ギリシャで祖母を看取り一人になった主人公は、ドイツに住む母が残した古い車で、南イタリアへのフェリーに乗り込む。
そこで出会った男とドイツまで同乗することになるのだけど、ふたりの性格の違いのせいで色々もめつつも、次第に主人公の旅の背景があきらかになっていくロードムービー。
タイトルは、口が重い主人公に、同乗者のドイツ人の青年が重ねていく質問の数々と、それにあまりにも答えがないものだから、質問した側が勝手にイエス・ノー・メイビーと繰り返していく、そのやり取りからきてるのかな。
実際は主人公は、他人に明確に説明できるようなはっきりとした理由があって行動しているわけじゃないのだろうし、質問している方も次第に相手を理解していく。
その過程は言葉で説明されるのではなく、少しずつ近づいていく距離感や、価値観の違いで衝突したあとに仲直りする場面の仕草に細やかに表現される。
それでそのあと彼らがどうするのかは全然わからない(すごい唐突に終わる(笑))けど、そういうところも含めてとても好みだった。
まあ、観光地じゃないギリシャの街の佇まいの描写が南イタリアに移り、あえて高速を使わないのんびりしたドライブにつれて変わっていく景色を眺める映像がすごく良かったからというのは大きいかも？
でも、アルプスを越えた辺りでふたりの関係も変わり、最後にはすっかりカップルのような様子になってるのがなんだか自然で良かった。
あのふたりあのあとどうするんだろう？とつい考えてしまう。
それにしても会場でイビキかいて寝てる人がいたのには閉口した。スタッフを呼べる装置がほしい。
