難解らしい。監督も「２回観てね！」と言っているぐらいに難解らしい。人がいっぱい出てくるらしい。その人らの相関が分かりづらいらしい。
…下馬評どおりだった。いっぱい人が出てきて難解だった（そのまんま）。
早口でおそらく詩的な言い回しで矢継ぎに繰り出される台詞。劇中劇の分かりづらさ。突飛な設定。あんた誰だっけ？言い出したらキリがなさそうなぐらいに「観づらい」作品だ。
ウェス・アンダーソンならではの色彩や構図の美しさは、言わずもがなの極上品。ただし頻繁に転換する劇中劇の設定のせいか、グランド・ブダペスト・ホテルでの絵本をめくるような体験はできず、どちらかと言うと長期休暇で避暑地（アステロイド・シティは暑そうだけど）でゆったり同じ景色を見続ける感じに近い。
なんか事件は起きるんだけど、だからどうって感じだし、眼前の景色は美しいし変わり映えしないしで、30秒ぐらい寝た。癒されたんだね。「眠らなければ、目覚められない！」って言ったし、まあイイかな…。
何もなさそうで、でも奥深そうな…。奥深そうで、やっぱり何にもなさそうな世界観。スコアは作品にではなく、分からなかった自分に対して。
