖いもの見たさで何かを期待させてくれるかのような感じで終始ゾワゾワした。話の展開に対して説明などがほとんど無くこちらで勝手に想像するしかないし、それでも色んな怖い想像をしてしまうし、とにかく訳の分からない雰囲気や世界観に段々と飲み込まれていく。ハラハラドキドキと言うよりもゾクゾク、ビクビクと言うようなスリル。何度も流石にやり過ぎだろうってくらい本当に目を覆いたくなるようなシーンがあってその度にビクッとなった。

子どもは無邪気で残酷だ。無邪気だからこそ善悪の区別や物事の分別がつかない。子どもの世界では子どもでしか分からないことがあって、だからと言って大人が関与してしつけて解決するか、と言えばそんな単純な事ではないし、それを子どもから大人に助言を求めてもいいものかと言えばそうでもない気がする。その辺をはっきりさせない部分が良い。モヤモヤが残って終わってしまう消化不良なとこが逆に良かった気がする。
無邪気な子どもたち、そしてイノセンツというタイトル。この2つを関連づけると複雑な気持ちを抱き心にグサグサと刺さってくるかのような感情を個人的に覚える。
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