吉田ジャスティスカツヲ

笑いのカイブツの吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
3.9
【構成作家のツチヤタカユキさん】が自身の半生を題材にした小説が元。
原作小説は一人称視点で物語を進めますが、映画は確キャラクターから見えた主人公を丁寧に対象化した、人間群像劇。
総体は【愛と信頼関係の映画】に仕上がっていましたね🤔

笑いを生み出す才能はあるのに、それを発揮する【社会性・社交性が致命的に欠ける男】でして…
とにかく彼は、私が観ていて苦しくなるほど他人と触れ合えません。
一方で、“オモロい”ネタを生み出すことに関しては天才的。
それを認めてもらうために世に出ようとしても、人間関係が不得意であるために白目で見られてしまう。


才能と熱意だけではどうにもならない、そんな“地獄”を生きる者の物語が、このうえなく重くで熱いのです😖


演じる岡山天音が“文字通り以上”のベストアクト😳‼️
社会の異物みたいな孤独な実存へのアプローチは『JOKER』のホアキンフェニックスを彷彿とさせますが【ツチヤの核は剥き出しの感受性を世界に晒した蒼い潔癖さ】にあります。
俺は“正しい世界”で生きたい‼️との叫び。


難点は2つあります。
ひとつめは言葉や台詞で表現する以上に、主人公の技能/才能が観客へは伝わり辛かったこと。

もう一つは母、ミカコ、ピンク、西寺のような、その才能や熱意にアテられて彼を慕ってくれる周囲のキャラクター達のようにまでは…
この副交感神経がブッ壊れた主人公に、感情移入できるか?がネックだと思いました。